本日の一品

あのNothingのサブブランドのワイヤレスイヤホン「BUDS PRO」を使ってみたら、満足度は “お値段以上”でした

 Nothingのサブブランド「CMF by Nothing」から発売されたワイヤレスイヤホン「BUDS PRO」を使ってみました。製品は日本での販売を取り扱うBLSからお借りしました。ちなみに、CMFはカラー(Color)、マテリアル(Material)、フィニッシュ(Finish)を意味するそうです。

 CMFは2023年9月に発表された新ブランドで「優れたデザインを身近なものにすること」を目的としているとのこと。Nothing Phoneで注目を集めるNothingの格安ブランドと捉えても差し支えないでしょう。

 第1弾としてリリースされたワイヤレスイヤホン「BUDS PRO」(7350円)とスマートウォッチ「WATCH PRO」(1万1000円)は、どちらも洗練されたデザインで、されどポップでカジュアルな軽やかさがあり、気軽に使えるアイテムという印象。

 今回使ってみたBUDS PROは、ダークグレー、ライトグレー、オレンジの3色展開。多くの人に合いそうなのはダークグレーとライトグレーですが、筆者はあえて一番目立ちそうなオレンジを使ってみました。

カラバリは3色
パッケージも3色を用いてデザインされている
充電用のUSBケーブルと交換用のイヤーチップを同梱

 充電ケースは円形で、表面はサラサラとした質感。背面に充電用のUSB Type-Cポートを備えています。ケースにイヤホンを収めた重さは54g(筆者の計測値)と、わりと軽め。イヤホン単体の重さは5g(筆者の計測値)と一般的。3サイズのイヤーピースが付いていて、自分の耳に合うものを選べます。

充電ケースは直径58mmで高さが24mm
背面にUSB Type-Cポートを備える
開いた状態でスマホとペアリングする

 イヤホンは、耳に入る丸い部分とステムの質感がそれぞれ異なり、細かい部分にまでこだわっている印象。装着感はNothingブランドの「Ear(2)」やアップルの「AirPods Pro」に近く、期待していた以上にいい感じでした。見た目には、ややチープというか、オモチャっぽく感じられたのですが、いい意味で裏切られました。

イヤホンは一般的な形状
外側にCMFのロゴというかアイコンがデザインされている

 スマホには「Nothing X」というアプリをインストールして、イヤホンとのペアリングや操作や音質の設定を行えます。好みの音質に調整できるイコライザー機能もあり、ゲームに適した「低レイテンシーモード」もあります。

Nothing Ear(2)と同じく「Nothing X」アプリで設定できる
ノイズキャンセリングは3段階に調整可能。外音取り込みにも設定できる
インイヤー検出や低レイテンシーモードも設定可能。ワイヤレスイヤホンに求められる標準的な機能はもれなく備えている印象
イコライザーはプリセットされているものから選ぶほか、自分でカスタマイズすることも可能

 筆者は「Nothing X」アプリがプリインストールされているNothing Phone(2)と接続して使いました。ちなみに、iOS向けの「Nothing X」アプリも同じ仕様で、iPhone 15 Proに接続させた場合も同じように使えました。

 音質面では45dBのアクティブノイズキャンセリングや、通話音質を向上させる「クリアボイステクノロジー」といった技術を搭載していることが特徴。最初に聴いた時は「思っていたよりも音質はいいじゃん」と思ったのが本音。主にJ-POPやK-POPを聴いていましたが、音にメリハリがあり、ドラムなど低音の響きや高音のボーカルなどもクリアで、気持ちよく聴こえました。ただし、電車の乗っている時などに、ノイズキャンセリングの性能は若干弱いように感じました。

 後日、NothingのEar(2)と聴き比べてみると、やはりEar(2)のほうが高い(1万7800円)だけあって、音質には明確な差を感じました。オーケストラ楽曲などを聴くと、Ear(2)はそれぞれの楽器の音色が明瞭でバランスがよく、包み込まれるように聴こえます。一方、BUDS PROは音がシャープで細い印象。クリアに聴こえるのですが、やや臨場感が足りないかなぁと。ですが、楽曲によっては気になるほどの差ではなかったので、「7350円のわりには高音質」と言っても差し支えないでしょう。

左がNothingブランドのEar(2)。デザインだけでなく音質も高く評価されているモデルだ

 イヤホンでのコントロールは、イヤホンの外側をタップしたり、長押ししたりして行います。ノイズキャンセリングのオン・オフもでき、左右それぞれのイヤホンに割り当てる機能をカスタマイズすることも可能。Ear(2)ではイヤホンのステムをカチッと挟むように押して操作しますが、個人的にはEar(2)のほうが操作しやすいと感じました。

イヤホンでの操作は「Nothing X」アプリで変更できる

 連続再生時間は、CMF by Nothingの公式サイトによると、ノイズキャンセリングをオフにした場合はイヤホンだけで11時間、ケース込みで39時間。オンにした場合はイヤホンだけで6.5時間、ケース込みで22時間。10分の充電で、ノイズキャンセリングオフならケース込みで5時間、オンならケース込みで2.8時間の再生を見込めるとのこと。実際に使った際にも、スペックよりも電池が早く減る感覚はなく、充電に時間がかかるとも思わなかったので、電池周りの仕様は及第点と評価できそうです。

 デザイン先行の製品かと思いきや、音質はまずまずで、使い勝手も良好。価格以上の満足度が得られるイヤホンと思えました。

製品名発売元実売価格
BUDS PROCMF by Noghintg7350円
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