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auとカブドットコムが「auで株式割」、auスマートパスユーザーに手数料割引

 カブドットコム証券とKDDI、沖縄セルラーは、auスマートパスのユーザーを対象に、現物株式手数料割引プラン「auで株式割」の提供を開始した。

 auスマートパス向けにカブドットコム証券のアプリ「kabu.com for au」が追加され、同アプリからの注文で、現物株式手数料が一律で1%割引される。カブドットコム証券が提供する女性向けの割引、シニア向け割引と併用できる。同アプリはAndroidに対応しており、iOS版は今後提供される。

 あわせてカブドットコム証券が指定した銘柄を対象にした「株主推進割引」に、KDDIの株式を追加する。

 2016年12月31日まで「スマホで投資デビュー応援キャンペーン」が実施される。スタッフがユーザーの自宅を訪れて、スマートフォンの使い方をレクチャーする。利用料は2万900円で、対象のスマートフォンは「BASIO」。

 三菱UFJフィナンシャル・グループで、ネット証券ではシェア9%(業界4位)というカブドットコム証券は、システムの大半を内製、つまり自社で開発する。スマートフォン向けでも、これまでも株主優待を検索できるアプリやユーザーにあった投資信託をアドバイスしてくれるアプリなどを提供してきた。カブドットコム証券代表取締役社長の齋藤正勝氏は、そうしたアプリを提供することで、貯蓄を選びがちな日本人へ、より気軽に株取引できるような取り組みを進めていると説明する。

カブドットコム証券社長の齋藤氏

 auとタッグを組む理由として齋藤氏は、株取引を利用する層の多くが高齢者で、携帯電話会社との協力により、ユーザー層の拡大を図ると説明する。同氏は「国内の株取引ユーザーは500~1000万人と言われる。いずれにせよ当社も競合他社も100万単位の口座になるが、銀行や携帯電話になるとその契約数は1000万単位。今回の取り組みを通じて、利用者数はこれまでの当社と桁違いのところを狙いたい」とコメント。ただしユーザーが劇的に増えたとしても、収益面は従来からいきなり桁違いに成長することはない、としており、少額の利用を見込みつつ、より多くの契約数の獲得を目指す。1%という割引額についても「ユーザーはシビア」と齋藤氏。毎回発生するコストだけに、じわじわとボディブローのように効いていくと語る。

じぶん銀行アプリとの連携進める

 一方のauは、2016年に入ってから「auライフデザイン戦略」を掲げ、保険や住宅ローンといった金融分野の商品を提供しはじめている。三菱東京UFJ銀行とともに「じぶん銀行」との設立や、auライフデザイン戦略における金融分野での事業を担当するKDDIバリュー事業本部金融・コマース推進本部長の勝木朋彦氏は、今回の取り組みを「第1弾」と位置付け、“貯蓄から投資へ”という動きを加速させたいと意気込む。auスマートパスのアプリとして新たなサービスが加わった、という形だが、auライフデザイン戦略の一環でもある、と勝木氏は述べる。

KDDIの勝木氏

 KDDIにおける金融分野といえば、設立から10年ほどになるじぶん銀行が挙げられる。そのじぶん銀行は最近、アプリを全面的に刷新。今後はカブドットコム証券のアプリへの導線を用意するなど、さらなる進化をはかる。

 そうした取り組みとして、来春からキャッシュカードなしでも、スマートフォンアプリだけあればATMを利用できるようにする、という方針を明らかにする。対応するATMはセブン-イレブンなどにあるセブン銀行のもの。今後も金融とITを組み合わせたフィンテックサービスを展開する方針を示した。

スーツ姿のカズレーザーが株取引を体験

 会見後半には、フィナンシャルプランナー2級の資格を持つタレントの福田萌と、興味はあるが知識が少ないというメイプル超合金(安藤なつ、カズレーザー)が登壇。普段は金髪で赤色の服というカズレーザーが、今回、大手町の証券マンをイメージしたというスーツ、眼鏡、黒い髪というスタイルで登場して会場を驚かせる。

スーツ姿のカズレーザーに驚きの声

 3人は、カブドットコム証券の担当者からスマートフォンを使った株取引の手順を体験。もっともちょうど市場が閉まっている時間で、デモ環境を使ったもの。手始めに日経平均株価をチェック、続いて株式関連のニュースを確認するという流れが紹介されると、カズレーザーがその手順にならって操作。KDDIの株式情報を参照して「大株主に躍り出ますね」と軽く宣言して5万株の注文を押す、というところまで体験した。カズレーザーは「こんな簡単に大株主になれるとは。レアなポケモンを探すより簡単ですね」と、話題のゲームを引き合いに出しながら、その手軽さを紹介する。

 老後を一切考えていなかった安藤なつは「ひとりで老後を迎えることになりそう。今から考えておきたい」と意欲を見せる。最後にカズレーザーは「株取引といえばがっつり儲けようという話が多いけど、簡単に買えるようになって若い人が購入し、株取引が身近になるのはいいこと」と、その服装にマッチしたコメントで、カブドットコム証券のサービスをアピールした。

左からカブドットコム証券の齋藤氏、安藤なつ、カズレーザー、福田萌、KDDIの勝木氏