本日の一品
悩むほどでもないのに悩んで買ったPixel Watch用スリムケース
2022年11月21日 00:00
スマートフォンはもちろんスマートウォッチも専用ケースやカバー、バンパーなどが装着されることを前提で作られたプロダクトは少ないはずだ。しかし、どっちかと言えばスマホにはついついケースを装着したくなる貧乏性の筆者だ。
新しいスマホを手に入れるとその専用ケースに本体価格の1割や2割は無駄使いをしてしまう。特に今の「Galaxy Z Fold 4」には究極のケースがなかなか見つからず、散財をしてしまった。初代の「Apple Watch」を使ってた頃は、専用ケースもほとんどなくケース流行期がやってくる前に早々に断捨離してしまった。
しかし、昨今は本体が販売されるとほぼ同時に、さまざまなカバーやケースが販売されるという幸か不幸か本体メーカーと周辺機器メーカー、ブロガーなどの仲の良さが効果的に機能している感じだ。今回、筆者が発売日に「Pixel Watch」を購入して1週間後くらいに専用ケースの「SLIM CASE」を買ってしまった。
購入したケースは、スマホケースや関連アクセサリーを日本国内でも幅広く扱っている扱っているRingke(リンケ)の商品だ。パッケージの中にはクリアとマットブラックの2種類のケースが入っている。両方で1399円はお買い得だ。
専用ケースとはいえ、前述したようにケースを前提にして企画したり製造されたりした本体商品はまず存在しない。釈迦に説法だが一般的にはケースやカバー、バンパーの類はそれを装着することでプラスとマイナスの側面があることを覚悟することも大事なことだ。
今回、筆者はモバイルSuicaをPixel Watchに導入することを大前提で購入した。実際にPixel WatchでSuicaをお店で使う時はさほど問題もないのだが、駅の自動改札機を入ったり出たりするときに、Pixel Watchをリーダー部分に近づけ過ぎて衝突させてしまうことがあった。
今のところPixel Watchのフェイスのプラスチック風防はカスタム3Dコーニングゴリラガラスを採用しているらしいので、自動改札のリーダー部分に衝突した程度では大丈夫かもしれないが、最低限Pixel Watchの側面や風防の側面を守るために手に入れてみた。
リンケのSLIM CASEはステンレスのベース部分とトップのガラス部分が積層してるPixel Watch側面の綺麗な面を覆ってしまって少し惜しいがクリアな方のSLIM CASEならまだ少し見える感じだ。一方マットブラックのSLIM CASEでは側面部分の積層感は100%覆われてしまって見えなくなる。個人的には全面的にマットブラック系に変化してしまう後者の方が好みだった。
SLIM CASEの形はPixel Watchの本体周囲にあるリューズやボタン、スピーカースリットやマイクロフォンをキチンと機能すべく覆うことなくピッタリサイズに精度高く造作されている。しかしフレキシブルな素材なのでPixel Watchを腕に装着したままでも着脱可能だった。
実際にPixel WatchにSLIM CASEを装着してかなり側面から見てみるとそのカバーする範囲が分かりやすい。筆者の目的は、前述したようにSuica自動改札を通過する時にPixel Watchのウォッチフェイス面を強くSuica改札機のリーダー部分にぶつけて傷つけないことだ。
実際にSLIM CASEを取り付けたPixel Watchのウォッチフェイス面にステンレス定規を当てがって見ると曲面に反った液晶保護ガラス面の方がほんの少しだけ高くなっていることが分かった。
一方、液晶保護ガラス面の周囲はSLIM CASEの方が少し盛り上がっておりPixel Watchの液晶外周部分を十分に守ってくれそうだ。これならSuica改札機をタッチで通過する時にPixel Watchを100%水平にSuica改札のリーダー部分に極めて器用にぶつけない限り保護できそうだ。
SLIM CASEを装着することで、Suicaで改札機を通過する時の問題はある程度解決はするが、本来デザイナーが考えたPixel Watchの美しいデザイン性は多少損なわれてしまう。加えて多少の操作性も影響を受けてしまうことがあった。
最大の懸案事項は、いくら薄いと言ってもSLIM CASEを装着すると少なくともPixel Watchの体積はごく微量だが増えてしまう。スピーカーやマイクはスリットや小さな穴を開けるだけなので影響はほとんどない。しかし人が指先で操作するボタンやリューズには我慢できる範囲の影響があった。
実際にSLIM CASEを装着して1週間ほど使ってみたところ、ボタンはほぼ問題なし。やはり当初の想定通り、操作性に影響が出てきたのはアプリケーションの選択やスクロールでの回転操作、そして選択時に押して使用するリューズだった。
両者の中でもリューズを押す操作はほとんど問題なかった。しかし問題はアナログ式の腕時計の時も、スマートウォッチとしての基本操作である回転して画面上のアプリの選択やスクロールをする時だ。Pixel Watchを腕から脱着して操作するのはまだ大丈夫だが、装着している時にリューズの回転を行うことは、SLIM CASEのお陰でリューズの出っ張りが短くなかなか操作しづらい。
結果的に筆者は普通の腕時計のように親指と人差し指の2本の指先でつまんで操作するのではなく、人差し指の指先の腹側で昔懐かしいジョグダイアルのようにリューズ側面の上側を擦って回転させるレガシーなテクニックを身に着けた。今のところはこれで問題はない。
筆者はDAISOの腕時計やSwatch、レガシーな手巻きのアナログ系の腕時計など多くの腕時計を収集して楽しんでいるが、本体のプロテクトのために専用ケースを装着しているのはPixel Watchひとつだけだ。従来、「腕時計の傷は歴史であり勲章だ……」という理解があり、腕時計専用のケースなど聞いたことがない。
残念ながら、どうもスマートウォッチというのはご先祖様が生まれた四半世紀前からそのルーツがパソコンなのか、今も精密なテクノロジーをコアに採用しているからか、あるいは各個体に個性が全くなく、どれもが同じように見えるので、個性の演出と繊細なテクノロジー保護のためにケースカルチャーが自然と育ったのかもしれない。
この際、専用ケースなんかは完全に忘れてしまって風防に擦り傷が付いてしまったらアナログ腕時計のプラスチック風防用の傷を隠す有名な”polyWatch"等を流用してみるのも面白いかもしれない。今や最強との評判のゴリラガラスに有効かどうかは知らないがデジタルなスマートウォッチとアナログ&レガシーな腕時計の楽しみ方に共通点が生まれるかもしれない。
商品名 | 発売元 | 実売価格 |
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SLIM CASE for Pixel Watch | Ringke(リンケ) | 1399円 |