本日の一品

ダイソーで330円の「ドーム型 防犯ダミーカメラ」を手に入れた

見守りカメラ好きなので「ドーム型 防犯ダミーカメラ」を速攻で買ってしまった

 昨年末、15歳になった爺ちゃんワンコを飼ってる筆者は、年に数回ホームセンター内にある大きなペットコーナーにドッグフードやお菓子を買い出しに行く。ランチを兼ねて行くお向かいのショッピングセンターの一角に、売り場面積の大きいダイソーがテナントとして入居している。いつもそこを目的もなく30分ほど見て回るのが習慣だ。

 主に見て歩くのはスマホ関連や文具、インテリアなどのコーナーだ。前回行ったときにけっこう大きなパッケージに入った「FAKE SECURITY CAMERA【DOMETYPE】」と外箱に記載された防犯カメラのダミーモデルを発見して、使うあてもなく税込で330円という安値に惹かれて脊髄反射的にカートに入れてしまった。

パッケージに書かれた文書を細かく見ない限り本物と区別はつかない感じだ
ダミーカメラとは言え税込330円はさすがダイソーだ。ツボを分かっている。「非防水」の文字がヒカル!

 パッケージを開けてみたところ、本来ならあるはずのスタートガイドや取説の類が一切見当たらない。付属品はなんとネジ2本とアンカー2個だけ。このネジ2本アンカー2個を使って、不用心そうな場所の天井に取り付ける建て付けだ。

内容物は本体「ドーム型 防犯ダミーカメラ」とネジ2本、アンカー2個だけ

 パッケージを見ると防犯カメラの本来の機能はないが、赤色点滅LEDだけのために別売の単3乾電池を贅沢に3本も使うらしい。しかし点滅猶予は3カ月。年間のランニングコストは単三乾電池12本なので安ければ600円くらいか。

 本来なら、天井取り付けのインテリジェントな防犯カメラで遠隔から、Wi-Fi通信や5G/4G回線でワイヤレスでカメラが捉えている被写体を判断してアラートを鳴らしたり、設備者にお知らせをしてくれたりするユーザー(設備施設者)側のメリット満載の流行製品だ。

 もちろん、内部に乾電池ボックス以外にメカパーツや電子回路が入っている訳では一切ないので、誰にも遠慮せず堂々と「非防水」をうたうことができている。イメージ的には数百万円もする超高級腕時計を数千円で模倣した製品や一部の層に人気のあるカプセルトイのスマートウォッチ風おもちゃにも通じるものがある。

“役に立たない”代表のスマートウォッチ風おもちゃに通じる部分もありそうだ
筆者宅ではこの手の“使い物にならない”+“役に立たない”モノが多い

 「ドーム型 防犯ダミーカメラ」は、まだ内蔵乾電池でLEDがそれらしく光るのでまったく何にもできない無駄の頂点にいるスマートウォッチ風のおもちゃには負けている感じだ。世の中には奇人変人が想定より多いのか“何もできない”そして普通の人には“役に立たない”モノを好む人種がある一定人数存在する。もちろん筆者もその一人だ。

 ただこの究極のガジェットの世界、“使い物にならないモノ”“役に立たないモノ”“ウケるモノ”は明確な線引きが難しいのも現実だ。各ジャンルに属するとみなされる製品の多くが全てのジャンルの要素を持っていることが多いためだろう。暇な時に3つの属性を並べて究極のグループ分けを何度も行っているがいまだに結論に達していない。

 今回の「ドーム型 防犯ダミーカメラ」ももちろん明確に3つのいずれかのグループに属するモノではない。“ウケる”ことは少ないかもしれないが使い方によれば“使い物にならない”ことはなさそうで、決して“役に立たない”モノでもなさそうだ。

 パッケージ表面にも大きくオレンジ色で“リアルな赤色点滅LEDで心理的抑止効果”と記述されており、自ら一歩踏み出して“使い物にならない”と“役に立たない”を積極的に払拭している。後ろめたい悪行を行おうとしている人に対し、最新テクノロジーとみせかけて威圧感と抑止力を打ち出す製品だ。

 筆者は趣味で自宅に数台以上の本物の見守りカメラや監視カメラを実際に取り付けて運用しているので見慣れている。しかし今回の「ドーム型 防犯ダミーカメラ」を30cm以下の至近距離でじっくり見ても即ニセ物とは即判断できない。パーツだけを見る限り本物だと勘違いしてしまう。

 それゆえ、実際に単3乾電池を入れて赤色LEDが一定のインターバルで点滅を繰り返せば心理的抑止効果はかなり高そうに思えた。なにぶん「ドーム型 防犯ダミーカメラ」本体のどこにも赤色LEDライトを点滅させるスイッチはないので、単三乾電池を3本セットしたとたんに点滅が始まる。これはなかなか楽しいプロフェッショナル風メカだ。

単3乾電池3本で3カ月、赤色LEDは24時間点滅を繰り返して周囲を威圧してくれる
変に知識がある方がそばで見ても本物に見えてしまう

 そしてパッケージにあるように“工事不要”“カンタン取り付け”と記載されている。しかしこの「ドーム型 防犯ダミーカメラ」をコンクリートの天井に取り付けるのはなかなか厄介でとてもカンタンではない。手抜きの得意な筆者は、史上最強力と言われている3Mの屋外用両面テープでコンクリート天井に貼り付けてみたが、10分ほどで落下して廊下に転がっていた。

コンクリート天井に超強力両面テープで取り付けてみたがあえなく10分で落下
薄暗い天井面で赤色LEDが光るとリアリティは頂点に達する。あえて不要な電源ケーブルなどを敷くとますますリアリティは加速しそうだ

 ただ晴天の日でも少し薄暗い天井に張り付いた「ドーム型 防犯ダミーカメラ」の赤色LEDの点滅はかなりのリアリティがあり、“見てるでぇ~!”という威圧的な抑止効果は十分ありそうだ。特に筆者宅の「ドーム型 防犯ダミーカメラ」は一度落下した時にアクリル面の一部に名誉の負傷を負ったので、その分リアルな威圧力が増した感じがする。きっと抑止効果にも加勢してくれるだろう。

 「ドーム型 防犯ダミーカメラ」は施設者側には「役に立つ」、「使い物になる」なんちゃってアイテムであると同時に、侵入者側にとっては「ウケない」アイテムになるかもしれない。すでにいつもの売り切れでなければ、税込330円ならまとめて10台買ってさまざまな場所に取り付けてみたい気がしてきた。

商品発売元価格
ドーム型 防犯ダミーカメラダイソー330円