本日の一品
充電池をセットするだけ! 2500円で自分好みに作れるモバイルバッテリー
2026年8月31日 00:00
筆者は2年ほど前、21700バッテリーを弾倉のようにロード&リロードする「Wingman」というパワーバンク(モバイルバッテリー)をネット上で紹介した。セルを交換するアクションが派手で、一般的な箱形モバイルバッテリーにはない楽しさを持つ製品だった。
あれから2年。海外EC市場には、同じ21700セルを組み込むだけで使えるユニークな交換式モバイルバッテリーケースが数多く登場している。今回はその中から、筆者の独断と偏見で選んだ2種類をご紹介したい。
今回入手したのは、21700セルを1本装着して使う「21700交換式パワーバンクケース」だ。単なる電池ホルダーではなく、セルの電圧をUSB給電用に昇圧する回路や出力端子、外部USB電源からセルを充電する回路などを内蔵している。ユーザーが好みの21700セルを用意してケースへセットすれば、自分仕様のモバイルバッテリーが完成する。
21700という名称は、基本的に直径約21mm、長さ約70mmの円筒形セルを表している。5000mAh級の大容量を確保しながら、セル1本を使う今回のケースはなかなかコンパクトだ。メーカー製のモバイルバッテリーには安心感のある優等生的なデザインが多いが、交換式ケースなら外観や機能を自分の好みで選べる。
最近ではUSBケーブルでスマートフォンへ給電するタイプだけでなく、本体から伸びるプラグをスマートフォンの端子へ直接挿せるケーブルレス型も増えている。グリーンのケースにはUSB-CとLightningの両プラグが収納され、短いケーブルさえ不要なのは便利である。いずれも22.5W出力に対応している。
ここで問題になるのが21700セル選びである。単体で販売される高エネルギー密度のリチウムイオン蓄電池は電気用品安全法の対象となるため、今回は国内事業者名とPSEマークが表示されたEVE製5000mAhの21700セルをネットで購入した。
一方、今回のケースはバッテリーを内蔵せず、単体ではリチウムイオン蓄電池ではないためPSE表示を必要としない。PSE表示のある21700セルをケースに装着し、個人がモバイルバッテリーとして使用することにも電気用品安全法上の問題はない。
ところが、購入したセルをケースに入れると蓋が閉まらなかった。以前購入したPSE表示のない21700セルと並べてみると、同じ21700を名乗りながら全長が数mm長い。どうやら保護回路などが追加されているためらしい。21700という型番から素直に想像する長さ70mmを超える製品も、同じ21700として販売されているのだ。
2種類のケースで試したが結果は同じだった。セル自体は収納部に入るものの端部が飛び出し、カバーを正常な位置まで閉じられない。海外ECで販売されている交換式ケースの多くは、長さ70mm前後のフラットトップ型セルを前提に設計されているようだ。「21700対応」という説明だけを見て購入すると、今回のようなことが起きる。
標準寸法に近いセルを新たに探そうと考えていたところ、以前Wingmanと21700セルを譲ったSNSの友人から、虎大工業が扱うPSE表示付きEVE製21700セルを2本いただいた。早速2種類のケースへ装着したところ、どちらも問題なく収納できた。蓋も正常に閉まり、USB出力やスマートフォンへの直接給電も正常に機能した。
実力を確認するため、バッテリー残量が15%まで減った筆者のGalaxy Z Fold7へ、グリーンのケースをUSBで直接接続した。約74分後には93%となり、78ポイント回復した。グラフを見ると前半は速いペースで充電され、残量が増えるにつれて速度が緩やかになる一般的な充電カーブを描いている。
Galaxy Z Fold7の定格容量4272mAhから単純計算すると、78%は約3332mAhに相当する。ただし21700セルとスマートフォンのバッテリーでは電圧が異なるため、5000mAhに対して66.6%を取り出せたと考えるのは正確ではない。
Fold7のバッテリーを約3.88Vとして換算すると、増加した電力量は約12.9Whとなる。一方、今回使用したEVE製21700セルの表示値は18.25Whだ。両者の比率は約71%となり、昇圧時の変換損失や充電中にスマートフォン自身が消費する電力、残量表示の誤差などを考えれば、十分妥当な結果である。
21700セルは2010年代半ばに登場し、2017年前後からEVや蓄電設備への採用によって広く知られるようになった。ただし、21700は性能や内部構造まで厳密に統一した製品規格というより、直径21mm、長さ70mmという円筒形セルの寸法を示す呼称として使われている。
その後は保護回路付きやボタントップ型、さらにはUSB-C端子を内蔵した製品まで登場した。全長が70mmを大きく超えていても、販売時の検索キーワードは相変わらず21700である。交換式ケースに使う場合は、容量やPSE表示だけでなく、全長、直径、端子形状まで確認する必要がある。
標準寸法に近いPSE表示付きEVE製5000mAhセルは1500円前後、ケースは1000~1500円程度で販売されている。合計2500円前後で、セルを交換できる自分だけのモバイルバッテリーが完成する。既製品とはひと味違う外観を選び、用途に応じてお好みのセルを入れ替えて使えるのは、なかなかガジェットらしい便利で楽しい仕組みなのである。
| 製品名 | 発売元 | 実売価格 |
|---|---|---|
| 21700交換式パワーバンクケース | ― | 1000円~1500円 |










