本日の一品

スマホとのマルチスクリーンコラボレーションが楽しいHUAWEI MateBook D 15

 筆者の周囲を見ていると、平成時代に入ってしばらくして誕生したスマホネイティブの層と、昭和時代に生まれ、成人してからスマホを使いだした層では、スマホとパソコンの関係性が大きく異なると感じている。もちろん例外を認めないわけではない。

 前者は、全てをスマホワールドで解決するのが当たり前の層。後者は、何かといえば、パソコンとスマホを連携させて、パソコン時代の解決法を模索するタイプだ。もちろん、筆者は筋金入りの後者であり、時にはスマホはパソコンの周辺機器みたいなモノだと思ってしまうこともある。

マルチスクリーンコラボレーションはパソコンとスマホの共存時代にデビューしたこれからのデータ共有の新しい形の提案だ

 大容量メモリーやmicroSDカードが当たり前になったスマホは今やパソコンを凌ぐ勢いで一部ではその主従の関係は逆転してきているとも思える時代だ。パソコンは持たず、スマホだけの人も多い。スマホ内部に蓄積した膨大な写真や動画データはスマホ専用のケーブリングバックアップ機器や、Wi-Fiを活用したクラウドストレージによるバックアップもごく普通のように行われている。

 昭和な筆者は、ついこの間まで、スマホ内部のデータバックアップやコピー、移動は、スマホをUSBケーブルでパソコンと接続し、スマホをパソコンの外部ドライブとして扱う昭和なパソコン主体の手段をとっていた。

 そんな時に、ファーウェイが15.6インチのラップトップを発表で、スマホ単独ではなく、パソコンも並行して使う新しい層に向けた“マルチスクリーンコラボレーション”と呼ばれる機能を搭載していることを知った。

 筆者にとっては、当初、何の変哲もないコスパの高い大スクリーンのラップトップの発表に思えたが、その機能を見ている内に妙に惹かれてしまってそのHUAWEI MateBook D 15を買ってしまった。またしてもいつもの本末転倒だ。

以前は専用のドッキングステーションや、アダプターを介していたが、サムスン電子やファーウェイの両者は当初からこの世界には熱心な企業だ

 ファーウェイはサムスン電子と並んで、スマホからレガシーなパソコンの世界に反転拡張してきた企業で、以前からパソコンとスマホとのコラボレーションワークに熱心な会社でもある。

 パソコンとスマホとの連携には極めて強い興味を持っていた筆者は、これらの商品のほとんどは実際に買って試していた。しかし初期の製品は、いずれも専用のドッキングステーションが必要であったり、最低でもHDMIケーブルが必要な仕組みだった。

 主たる目的はパソコンとスマホのシームレスな関係性の構築ではなく、どちらかと言えば、スマホアプリをパソコン上で疑似的に動作させ、その操作や入力をパソコンのキーボードやマウスを使用し、生産性の改善を思考するトライアルなモノだった。

 一方、今回発表されたマルチスクリーンコラボレーションは、職場や家庭内のワイヤレスネットワークの傘下にあるパソコンとスマホを融合して、画像や映像、テキストファイルやオフィス系アプリなどのデータの相互使用、相互活用を前提とした一歩進んだ発想のモノだ。

 その為、対象となるパソコンやスマホはあくまで限定されたものとなる。詳細はファーウェイのWebサイトに記述されている。筆者は今回、HUAWEI MateBook D 15とメインスマホであるHUAWEI Mate 20 Proで実際に無線接続をやってみた。

HUAWEI MateBook D 15に搭載のマルチスクリーンコラボレーションはスマホとパソコンの関係性や操作性をビジュアルで分かりやすく改革したアプリだ

 パソコンとスマホの接続は極めて簡単だ。まずオフィスや自宅にあるパソコンやスマホが同じWi-Fiルーターに接続されていることを前提に話を進める。まず最初にパソコンとスマホのBluetoothの有効化、そして、スマホ側でNFCの有効化だ。それが終了すると、スマホをパソコンのパームレストに貼られているHuawei Shareのシールのところに置く。たったそれだけだ。

マルチスクリーンコラボレーションの前提となるスマホとパソコンの接続はNFCオンのスマホをHuawei Shareのステッカーの上に置くだけで、あとはガイドされるままに超簡単なステップで接続が完了する

 スマホ上にウィンドウが表示されたら接続を選択、今度はすぐにパソコン上に接続許可を求めるウィンドウが表示されるので、パソコンを操作して許可を選択する。処理が終わるとすぐにパソコン画面上に現在のスマホの画面と全く同じスクリーンが表示される。これでパソコンとスマホの接続連携は完了だ。

スマホにしかないアプリをパソコンのキーボード、マウス、トラックパッドを操作して使うことも出来る。パソコン世代にはWindows対応のLINEアプリを導入しなくても、スマホLINEでも高速入力で対抗出来るかも
オフィス系アプリデータやPDF、動画、写真データ等もドラッグアンドドロップで双方向の無線送信が可能だ

 パソコンとスマホが同じWi-Fiの傘下で動作しているのでパソコン側からでもスマホ側からでもスマホ上のアプリを自由に操作可能だ。画面の遅延も全く感じない。パソコン側から使い慣れたキーボードやマウス、トラックパッドを使って、スマホのメールアプリでメールを出すことも出来る。スマホにしか存在しないアプリをパソコンから起動して使うことも可能だ。

スマホ側のギャラリーのサムネイル表示で、複数の写真にチェックマークを付けて、パソコンのパームレストに貼られているHuawei Shareのシールの上にスマホを置くだけで、アッという間に全ての写真や動画がパソコン側に送られHuawei Image Viewerで表示される
送信された写真や動画は、Windowsディレクトリー下のOneHopというフォルダに全て収納される

 ビジネス上で便利なのは、パソコン側のPDFファイルやWord、PowerPoint、Excelのファイル、動画ファイル、写真などをスマホ側にドラッグ&ドロップで転送することが出来ることだ。もちろん逆方向のワイヤレス転送も簡単だ。スマホ側の画面はギャラリーかファイルアプリが起動していることだけが条件だ。

 HUAWEI MateBook D 15のマルチスクリーンコラボレーションは、今まで意外とありそうで無かったスマホとパソコンのシームレスなやり取りを実現してくれる標準アプリだ。

 HUAWEI MateBook D 15はスマホとパソコンのデータ交換やバックアップをUSBケーブル一本で実践してきた昭和のパソコンユーザーも、スマホオンリーでパソコンには興味の全く無かったスマホネイティブの両方の層にとって面白そうなパソコンの逸品だろう。

製品名発売元購入価格
HUAWEI MateBook D15 Ryzen5 3500Uファーウェイ7万6780円