本日の一品

メーカー純正のCMFストラップを数カ月待って買ってしまった

 以前、本コラムでCMF Phone 1のカードケースをご紹介した際には「ストラップ(LANYARD)」が入手できず、悔しい思いをした。公式サイトには“入荷次第通知”のオプションがあったため設定しておいたところ、先日ようやく販売開始の案内が届き、即座に購入することができた。届いた製品は写真の通りシンプルながらもCMFらしい統一感のあるデザインである。

 しかし再び公式サイトを確認すると、すでにまたしても「売り切れ」。どうやらこの純正ストラップはかなりの人気アイテムらしい。そもそも「ランヤード」という呼び方自体、日本人には馴染みがない。国内では「ストラップ」と呼ぶのが一般的だが、目新しい呼称で新鮮だ。国際的にはポピュラーな呼称でIT展示会でのIDカード用ネックホルダーなどにも広く使われている。

なぜ売り切れるのか

 入荷即完売の理由は単なる在庫数の少なさだけではないだろう。確かにNothing/CMFというブランドはまだ生産体制が大きくなく、アクセサリー類を大量生産できる規模ではない。しかしそれ以上に、この純正ストラップには他社製の汎用品では得られない「一体感」と「デザイン上の価値」があると筆者は考える。

 昨今のスマホアクセサリー市場では、メーカー純正のストラップはほとんど見かけなくなった。多くはT字型のフィルムパーツをケースとスマホの間に挟み込む方式や、ケース側に金具を追加する汎用品である。これらは確かに便利だが、充電ケーブルやモバイルバッテリーとの干渉、装着時の安定感の欠如など、不満も少なくない。

他社の汎用ストラップ利用例

デザインと体験へのこだわり

 CMF Phone 1のストラップは、専用のアタッチメントポイントを活用する設計になっている。まず本体背面にある円形の“穴埋めネジ”を外し、付属のフック付きネジを装着するだけで取り付け完了だ。ワンタッチで外せる仕組みながら、強度や安定感も高く安心して使用できる。

 筆者が選んだのはケースと同色のオレンジだが、敢えて異なるカラーを選び、アクセントとして楽しむのも良いだろう。ストラップ本体は太めの編み込みナイロンで、肩や首に掛けても食い込まず、重量のあるスマホでも安定して持ち運べる。長さ調整も容易で、1~2秒あれば自分の体格にフィットさせられる点も秀逸だ。

純正アクセサリーがもたらす喜び

 最近のスマホメーカーは、ケースやストラップといった周辺アクセサリーをサードパーティに任せ、自社では最低限の供給しかしない傾向が強い。しかしCMFを擁するNothingは明らかに違う姿勢を見せている。自社のスマホを単なる端末ではなく「持つ体験」まで含めたプロダクトとして捉えているのだ。

 今回のストラップ導入により、筆者のCMF Phone 1環境はさらに完成度を増した。既にカードケースを装着し、その中にはSuica、VISAカード、そして折り畳んだ5000円札を忍ばせている。おサイフケータイ非対応のCMF Phone 1でも、物理カードと現金を併用すれば決済環境は万全だ。これに純正ストラップを組み合わせれば、両手を自由に使えるだけでなく、日常的にスマホを「身にまとう」感覚を得られる。

 前回、カードケースを購入した際には「なぜカードケースが360度回転するのか」と不思議に思っていたが、今回のストラップを装着してようやく理解できた。スマホを逆さに吊り下げた時、マグネット式の蓋が不用意に開いてカードが落下しないよう配慮されていたのである。なかなか巧妙で、見落としていた発想に感心させられた。

 この体験は、単なる便利さを超えて「ブランドへの共感」や「所有する満足感」にもつながった。Nothing/CMFは、スマホのデザインとアクセサリーの調和を最初から設計に組み込む数少ないメーカーであり、そこにこそ価値があるのだ。

商品購入場所実売価格
CMF by Nothing LANYARD(ストラップ)Nothing直販2980円