【IFA2018】

ZTEが旗艦モデル「AXON 9 Pro」発表

ブースには5Gスマホ&タブレットのコンセプトも

 ZTEは、独ベルリンで開催中の「IFA 2018」に合わせ、新フラッグシップモデル「AXON 9 Pro」を発表した。米国からの制裁解除後では初となる発表会を開催し、同社ブースには実機も展示されていた。また5Gスマートフォン、5Gタブレットのモックアップも展示されている。

「AXON 9 Pro」

 AXON 9 Proは、ZTEのフラッグシップモデルに位置づけられ、チップセットにはSnapdargon 845を採用。ベゼルが非常に狭く、前面にはノッチがあるだけと、ほぼ全体がディスプレイのような見た目に仕上がっている。サイズは6.21インチのフルHD+で、18.7:9のアスペクト比。

ZTEがIFAに合わせて発表した「AXON 9 Pro」
7.9mmと高機能ながら、スリムに仕上がっている
背面には、デュアルカメラと指紋センサーを備える

 背面のカメラは12メガピクセルと20メガピクセルのデュアルカメラで、前者は1.4μmと画素ピッチの大きなセンサーを搭載している。光学式の手ブレ補正にも対応する。フロントカメラも20メガピクセルで、4つのピクセルを1つに合成する機能が利用でき、暗所での撮影も強化した。

12メガと20メガピクセルのデュアルカメラを搭載
ポートレートモードは、ライティングの変更も可能だ
RGB(レッド/グリーン/ブルー)の中から特定の色だけを残して撮影できるMONOモード

 独自機能として、ディスプレイにMEMC(motion estimation motion compensation)を採用しており、動画やゲーム利用時にフレームレートを補完し、60fpsに上げることが可能だ。メモリ(RAM)は6GB、ストレージ(ROM)は128GB、バッテリー容量は4000mAhと、隙のないフラッグシップモデルに仕上がっている。

フレーム補間技術を内蔵しており、YouTubeなどの動画や、ゲームといったアプリを、最大60fpsに底上げすることができる

 ノッチの形状が似ているためか、最初に見たときの印象は「iPhone Xを大きくし端末」といったものだったが、指紋センサーを背面に搭載しており、背面のデザインには差別化が図られている。前面も、iPhone Xと比べると下部のベゼルはやや広めだ。

 フラッグシップモデルでチップセットの性能も高いため、動作はスムーズ。デュアルカメラを生かしたポートレートモードなども用意されており、撮影も楽しめる。Android標準のナビゲーションキーは、左右を入れ替えられる。ジェスチャーで画面を点灯させたり、電話に出たりできるZTEならではの機能も引き続き採用されていた。

ユーザーインターフェイスのカスタマイズも可能だ

「Blade V9」

 実機では、2月にスペイン・バルセロナで開催されたMobile World Congressに出展した、ミドルレンジモデルの「Blade V9」も出展。ブースはフルラインナップを展示する形ではなく、AXON 9 ProとBlade V9に絞り、シンプルに最新モデルを訴求していた。

ミドルレンジモデルの「Blade V9」

日本向けの周波数帯に対応予定

 発表会時点で公表されていたが、展示会場のスペックシートにも、対応周波数の予定として「JP」(日本)が記載されており、発売が期待できそうだ。ZTEはAXONシリーズをSIMフリースマートフォンのフラッグシップモデルとして日本で販売してきた経緯もあることから、可能性は高いといえる。

「Blade V9」のスペックシートの対応予定バンドには「JP」が記載されていた

5G対応端末のコンセプトモデル

 ZTEは端末専業のメーカーではなく、基地局やコアネットワークも展開するインフラベンダーだが、家電展示会で一般来場者も多いIFAの特性を踏まえてか、展示はスマートフォンが中心に据えられていた。一方で、ブースの隅には5G関連のソリューションも展示されており、同社が展開を予定しているという5Gスマートフォンや5Gタブレットもモックが置かれていた。

5G対応端末のコンセプトモデルを出展

 5Gスマートフォンと銘打ってはいたが、モックを見る限り、サイズ感は従来のLTE対応スマートフォンとほぼ同じ。むしろ、一部の端末と比べると、薄い印象もあった。スペックシートにはミリ波とSub 6(6GHz以下の周波数)に両対応することがうたわれており、ARやVRに関連した機能も搭載する予定だという。

スマートフォンはミリ波とSub 6に両対応する予定だという

 ただし、会場の説明員によると、これはあくまで参考出展とのこと。「このサイズ感を実現したい」といった目標表明に近い展示で、同説明員によると、2020年ごろの商用化を目指しているという。

 一方で、5Gタブレットはケースが装着された状態で出展されており、こちらはモックながら、より近いタイミングでの商用化が視野に入っていることがうかがえた。スマートフォンと同様、ミリ波とSub 6の両方に対応し、ARやVRに関連した機能を搭載していく予定だという。

コンセプトモデルながら、タブレットには謎のケースが装着してあった