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ソフトバンク、“後継者候補”ニケシュ・アローラ氏の退任を発表
2016年6月21日 20:22
ソフトバンクグループは、代表取締役副社長のニケシュ・アローラ氏が6月22日付けで、代表取締役と取締役から退任すると発表した。同氏は7月1日からソフトバンクグループの顧問に就任する。
同社は発表文の中で、退任の理由について「孫正義はアローラを有力な後継者候補と考えていましたが、数多くのテーマに取り組む中で、当面は当社グループのトップとして指揮を執り続ける意向です。一方で、アローラは、数年のうちに孫に代わって当社グループのトップとして指揮を執りたいとの意向でした」と説明。両者の時間軸がずれたことで、アローラ氏は任期満了という形で退任することになったとしている。
ソフトバンクはまた、同時に発表したニュースリリースで、ニケシュ・アローラ氏が7月1日付けでソフトバンクグループの顧問に就任すると発表した。孫氏はこの発表の中で、2015年の投資実績や2016年の6月に入ってからのAlibabaやSupercellの株式売却とその成功、功績を、アローラ氏の貢献によるものと称えている。
その上で孫氏は「やり残したことがあると感じていた。その他いくつかのクレイジーな構想も実現したい」と“続投”に意欲を示しており、「少なくともあと5年から10年は代表取締役社長として当社を率いていく必要がある。この間ずっとニケシュを当社のトップになるまで待たせてしまう期間になってしまってはいけないと考えた」と、アローラ氏退任の経緯を説明している。
なお、前日の6月20日には、“株主とみられる方”からの、ニケシュ・アローラ氏に対する申し立ての内容について、評価するに値しないとの結論に至ったと発表。その際には孫氏から「ニケシュには全幅の信頼を置いており、特別調査委員会が申し立て内容を徹底的に調査し、その内容について評価するに値しないと結論付けたことをうれしく思います」とコメントが発表されていた。
6月で1兆8000億円以上の資金調達
ソフトバンクグループはまた、スーパーセルの株式すべてをテンセントに売却し、資金化することも発表している。売却額は約73億ドル(約7700億円)。
ソフトバンクは6月1日~3日にかけて、Alibaba株式の売却と一部資金化を発表し、総額100億ドル(約1兆441億円)の資金調達をすでに発表している。
6月6日には、ガンホーによる、公開買付けでの自社株買いを発表しており、ソフトバンクは売却益として約560億円の計上を見込んでいる。