ソニー・エリクソンのBluetoothヘッドセット「VH410」


ソニー・エリクソンの「VH410」。音量ボタン(+/-)が側面にある。カバー部分(耳穴挿入部の裏側あたり)が通話ボタンになっている

 今回紹介するのは、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズのBluetoothヘッドセット「VH410」。ワイヤレスかつハンズフリーで通話するための、ごくオーソドックスな片耳仕様のBluetoothヘッドセットだ。

 Bluetoothは、スマートフォンにほぼ標準搭載される機能となっているが、従来はあまり活用されていない機能の代表格だったのではないだろうか。筆者は4~5年ほど前、PCでBluetoothヘッドセットを使おうといろいろ試行錯誤したのだが、どうにも上手くいかず、せっかく購入した機材を宝の持ち腐れにしてしまった。その苦い経験もあって、個人的にはBluetoothそのものへの興味が薄くなっていた。

 しかし、やはりITの世界はドッグイヤー。数年ぶりに購入したBluetoothヘッドセットは非常に使いやすくなっていて驚いた。VH410を購入し、まず便利だと思ったのが、ペアリング(携帯電話とヘッドセットを接続するための初期設定)を8台まで設定できる点だ。

 かつては、ヘッドセット1台に対して1つの機器しかペアリングできないケースがほとんど。例えば携帯電話とノートPCで、1台のヘッドセットを共用したい場合、機器を切り換えるごとにペアリングを設定し直さなければならず(たいていの場合、ヘッドセット側のボタンを長押しして、接続側端末でキー入力する)、非常に面倒だったのだ。VH410ではこの心配はほとんどない。例えば、携帯電話2台、デスクトップPC、仕事用のモバイルPC、予備で使うネットブックとペアリングしても、まだ3台分の余裕がある。

 これに加えてVH410では、2台の機器と同時に接続(待受)できるマルチポイントにも対応。メインで使う携帯電話と2台目のスマートフォンの両方で、切換の手間無しにヘッドセットを利用できる。ただ、この機能は消費電力が多くなるためか、デフォルトではオフになっている。用途に応じて有効化すればいいだろう。

本体裏側。電源ボタンとLEDはこの面にある独特の形状のイヤーピース。イヤーフックは取り外せる。また充電用のmicroUSB端子が見える(写真右側)

 

 写真からは分かりづらいが、本体のカバー部分には通話スイッチが内蔵されており、電話を受ける時にはここを押す。携帯電話とのBluetooth接続が切れた場合に押すと、再接続する点も覚えておくといいだろう。音量のコントロールも側面ボタン(+/-)で可能だ。マイクをミュートしたい場合は、+/-を同時に押す。なお、発信の操作は基本的に携帯電話側で行う。

 肝心の通話性能については、ハッキリ言って周りの騒音や電波環境に大きく依存する。ヘッドセットから聞こえる音声についてはほとんどのシーンで不満を感じないのだが、相手方に届く声の品質が環境に左右される印象だ。

 短時間ながら試した限りでは、通話中に携帯電話本体を手に持たず、衣服のポケットに収納するなり机に置くなり、身体から離した状態のほうが音声品質が高まるように感じた(音声が途切れにくくなる)。ヘッドセットのマイク部をしっかりと口に向けているかも重要だろう。一方、風切り音を気にしてマイク部を手で覆うことは逆効果になることが多かった。このあたりの事情は利用する端末によっても変わるため、本格的に使用する前に、自分なりのテストを行っておきたい。

 長期的に使用する上で嬉しいのが、microUSB端子で充電できる点だ。製品パッケージには専用ACアダプターが同梱されるが、筆者が試した限りでは、汎用的なUSB充電用ACアダプターも利用できた。

 Bluetoothヘッドセットは携帯電話やスマートフォン以外、例えばBluetooth機能付きのノートPCでも便利。デスクトップPCでも、2000円前後のUSBアダプターを追加するだけで利用できる。1つ購入しておけば、音声チャットをPCで楽しんだり、さまざまなシーンで応用できるはずだ。

耳に装着した状態。イヤーフックは眼鏡のツルに干渉しない

 

製品名製造元購入価格
VH410ソニー・エリクソン4980円

 

 



(森田 秀一)

2011/2/22 06:00