【CEATEC JAPAN 2013】

TOKYO FM、V-Lowマルチメディア放送に対応する試作スマホ展示

V-Lowマルチメディア放送を披露するエフエム東京のブース

 「CEATEC JAPAN 2013」のエフエム東京(TOKYO FM)のブースでは、事前に同社が案内していたように、V-Lowマルチメディア放送の実験試験局を用いたデモ展示が行われている。タブレットでの利用を想定したUSB接続型の受信機や試作のスマートフォンを用いて、実際に利用するイメージを含めて紹介している。

 ブースでは、V-Lowマルチメディア放送の仕様などがパネルで紹介されているほか、試作品として、「V-Lowチューナー内蔵スマートフォン」、Androidタブレットで動く「USB型V-Lowチューナー」、「Wi-Fi型 ワンセグ・V-Lowチューナー」が展示されている。

 ブースでは、サービスモデルとして大日本印刷(DNP)などが企画する「放送番組をトリガーにした循環型O2O2O(オフラインtoオンラインtoオフライン)サービス」が紹介されており、番組と連動して配信されるクーポンやポイントがオフラインでも利用できる様子が見られる。

 また、全国に先駆けて本放送が2014年6月頃から開始予定という福岡では、音声とデータ放送をリンクさせた新しい地域情報の発信番組を検討中。ブースのデモンストレーションでは音声とデータ放送をリンクさせた配信の実験が行われている。

 V-Lowマルチメディア放送とは、アナログテレビ終了に伴う周波数帯の跡地のうち、VHF-Low帯(V-Low)を利用する放送として、地方ブロック向け放送(ISDB-Tsb方式)として策定されたもの。アナログテレビの跡地ではほかに、VHF-High帯を使う全国ブロックのマルチメディア放送も用意されている。

 V-Lowマルチメディア放送をめぐっては、ラジオ局が中心となって実証実験を実施し、各社が参加した「VHF-LOW帯マルチメディア放送推進協議会(VL-P)」も2009年に設立され活動を行っていたが、足並みが揃わなかったことなどから、同協議会は2013年7月で解散している。一方、2013年に入ってからは、V-Lowの本放送におけるサービスモデルなどを検討する「マルチメディア放送ビジネスフォーラム」が設立され、活動を開始している。また、9月27日には総務省から、V-Lowマルチメディア放送に関連し、周波数の割り当てや制度整備に関する方針が公表されている。

太田 亮三