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KDDIの翻訳タクシー、沖縄で50台配備

GPS連携で地名を正確に認識

(左から)KDDI総合研究所 執行役員 プロモーション部門長の田中英明氏、KDDI 技術開発戦略部渉外グループ マネージャーの沖本彰氏、沖縄ハイヤー・タクシー協会 統括部長の新垣良勝氏

 KDDI、KDDI総合研究所、沖縄県ハイヤー・タクシー協会、沖縄セルラーは、11月16日から沖縄県内のタクシーにおいて多言語音声翻訳システムを活用した訪日外国人向けの社会実証を開始した。

 KDDIとKDDI総合研究所では、2015年11月から鳥取県や東京都においてタクシー内での多言語音声翻訳システムの社会実証を行ってきたが、今回はその第3弾となる。実施期間は2017年11月16日~2018年3月。

 鳥取では18台、東京では都度対応という状況だった台数も沖縄では50台まで増やされる。機材のセットアップなどの手順を簡略化しつつ、乗務員へのトレーニングを行うことで商用化に一歩近づけた。

 今回の社会実証では、新たにGPSを使用し、現在地の固有名詞に適した地名の翻訳機能が追加されている。これにより、沖縄特有の珍しい地名(3000件以上の地名を辞書に登録)も正確に認識し、スムーズでストレスの無いコミュニケーションの実現を目指す。

 GPS情報を付加することで地域ごとの辞書を切り替え、同音異義語や地域によって異なる固有名詞の識別。例えば、「タイラに行きたい」と話しかけた場合、長崎県の「多比良」ではなく、沖縄県の「田井等」ときちんと認識する。同システムでは、ディスプレイ上に目的地の観光情報を表示できるようになっているが、地名を正確に把握することで、最適な情報を提供することが可能になる。

後部座席のタブレット。auのLTE網経由でクラウドサーバーに繋がる
美ら海水族館という言葉に反応し、画面の背景が変更された
運転席のタブレットは後部座席のタブレットとBluetoothで接続。ハンドルの右側の青いボタンで音声認識をスタートする