本日の一品

スマホ専用ではないマイクをスマホに接続したい人にお勧めな「AMS-22」

 別段音響機器に強いこだわりはないのですが、スマートフォンのマイクには強くこだわってきた筆者。その理由は取材時の音声をより聞き取りやすく録音するためであり、これまでさまざまなスマートフォン用マイクを購入して試してきました。

 ですが、そもそもスマートフォンにマイクをつなぐニーズ自体が元々少なかったのに加え、iPhoneとAndroidでコネクターの形状が違っていたり、途中からイヤホン端子のない機種が増えたり……と、スマートフォンの周辺機器自体開発しにくい環境にあるのもたしか。それゆえスマートフォンに直結できるマイクの種類は決して多いとは言えません。最近でこそ動画配信需要の高まりでスマートフォン用をうたうマイクが増えてきましたが、それでも巷にあるマイクの数と比べたら微々たるものです。

 だったら通常のマイクをスマートフォンにつなげばいいのでは? とふと思い立ったのですが、マイクを接続するには端子にも色々あり、本格的なマイクを接続するには大ぶりなXLR端子が必要です。スマートフォンに接続するにはかなり大きいので、持ち歩けるサイズ感でこれを接続できる機器はさすがにないのでは……? と思って色々探してみたところ、ちょうどZOOMの「AMS-22」というものを発見したのでした。

多くのマイクは接続するのに大ぶりなXLR端子を経由するため、小さくて薄いスマートフォンで利用するのはなかなか難しい

 これはUSB Type-Cで接続できるオーディオインターフェースで、パソコンだけでなくiOSやAndroidにもしっかり対応。XLRケーブル経由で接続したマイクなどからの音声をUSB経由で入力できるようにするものなのですが、最大のポイントはそのサイズです。

ZOOMの「AMS-22」はスマートフォンにも対応したオーディオインターフェースで、マイクやギターなどをつないでUSB端子経由での音声入力ができるようになる

 同種のオーディオインターフェースは据え置きで利用するようなサイズの大きいものがほとんどなのですが、AMS-22は厚さこそあれど手に乗るサイズで、スマートフォンと比べても非常にコンパクトなのです。小さいがゆえに機能や端子も必要最小限に絞られているようですが、スマートフォンにマイクを接続して録音する、という筆者の用途には十分です。

「iPhone 13 Pro」と並べてみたところ。スマートフォンと比べてもサイズがかなり小さいことが分かる
側面から見たところ。XLRケーブルを接続できるだけに厚みはそれなりにある

 そこで実際にAMS-22を購入し、たまたま手元にあった「Pixel 6a」を使って汎用のUSB Type-C~Type-Cケーブルで接続したところ、問題なく認識してくれました。AMS-22には別途、電源供給用のUSB端子もあることからスマートフォンで利用した時の電力供給にはやや不安もあったのですが、筆者が試した組み合わせではスマートフォンからの電力で十分動作してくれました。

背面にはスマートフォンなどへの入力に加え、電力が足りない時に給電するためのUSB端子も備わっている

 そこで別途購入していたショットガンマイクを接続し、実際に録音アプリで音声を録音してみたところ、こちらも問題なく音声入力がなされていることを確認。AMS-22には音声モニタリング用として3.5mmのヘッドホン端子も備わっているので、イヤホンを接続して音声の具合を確認しながら録音できるというのも嬉しいポイントです。

実際に「Pixel 6a」とマイクを接続して録音してみたところ。この環境ではスマートフォンからの給電でも十分動作するようだ

 コンパクトながらも本格的な音響機器ということもあって、価格は1万円を超えるというのが悩ましいところですが、サイズも非常に小さく場所を取らない上、接続するケーブルも思いのほか少なくて済むことから、外での利用にも十分応えられそうです。筆者のような利用用途は少々特殊ですが、動画配信をしていて音にこだわる人などには有益なアイテムといえるのではないでしょうか。

製品名発売元実売価格
AMS-22ZOOM1万2020円
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