本日の一品

マイファーストトラックボールにうってつけのケンジントン「Pro Fit Ergo TB450」

 全国のトラック野郎ことトラックボール愛好家の皆様におかれては、潤沢な製品の選択肢があふれる市場概況にお喜びのことと思う。マイナーカテゴリーと扱われていたひと昔前から比べれば、隔世の感がある。さらにありがたいことに、ケンジントンから新製品が上市されたのでさっそく使用感をお伝えしたい。

ケンジントンのトラックボール新製品・Pro Fit Ergo TB450 トラックボール

 その前に、トラックボール製品を紹介する際のお約束・トラックボールとは何ぞやをご説明しておきたい。パソコンを操作するデバイスとして一般的なのはマウスだが、トラックボールもそのマウスの一種だ。

 マウスは、本体をつかんで移動させるとカーソルが連動して画面内で動くが、トラックボールは大きな球(ボール)がついており、その球を指で動かすことでセンサーが動きを検知、それをカーソルの動きに変換する。本体を動かす必要がないので狭い机上スペースでも使用できることと、指先だけの動きなので手首・腕・肩への負担が少ないことがメリットとして挙げられる。

 今回紹介するケンジントンの新型トラックボール・Pro Fit Ergo TB450 トラックボールは「マウスから移行しやすいモデル」が売り文句なだけあり、見た目は一般的なマウスに近いのが特徴。ただ、ボールが露出していてマウスとは違うことが見ていただけるだろう。

手を乗せると自然と配置が決まる。乗せた後も普通のマウスに近い見た目だ

 全長は約14cmとマウスとしてはやや大きめなサイズにできており、本体に手のひらをどっしりと乗せて操作することになる。本体に約45度の傾斜がついており、手を乗せれば自然と握手をするような角度になる、エルゴノミクス形状も特徴とされている。

オーソドックスな見た目と、約45度に傾いたエルゴノミクス形状が特徴

 ボタン類は一番大きな左右クリック向けボタンのほか、人差し指の周辺に2つ、スクロールホイール押下に1つボタンが設定されている。

 背面にDPI設定ボタンがあり、押すたびに400、800、1200、1600DPIと切り替えられる。ボタンへはユーティリティソフトで機能割り当てが可能で、通りいっぺんの機能・ショートカットは割り当てられる。

背面に電源とDPI切り替えボタン。単3電池ボックスの横に、2.4GHz帯接続用のUSBレシーバーが収納できる

 面白いと思ったのは、ビデオ通話関連(ミュートやカメラオンオフ、画面共有など)もオプションとして用意されている点で、今どきのニーズを反映している。

ボタンはユーティリティソフトで機能割り当て可能。ビデオ会議関連の割り当てもできるのが今どきな仕様だ

 ただ、スクロールホイール直下にあるボタンはパソコン本体との接続や機器切り替えに使用するもので、機能割り当てはできない。個人的には「そんなに頻繁に使うかな」という感想で、この位置に配置しなくてもよかったのではないかとも思う。

 とはいえ「マウスから移行しやすい」のうたい文句は大げさでなく、手を乗せれば自然と指が配置され、各ボタンの押下感も自然で、何がどの機能を持って動作するのかがわかりやすい。

 また、パソコン本体との接続もBluetoothと、レシーバー経由の2.4GHz帯接続が選べ、環境を問わないのがありがたい。まさに最初に使うトラックボールとして適していると感じた。

 もちろんカーソル操作の方法がまったく異なるので、マウスと同じように動かせるようになるには多少の時間は必要だが、自然な操作感はマウス派にも受け入れやすいだろう。筆者のような生粋のトラックボーラーのみならず、トラックボールに挑戦してみたいといった方にもおすすめしたい。

同社のPro Fit Ergo Vertical ワイヤレストラックボールとの比較。傾き具合は違うものの、どちらも使いやすい
商品名メーカー価格(Amazon)
Pro Fit Ergo TB450 トラックボールケンジントン8250円