本日の一品

ケンジントンの本格エルゴノミクスデザイントラックボール

ケンジントンのエルゴデザイン親指トラックボール「Pro Fit Ergo Vertical ワイヤレストラックボール」

 トラック野郎(トラックボール愛好家)の諸兄にとって、またもうれしいニュースだ。トラックボールの老舗・ケンジントンからエルゴノミクスデザインが採用されたトラックボールの新機種が発売されたのだ。しかもワイヤレス接続ということで、一も二もなく入手した次第である。さっそく紹介したい。

 紹介の前に、そもそもトラックボールとはなんぞや、という話からしておこう。端的に言えばコンピューターに接続してマウスカーソルを動かす道具の一種である。「マウス以外にそんな道具があるのか?」とお思いの方がほとんどであろうと思う。あまりメジャーな道具ではないのが実情だ。マウスとの違いは、自身を動かさず、本体に付属する球を動かすことでその代替としている。これにより、机の上でマウスを動かすスペースを確保する必要がなくなるのが特徴だ。タイプは大きく、球を動かす指の種類で分類される。球を親指で動かすか、人差し指~薬指で動かすかの違いだが、今回紹介するケンジントンの新製品は親指タイプにあたる。

赤い球を親指で動かすと、連動してマウスカーソルが動く

 「Pro Fit Ergo Vertical ワイヤレストラックボール」は、幅約10cm、長さ約14cmのポインティングデバイスだ。先述の通り、親指で球を動かして操作する。コンピューターとは2.4GHz帯のUSBドングル経由か、Bluetoothで接続する。6つのボタンとスクロールホイールがあり、ホイールの押下と左右ティルトも含めて9つの割り当て可能ボタンがあり、専用ソフトをインストールすることで割り当て設定ができるようになっている。単三電池2本で動作し、18カ月動作するとしている。

 本体は大柄に見えるが、机の上を移動しないのでそれ以上のスペースを必要としないのは他のトラックボール製品と同様だ。ただ高さもあるため、意外に存在感がある。しかしこれは、エルゴノミクスに基づいたデザインによるものだ。本体に手のひらをのせると、自然と親指は球に、人差し指は左クリック、中指は右クリックボタンにと置かれる。そのまま親指で球を動かすと、全く違和感なく操作できる。正面から見て約60度傾いているのがミソのようで、手首にも肘にも操作感にもまったく負担感がない。初めてトラックボールを使うような方にとっても、すぐに使いこなせるであろうと思われる自然さだ。

正面から見て約60度傾いたデザイン。一見奇抜だが、手を置くと驚くほど違和感なく操作できる
単三電池2本で動作。無線接続ボタンとDPIの切り替えボタン、さらに清掃時にボールを取り出すボタンが背面に。2.4GHz帯で接続するUSBドングルを収納するスペースも備える

 ケンジントンと言えば、中央にトラックボールを配して左右均等にボタン類が配置された、シンメトリーなトラックボールを多く発売してきたイメージが強い。ユニバーサルなデザインで誰にも使える一方、少し使い方に習熟が必要となる面もあるように思う。今回の新製品はケンジントンにしては珍しく、右利きユーザーに特化した製品である。賛否はあろうが、使いやすさ・疲れにくさについては文句なく一級品といえる。少々値は張るが、もしトラックボールを使ってみたいとお考えなら、初めての製品として強くお勧めしたい。

同じくエルゴデザインの親指トラックボール、Logicool MX ERGOと比較。正面からの角度は若干異なるが、どちらも自然に操作できて、甲乙つけがたい
商品名発売元購入価格
Pro Fit Ergo Vertical ワイヤレストラックボールケンジントン9678円
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