本日の一品

極めてユーザーインターフェイスに優れたKORGのベース専用チューナー

 実は今年3月、大阪のライブハウスで、学生時代の仲間数組と一緒に何十年振りかのライブをやる予定だった。残念ながら大阪ではライブハウスで新型コロナウイルス感染症のクラスター型感染が発生しライブハウスの多くは休業となった。当然のように、そのごく近所のライブハウスで行う予定だった我々のライブも中止、無期限の延期となった。高校時代のバンドメンバーは今では東京、大阪、名古屋に散らばり、年末年始の東京と名古屋で練習を終え、大阪での練習を前に中止となった。

 何十年かのブランクがあったが、不思議なことにエレキギターやエレキベースなどの楽器はほとんど変わっていない。一方、周辺機器は著しくコンパクトになり、驚くほど低価格になった。

十何年振りかにギター用の電子チューナーを買った

 筆者の担当パートはベースギターなのだが、大昔はベースギター専用のチューナーなどは皆無だった。ギターをご存知の方なら、ベースギターの4弦は基本的にギターの太い方4弦と同じで、1オクターブ低い音を出す楽器だということはご承知だろう

一目見て気に入ったのは、ベースのヘッド型をしたKORG クリップ型 ベースチューナー(HT-B1)

 なので大昔から電子型のチューナーはギター用を代用するのが慣例だった。筆者の頭の中も、その考え方がデフォルトだったので、昨年、チューナーを新しく買う時には、何も悩むことなくギターチューナーの安いモノを幾つかピックアップして、イージーに買ってしまっていた。ところがベースギター用の弦やエフェクターを探していたところ、偶然にもベースギター専用チューナーというモノに出会った。今回紹介する「KORG クリップ型ベースチューナー」という読んで直ぐに分かるベタな商品名のチューナーだ。

 一般的に最近の弦楽器のチューナーは、糸巻のあるヘッドのどこかに洗濯ばさみのようにクリップして、ギターなら6本の弦の開放弦の音程をあらわす「E(6弦)」「A(5弦)」「D(4弦)」「G(3弦)」「B(2弦)」「E(1弦)」という6弦~1弦に至る6種類のアルファベット表示がディスプレイされた画面を見て弦をはじいて調弦する。

従来のクリップ型チューナーは画面に音階のアルファベットが表示されるギター用をベースにも使っているのが大半だ(右側)
使う楽器によってヘッドの形が異なるカスタム感のある楽しい商品だ

 任意の弦を弾いて、実際に今鳴っているその音の高低をリアルタイムに現わすグラフィック表示画面を見ながら糸巻を巻き上げたり緩めたりして音程を高低させ最適値を決める仕組みだ。これはもう40年も50年も大昔のアナログメーターの時代とほぼ同様だ。極端に言ってしまえば、この両者の違いはチューニングの状況を表示するのがアナログメーターかデジタル表示のグラフィック画面になったかの違いだけだけでしかない。

コイン電池で35時間動作する

 一方、今回のKORG クリップ型ベースチューナーの本体デザインは、一般的なベースギターのヘッドイメージのまんまだ。本体には4つの糸巻があり、そのそれぞれが4本の弦と1対1対応するという究極の分かりやすさが素晴らしい。

 そして各弦のチューニングレベルはそのすぐ下にあるワイドな横棒レベルメーターのLED点滅でチェックする。LEDが中央に位置に固定すればチューニングは成功だ。

なんと言ってもギターチューナーのオマケで使ってる感が無いのが素晴らしい。ベースギターにはベースギター専用チューナーだ

 KORG クリップ型ベースチューナーはCR2032コイン型リチウム電池で35時間も動作する。筆者は誰もが即ベースギターのヘッドをイメージするKORG クリップ型 ベースチューナーの外観イメージが大好きだが、残念ながら筆者の所有している2本のベースギターは何れもこのKORG クリップ型 ベースチューナーの外観とは異なっているのが残念でしょうがない。

 KORG クリップ型 ベースチューナーは、これだけ多くのスタイルのチューナーがある中で、誰もが最高に理解しやすい優れたユーザーインターフェイスを実現している弦楽器電子チューナーの逸品だ。

少しだけ残念なのは、筆者の愛用しているギブソンSGベースもミュージックマン・スティングレイベースも、ヘッドはHT-B1のオールドプレべスタイルのヘッドとは違う

 同じチューナーに、エレキギター用、クラシックギター用、ベースギター用、ウクレレ用と、それぞれのヘッドシェイプに合わせたきめの細かさと遊びの精神も生きている。もし貴方がベーシストなら、KORG クリップ型 ベースチューナー以外を買う理由が全く見当たらないだろう。

商品購入価格
KORG クリップ型 ベースチューナーAmazon.co.jp1091円