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OKWAVE、質問の意図を理解して答えるAIエージェント「あい」

 オウケイウェイヴ(OKWAVE)は、ユーザーからの質問に答えるAIエージェント「あい」の提供を、10日12時に開始する。会員登録不要のWebサービスとして、スマートフォンやパソコンから無料で利用できる。

 AIエージェント「あい」は、ユーザーがチャット画面で質問をすると、適切な答えを1つ返す。答えは、「OKWAVE」に投稿された回答を基にしており、OKWAVEのWebサイトから参照できる。サービス開始当初は、「美容・健康」ジャンルの質問に回答する。

「あい」利用イメージ

 通常の検索エンジンと異なるのは、質問の“意図”を理解して回答するところ。例えば、「口内炎って病院に行った方が早く治りますか」という質問は、検索エンジンでは口内炎関連の情報から探す必要があるが、AIでは“病院に行くべきかどうか”という質問の意図を理解して回答する。

仕組みは?

「あい」の仕組みを解説するOKWAVE 取締役CTO 浅川秀治氏

 Q&Aサービス「OKWAVE」に投稿された3500万件以上のQ&Aを機械学習して誕生した人工知能(AI)「KONAN」を搭載する。

 一般的な検索エンジンは蓄積された情報から検索するが、「KONAN」は、情報のトピックを整理した「知識」の形で保存する。例えば「映画」というトピックに「シネマ」「ムービー」といった表現も紐づけてて保存され、「映画」に近いトピックとして「音楽」や「漫画」と関連付ける。

 OKWAVEの技術の特徴的な点は、Q&A情報を機械学習する際に、質問と回答を別々に学習させたこと。人間が質問して人間が回答するQ&Aサイトでは、適切な質問がなされているとしても適切な回答がされるとは限らないが、AIが見つけ出した質問と回答をそれぞれ結びつけることで、より精度の高い回答ができるとしている。

企業のカスタマーサポートに活用も

「あい」の展望を紹介するOKWAVE 代表取締役社長 兼元謙任氏

 今後、「あい」は回答できるジャンルを随時拡大し、最終的にはOKWAVEがカバーする全ジャンルに対応する。近日中にあいまいな質問に対して聞き返す機能を追加するほか、音声での検索にも対応する予定。

 さらに、「あい」の技術をもとにした企業向けのサービスも提供される予定。サポートのFAQ集などを基に機械学習して、ユーザーの使い方など質問に対応するサービスで、FAQに足りていない項目などを分析できる機能もあわせて提供される。