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スマホを活用した防災訓練~KDDIが支援
2016年8月6日 16:02
KDDIとKDDI研究所は8月6日、岡山県笠岡市立神島外中学校の生徒と地域住民を対象に、スマートフォンを活用した防災訓練を実施した。
両社では、中部大学 現代教育学部 教授 三島浩路氏監修の下、これまでに岡山県総社市立総社西中学校、山梨県立都留興譲館高等学校、兵庫県たつの市立龍野東中学校の生徒を対象に防災教育と情報モラル教育の実践授業を行ってきた。
今回は4回目ということになるが、3回目で取り入れた保護者参加の枠組みをさらに拡大し、地域住民を巻き込んだ防災訓練として実施されることになった。
神島外浦地区は、周囲を山と海に囲まれたおよそ600人の集落。市街地とは2本の道路で結ばれているが、大雨の時には土砂災害により道路が塞がれ、陸の孤島となってしまうこともしばしばあるという。実際に今年6月には2本の道路がともに土砂崩れで通れなくなった。
この地区には目立った産業もなく、日中は働き盛りの大人のほとんどが地区外に働きに出かける。このため、日中は子供と高齢者のみとなり、大規模災害が発生した際にいかに安全に避難するかが課題となっていた。
防災訓練に先立ち、8月1日には地域のシニア層を対象に「KDDIスマホ・ケータイ安全教室」、さらに、8月2日に中学生を対象に「KDDIスマホ・ケータイ安全教室」をそれぞれ実施。スマートフォンの基本的な使い方や、いかに短く的確に情報を伝えるかといった情報モラルに関する講座と、スマートフォンを活用した防災訓練が一つのパッケージとしてまとめられた。
防災訓練は、4人1組のグループに分かれ、地域の奉仕活動として草むしりをしている最中に南海トラフ地震が発生、2時間後には津波が来るという想定で行われた。各グループには避難経路に関する断片的な情報が散りばめられたシートが渡され、スマートフォン上でのテキストチャットを通じてその情報を他のグループと共有し、途中、救援を求める人たちをチームワークで手助けしながら避難するという内容。
顔なじみが集まった防災訓練ということで、和気あいあいとした雰囲気の中で進められた。津波から逃げる必要があるということで、正解の避難所は日光寺という高台にあるお寺に設定されていたが、「最後のきつい上り坂は年寄りには無理」という理由で別の場所に向かうグループや、低地の避難所に留まるグループもあった。臨機応変な大人たちが参加した結果、こうしたミスが起きてしまったのかもしれない。
KDDIとKDDI研究所では、これまでCSR活動の一環として子供向け・シニア向けにそれぞれ実施してきたスマホ・ケータイ安全教室に加え、防災訓練という新たなメニューをパッケージとして提供できるようにプログラムやシステムを整備していく方針だ。