本日の一品

充電器ではなく延長ケーブル、なのに4ポートに分配できる変わり種USBケーブル

製品本体。ケーブル長は2mとかなり長い

 ベルキンの「4ポートUSB電源エクステンダー」は、USBデバイスを充電するためのケーブルだ。いわゆるUSB充電器ではなく、かといってUSB延長ケーブルとも異なる、その中間のような性質を持った珍しい製品だ。具体的な仕様と、実際に何ができるのかを紹介する。

 この製品は、先端に2つのUSB Type-Cポートと、2つのUSB Aポート、合計4つのUSBポートを搭載している。これらは約2mのケーブルの先端にあり、USB Type-Cの充電器に接続して利用する。

USB Type-CポートとUSB Aポート、それぞれ2つずつの合計4つのUSBポートを搭載
上部にはクリップがありシートなどに挟み込める

 このケーブルの根元が普通のコンセントであれば、それはただのUSB充電器ということになるわけだが、本製品の根元はUSB Type-Cで、一般的なUSB充電器につないで使用するため、位置づけとしては延長ケーブルに近い。ポートが4つに分岐しているので、充電器のように見えるというだけだ。

USB Type-C充電器に接続して使用する。最大出力30W以上のモデルが望ましいようだ
4つのポートで同時充電が行える。この場合の出力は各7.5W(5V/1.5A)になる

 そんな本製品の具体的な使い方としては、車の後部座席で充電ポートが必要になった時に、前の座席にあるシガーソケットから電源を取り、後部座席から届くようにするという用途が挙げられる。つまり充電器の位置を動かせない時に、手元で使えるように延長させつつ、さらに分配までできるのが、本製品の真骨頂というわけだ。

車のシガーソケットに接続し、後部座席で電源を取る用途で便利に使える
実際に後部座席まで延長させたところ。クリップを使って後部座席にひっかけておける

 同様ににデスク周りやベッドサイドでも便利に使える本製品だが、ひとつだけ注意したいのが、ポートを分配するため、USB Type-Cの1ポートあたりの最大出力は5V/3Aに制限され、USB PDによる急速充電が使えなくなることだ。本製品なしであれば30W(15V/2A)で充電できるiPadも、本製品経由だと15Wでの充電になってしまう。ただし2台同時に充電しても15Wをキープできるので、これはこれで使いようはある。

パッケージ。充電専用であってデータ通信機能はない

 以上のようになかなかクセのある製品なのだが、充電速度よりも取り回しや複数台充電を重視するという前提ならば、なかなか面白い製品と言える。世の中にはUSB PD対応の充電器ではうまく充電できない製品もあるので、そうしたデバイスも含めて、あらゆるデバイスを分け隔てなく充電する用途にも適している。実売価格も2千円台なので、手軽に買えるのも利点と言えそうだ。

製品名発売元価格
4ポートUSB電源エクステンダー(BUZ001bt2MBKB7)ベルキン2610円