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ソフトバンク孫氏、Google元幹部のニケシュ氏を“後継者”に指名

 ソフトバンク 代表取締役社長の孫正義氏は、代表取締役副社長に就任予定のニケシュ・アローラ氏を、孫氏の“後継者”に指名した。5月11日に開催された決算説明会において明言されたもので、創業者である孫氏が、自身の後継者を名指ししたのはこれが初めて。

ニケシュ・アローラ氏について語る孫氏
質疑応答で回答するニケシュ・アローラ氏

 ソフトバンクは、事業のグローバル展開をにらみ、7月1日から、持株会社の社名をソフトバンク株式会社から「ソフトバンクグループ株式会社」に変更する予定。買収や投資を行ってきたインターネット企業を統合的に管理し、グローバルな戦略を進めていく「ソフトバンク2.0」と呼ぶ方針を示した。

 ニケシュ・アローラ氏は、Googleの上級副社長兼最高事業責任者として、Googleの事業を率いていた経歴を持ち、2014年9月にソフトバンクのバイスチェアマンに就任していた人物。6月19日付けでソフトバンクの代表取締役副社長に就任する予定で、社名変更後はソフトバンクグループ代表取締役副社長になる。

 孫氏は会見の中で、ニケシュ・アローラ氏について「(過去の闘病中の例外的措置を除き)上場して以来はじめて、英文でいうところのプレジデントの肩書をニケシュに譲る。彼がCOO&President、私はCEO&Chairmanということになる。これはそれなりに重要な意味を持っている」と発言。

 質疑応答の中で後継者指名かと聞かれると、「実質的な後継者指名かと言われれば、イエスだ」とした。一方で、自身が引退することは否定し、「若いつもりでいる。経営の第一線でやっていく」と意気込んだ。

 直近の9カ月間は、二人三脚で経営のパートナーとして過ごしてきたといい、「“時に人を得た”。(ニケシュ氏が)大変有能な人材を続々とリクルーティングし、増やしている。インターネットのテクノロジーについては私を上回る才覚を持っており、多くを学んだ。加えて人格も、尊敬に値する。非常に楽しくやっていけている。気心がしれて、議論ができるのは素晴らしい。本当によかった」と、グローバル展開を着々と強化している様子や、後継者候補として非常に高く評価している様子が語られた。

 なお、「ソフトバンク2.0」と呼ぶ取り組みに合わせる形で、ソフトバンクモバイル株式会社は、7月1日付けでソフトバンク株式会社に社名を変更する。

太田 亮三