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サケ定置網内の映像をLTE送信する“スマート漁業”、KDDI総研らが実験

 東松島みらいとし機構(HOPE)とKDDI総合研究所は、LTEやデータ分析技術を用いて定置網漁業を効率化を目指す「スマート漁業」の実証実験を、宮城県の石巻湾漁場にて開始した。期間は12月上旬まで。

 HOPE、KDDI総合研究所と、漁業用ラジオブイを手がける大野電子開発では、海上に浮かべる器具「スマートブイ」を共同開発し。水温や塩分濃度、潮流などを計測するセンサーを備えたスマートセンサーブイと、水中を撮影するスマートカメラブイの2種類を用意し、LTE通信モジュールによって、受信した情報をデータベースに送信する。

 データベースでは、スマートブイから取得したセンサー情報とカメラ映像に加え、石巻近辺の水温や漁獲量などのオープンデータを蓄積する。漁業者はスマートフォンやタブレット、パソコンで漁業データを参照し、毎日の漁獲量の予測値と実績値を入力、保存できる。

 実証実験はサケ漁を対象として実際に運用し、得られるデータの有用性や、電池持ちやセンサーの劣化、異常検知、通信の安全性の観点から、長期運用性を評価する。