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ドコモが「マルチプロファイルSIM」を開発、渡航先の現地キャリアに自動切替

 NTTドコモは、ジェムアルトの協力のもと、複数の通信事業者の情報を格納できるSIMカード「マルチプロファイルSIM」を開発した。

 今回ドコモが開発した「マルチプロファイルSIM」は、国内ではNTTドコモの電話番号を利用でき、海外渡航時は現地キャリアの電話番号に自動で切り替わり、現地キャリアの通信サービスが利用できるSIMカード。スマートフォンやタブレットなど、人の利用を想定した機器のSIMカードとしては世界初としている。

 海外駐在や留学など、長期滞在するユーザーを想定。これまでこうしたユーザーは、海外で通信サービスを利用するために、現地のSIMカードを調達したり、海外用のスマートフォンを用意したりする必要があった。今回の「マルチプロファイルSIM」では、日本のNTTドコモのスマートフォンに、国内で使っているSIMカードを挿したまま、渡航先の現地キャリアの通信サービスを利用できる。

 1枚のSIMカードの中にNTTドコモを含む、複数のキャリアの登録情報(プロファイル)を格納し、SIMカード内に搭載したアプレット(SIMアプリケーション)により、現地のキャリアに自動で切り替える。国際ローミングと異なり、電話番号も現地の事業者のものを利用する。海外からNTTドコモ電話番号で通話するといった用途に対応するため、ユーザーによるキャリアプロファイルの手動選択にも対応する。

マルチプロファイルSIMの概念図

 ドコモとジェムアルトは、2016年2月から、「コネクサス・モバイル・アライアンス」に加入するアジアの携帯電話キャリアと共にマルチプロファイルSIMの技術検証を進めている。プロファイル切替機能の安定性が確認されたことから、今回の発表に至った。

タイ・ベトナムで実証実験

 NTTドコモは、「マルチプロファイルSIM」の有用性を実際の利用環境で評価するため、法人ユーザーが参加する実証実験を行う。実証実験の期間は12月1日~2018年3月30日。

 実証実験には、キャリアとしてNTTドコモとタイのTrueMove H、ベトナムのVNPTが参加。タイやベトナムに拠点を置く日本の企業ユーザーへ100回線のデータ回線を提供する。同SIMを通した社内ネットワークへのアクセスなど、実際の業務利用における品質や使用感を検証する。

 ドコモは、「マルチプロファイルSIM」を利用したサービスを2018年度内に提供する予定。対象国や契約形態、利用条件などは未定としている。