みんなのケータイ

eSIMをセットした「Pixel Watch」の使い心地は?

 Googleから発売されたスマートウォッチ「Pixel Watch」。現在評価機をGoogleから借りて使用しています。Androidのメイン端末として使っている「AQUOS R7」と連携させており、通知のチェックといった基本機能から、SuicaとVISAタッチ決済を登録して、決済機能のテストなどもしています。

 Googleから借りた「Pixel Watch」は、LTE版。なのでモバイル回線のテストもしてみたいところなのですが、AQUOS R7にはeSIMでahamo、物理SIMで楽天モバイルをセットしており、どちらもPixel Watchでの使用には非対応の通信キャリアです。日本の通信キャリアで正式に対応しているのはKDDI(au)とソフトバンクだけ。

「Google Pixel Watchヘルプ」(https://support.google.com/googlepixelwatch/answer/12652073?hl=ja)に記載されている、対応通信キャリアの一覧

 なんとかauとソフトバンク回線以外でもPixel Watchでのモバイル通信が試せないものかと調べていたところ、Twitterの投稿でIIJmioのeSIM(データプラン)で登録できたとの情報をみつけたので、自分でも試してみることに

 どうやら通信キャリアによっては、Pixel WatchにeSIMを登録する際にQRコードを読み込ませる方式もあるようで、台湾モバイルがそれに該当します。幸い筆者は台湾を何度も訪問しており、期限の切れている使い終わった台湾モバイルのSIMも手元にあり、それを利用しました。

今回使ったのは、すでに有効期限が切れている台湾モバイルのSIM

 まずはAQUOS R7にセットしてある楽天モバイルのSIMを外し、台湾モバイルのSIMをセットします。それから「Google Pixel Watch」アプリを起動して、「モバイルネットワーク」を選択。すると、楽天モバイルをセットしていた時には表示されなかった「台灣大哥大 Taiwan Mobile Telecomに接続」が選択できるようになっているので、そこをタップすると、QRコードの読み込み画面に切り替わります。

台湾モバイルのSIMをセットすると、アプリからモバイルネットワークの登録ができるようになる

 その状態で、あらかじめ契約しておいたIIJmioのeSIMを登録するQRコードを読み込みます。あとはスマートフォンの画面の指示どおり作業を進めればオーケー。これでPixel Watch単体でLTEでの通信ができるようになりました。

契約したIIJmioのeSIMを登録するQRコードを読み込む
問題なくeSIMが登録できた

 さてeSIMをセットした「Pixel Watch」の使い勝手ですが……正直なところ微妙ですね。というのも、Pixel Watch単体で通信をして使える機能やアプリがあまりありません。とりあえずYouTube Musicアプリは、モバイル通信でも利用できたので、スマホを持たずにPixel Watchだけでウォーキングなどにはいいかなと。

連携しているAQUOS R7をオフにして、Pixel WatchのWi-Fiもオフの状態で、YouTube Musicアプリが再生できた

 またLINEのように、Wear OS by Google用のアプリがあれば、スタンドアロンでもメッセージの送受信が可能でした。個人的にはFacebookのメッセンジャーのほうが利用頻度は高いので、専用アプリが欲しいところです。

LINEは専用アプリがあるので、単体でもメッセージの送受信が可能

 ちなみにauやソフトバンクでサービスしているようなデュアルナンバーでのサービスではないので、スマートフォンにかかってきた電話を受けたり、SMSを送受信したりといったことはできません。なのでPixel Watchは、スマートフォンにセットしているSIMと同じ電話番号のeSIMにすることで、機能をフル活用できるといった感じです。

Googleマップは「スマートフォンに接続」というアラートが表示し続ける

 そもそも今回の利用方法はGoogle推奨ではないし、IIJmioのeSIMもPixel Watch対応をうたっていません。あくまでもこの使い方は自己責任。かつ、もろもろ使えない機能などがあるのも仕方のないところ。

 とはいえ、今後はこういったeSIM搭載のウェアラブル機器も増えてくると思われるので、MVNOも含めて各通信キャリアがその端末を販売していなくても、デュアルナンバーなど対応するサービスを提供してくれることを期待したいです。