本日の一品

12桁メモリー電卓付きのなんちゃってブギーボードを手に入れた!

 今からさかのぼること12年前、2009年にまだ日本では発売されていなかったIMPROVエレクトロニクス社の初代Boogieboardを友人と一緒に何台か個人輸入した。バッテリー交換不可でプレートが糊付けされていたモデルだが、その使い勝手に感動して数台持っていた初代モデルのうちの1台は自己責任で無理やりバッテリー交換をし続けて今も変わらず愛用している。

電卓の横に手書きLCDパネルの付いた便利そうな電卓を手に入れた

 筆者の関わるいろいろなコラムやSNSでも常に書いているが、このBoogieboardという商品、なぜか後続の多々ある(改)モデルのいずれもが、いまだに初代のシンプルな使い良さを超える提案が出来ていない……という風変わりな商品だ。

Boogieboard好きの筆者は2009年の初代モデルをいまだに愛用している
Boogieboardの仲間は今も様々なバリエーションモデルが生まれている
一週間で使わなくなってしまった手書きLCDパネル+アナログメモ合体製品

 “秋葉原バックストリート”と勝手に名付けている中央通りの1本、2本裏通りに行くと、様々な新しいチャレンジを試みている“なんちゃってBoogieboard”を数多く見つけることができる。基本的にBoogieboardに似たなんちゃって商品は全て買うことにしているので、自室にはバッテリー交換待ちの同類商品が溢れている。

 コストの安くなったLCDパネルはより多くのなんちゃって商品の登場を促進し、秋葉原を楽しくしてくれている。昨今ではコストの更なる低下や量産加速する中国製品の普及で、雑誌のオマケにまで採用されたり、上下2段に2枚の別々のLCDパネルを採用して、より一般化と、今までにはない新しい使い勝手を提案する環境に移りつつあるようだ。

 良い悪いは別にしてBoogieboardに採用されているLCDパネルは、筆記文字や線を消しゴムで消すように部分的な消去は不可能だ。全部残すか、全部消すかの択一が条件のいさぎよいプロダクトだ。かつて部分消しに対応した商品もご本家からは登場したがいずれも全くメジャーにはなれなかった。

 一般的に単機能な商品が市場をより広げるには、“ほかの単機能商品との合体”が近道だ。BoogieboardでデビューしたLCDパネルを基盤とした合体商品の中には、筆者が一時使っていたモバイルバッテリーを搭載し、LCDパネル(電子メモ)と紙のレポート用紙を見開きで使えるデジアナノートがあった。しかし必然性も希薄で今は生き残っていない。多くは余剰品の過剰合体とコンセプトの押し売りが敗因だろう。

 今回ご紹介するのは、“一時的なメモ”としての位置づけの手書きLCDパネルとどこのオフィスや自宅にも絶対にある“電卓”との合体商品。誰もがその目的を理解できる極めて分かりやすい納得のコンビネーションだ。商品名は“CALCULATION WITH NOTEPAD”(メモ帳付き電卓)と当たり前すぎるシンプルな商品名。

“メモ帳付き電卓”は2つの要素の合体に無理のない実用ガジェットだ
同梱物は極めてシンプル
左側に電卓、右側に手書きのLCDパネルと自然な配置
筆記線は元祖Boogieboardより繊細で細かな筆記も可能だ

 確かに人は電卓を打つときに、一時的なメモ用紙を併用する人は多い。電卓操作に慣れている人なら、メモリー機能や連続演算を簡単にこなす人も多いと思うが、筆者を含め普通の人は電卓の傍らにメモ用紙があった方がより便利だ。

 メモ内容は一時的な数字の控えであったり、仮の計算ロジックの順序を書いたりと人それぞれだろうが、確かにたった1枚のメモ用紙があることで安心感の増大と間違いの減少にはつながりそうだ。

 パッケージ内部には、メモ用紙代わりのLCDパネル兼カバーの付いた電卓本体と充電用USBケーブル、取説の3つが入っている。電卓のカバー内側にはLCDパネルが取り付けられており、カバーを開くと電卓が左側、LCDパネルが右側になる。LCDパネルは電卓のオンオフとは関係なく筆記できる。

 Boogieboard系の商品には筆記した文字や絵を一発消去する“消去ボタン”が必須だが、当商品の場合は、電卓の下側の丸いボタンがそうだ。筆記の線は初代のBoogieboardに比べてかなりデリケートな細い線で細かな文字や数式も楽にかけそうだ

 電卓機能の桁は12桁、9999億9999円まで計算でき常識的な世界の計算には事足るだろう。電卓部分もLCDパネル部分も同じ充電池で動作するので、左側の電卓の÷キーと-キーの中間辺りから右側のLCDパネルにフラットケーブルが這っているのが少し不安だ。

12桁電卓なので一般的な事務計算には困らない

 しかし、不安なことばかりではなく、なんとメモ帳付き電卓は安価な製品としては極めて珍しくUSB Type-Cポートを採用している。多くのスマホやセンスあるガジェットの入出力ポートがUSB Type-Cに移行している中でこれは画期的だ。ポートのすぐ横には、LCDパネルに筆記した内容の誤消去防止スライドスイッチも用意されているので安心だ。

ヒンジ部分に見える剥き出しフラットケーブルが少し心配
この手の安価なガジェット製品でUSB Type-Cポートの搭載は素晴らしい
マグネットで確実にくっつくスタイラスは安心だ

 また手書きLCDパネルには必須のスタイラスだが、メモ帳付き電卓のスタイラスは電卓の左側のガイド溝にマグネットで吸着し出し入れの容易さと紛失防止を実現している。買ったばかりのメモ帳付き電卓だが、筆者は複数クレジットカードの使用金額の合算の検証、銀行への振り込み額の計算には無くてはならないモノになっている。

電卓に手書きメモは手放せそうにない……
製品名発売元価格
CALCULATION WITH NOTEPAD(メモ帳付き電卓)N/A2599円