本日の一品

ハイレゾも、そうじゃなくても「SoftBank Selection SE-5000HR」
(2016/1/7 06:00)
スマホユーザーにさまざまアクセサリーを提案しているブランド「SoftBank Selection」。そのラインアップにハイレゾ音源に対応したマイク付きヘッドフォン「SE-5000HR」が加わった。ハイレゾ対応ながら実売1万円以下と手の出しやすい価格設定となっている。
パッケージにまでこだわった高級感あふれる作りで、本体はアルミ製の美しい仕上げ。ケーブルやコネクタ類もシャープで洒落た印象。リモコンマイクは装着すると胸の中央に来るペンダントタイプで、シンプル操作のワンボタン式。スマートフォンの音声検索にも対応している。インイヤータイプとしては少し大きいハウジングだが、イヤーピースがサイズ別に4セット付属しているので、適切なサイズならば装着感は良好だ。
注目の音質だが、再生周波数特性は5Hz~45kHzで、音楽CDスペック44.1kHz以上の高音域を再生でき、日本オーディオ協会の「高音域40kHz以上を再生できること」というハイレゾ性能基準定義を満たしている。設計では本体からハウジングを独立させ、ボイスコイルを振動板に直結させることで、ノイズを防ぎ、のびやかな高音域を実現したという。
実際聴いてみると、サウンドは全体的にフラット。ドンシャリ感や、キンキンした高音もなく、曲が素直に再生される印象だ。充分な厚みもあり、薄っぺらいという印象はない。低音もほぼ素直なのだが、グッと差し込んでくる心地よい「伸び」があるのは好印象。
まずハイレゾ音源を聴いてみて、クラシックでは一聴してすぐに「お、いい音」と感じた。ロックやテクノでは違いがわかりにくかったが、比較的静かな局面や、デリケートな音色の鳴る箇所では、音の伸びやかさを感じる。
またアナログ時代の旧譜、たとえば60年代のジャズや80年代ロックのデジタルリマスターだと、CD音質との違いはイマイチ聴き取れなかった。これは、むしろCD音質のサウンドクオリティを「SE-5000HR」が引き上げているからのようだ。
他のジャンルでも、CDやMP3音源を「SE-5000HR」で聴いてみると、再生される音域に余裕がある。ハイレゾとCD音源を同じ曲で比較してみると、むしろハイレゾ音源を聴くよりもCD音源での方が、従来のヘッドフォンとの違いがハッキリと現れるのが面白く、この製品の高いスペックを聴き取ることができ満足感があった。
有名ヘッドフォンブランドの製品と比べれば地味な印象の「SE-5000HR」。しかし、これは隠れた良品だ。広い周波数帯域を持ち、実際聴いてみても良さがわかる。かつ実売1万円以下というコストパフォーマンスは、なかなかすごい。上の価格を見ればキリがないヘッドフォン市場の中で「普段こだわりがあるわけじゃないけど、ちょっといいヘッドフォンが欲しいな」という方に「SE-5000HR」はおすすめだろう。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
---|---|---|
SoftBank Selection SE-5000HR | ソフトバンクコマース&サービス | 8800円(税込) |