本日の一品
スウォッチの2015年モデル「CIAO TUTTI」は地獄に仏!?
(2015/12/21 06:00)
ニコラス・G・ハイエックが創業したSwatch(スウォッチ)社は、一時消えてなくなりそうになったスイスメイド腕時計の救世主だ。
同社はスウォッチをはじめ、ブレゲ、ハリー・ウィンストン、オメガ、ロンジン、ラドー、カルバン・クライン、ハミルトンなど、腕時計製造、デザイン、宝飾などのブランド企業十数社を傘下に収めるグローバル企業だ。
低価格帯の「スウォッチ」を製造販売するスウォッチ部門では、毎年、シーズナルでデザイン・コンシャスな腕時計を新作デザインとして世界中の腕時計ショップで販売している。そして今年も多くの秋冬コレクションやクリスマス限定ウォッチが発売された。
筆者が銀座中央通りにあるスウォッチジャパンの総本山「ニコラス・G・ハイエック・センター」の地下売り場で一目見て、気に入ってしまったのは“Street Energy”と名付けられた2015年の新作コレクションのなかの1本だった。
Street Energyは、10種類ほどある新作コレクションの中でもひときわ目立つ、レモンイエローの文字盤の腕時計だ。腕時計のニックネームは「CAIO TUTTI」(チャオ・トゥッティ)、日本語では「やあみなさん」といった感じだろう。
標準的なスウォッチサイズだが、子供用の腕時計のような軽妙なレモンイエローの文字盤と尾錠、ストラップ通し、そしてジェットブラック(漆黒)のラバーストラップの対比が強烈だ。
そしていつものスウォッチのように、レモンイエローの文字盤には小さなギミックが仕組まれている。
HELL(地獄)とボールド文字で描かれた幅広の黄色い長針が1時間に1回、毎時15分だけ、3時の位置にあるインデックスマーカー(アワーマーカー)の「◯」と一直線上に並んで「HELLO」と読めるのだ。
人生どれだけ普通に真面目に過ごしていても、ハッピータイムは1時間にたったの1回きりで、せいぜい1分間くらいの割合かもしれない。残念ながら、その他の時間は地獄のような雰囲気だと、作者は言いたいのかもしれない。
しかし、考え方によっては、長く地獄のような時間が続いたと思えても、1時間に1回くらいはハッピータイムは誰にでも訪れると言っているようにも感じられる。いつまでも続く不幸も幸せもない……「おーいみんな! 地獄を知ってるからこそ天国もあるんだよ~」って言ってるのかもしれない。
スウォッチの新作腕時計「CIAO TUTTI」は、腕時計の大原則のひとつ「視認性」なんて糞食らえという感じのレモンイエローの文字盤と、全く同色の時針、分針そして秒針のカラーバランスが絶妙だ。それほど時刻を気にせずおおらかに地獄と天国の織りなす人生を楽しみたい人のための腕時計だ。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
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CIAO TUTTI | スウォッチ グループ ジャパン | 8640円(税込) |