本日の一品

毎日のスマホバックアップを努力ゼロでお任せできるPQI「iCube」

 クラウド以外の手段で、スマートフォン内の溜まりに溜まった写真や映像を手軽にバックアップするにはどうしたらよいか。以前はバックアップ機能付きUSBメモリを持っていたが、毎日となると忙しくて忘れがち。決まった場所以外のそこら辺に置いてしまうと紛失しがちなところが課題だった。それらを解決してくれたのがPQI「iCube」だ。意識することなく毎日1回以上必ずバックアップがとれて紛失する恐れも少ない。

PQI「iCube」

あくまでアダプタというスタイルが生み出す数々のメリット

 iCubeのコンセプトは「充電中にバックアップ」だ。スマートフォンのバッテリーはだいたい1日に1回以上充電するペース。多くの方は就寝時、枕元に充電器を置いて充電しているのではないだろうか。そのタイミングでバックアップできれば毎晩必ずバックアップがとれる。

 もう一つiCubeがよいところはとにかく自由なところだ。iCubeは充電器ではなく、メモリでもない。充電器は普段使っているものを、スマホとの接続も普段使っているケーブルを、そしてメモリは本体に搭載しているmicroSDカードスロットにメモリを挿すか、USBポートにUSBストレージを接続すればよい。もちろん、AndroidにもiOSにも対応している。

あるのはコンセント端子ではなくUSB Type-A端子。一般的なUSB充電器に挿して利用する。上にあるのはmicroSDカードスロット。ここに市販のmicroSDカードを挿して利用する。容量に縛られることなく、必要な容量のカードを組み合わせればよい
反対側にはUSB Type-A×2。一つはスマホ接続用、もう一つはUSBストレージ接続用。USBメモリやUSB HDD/SSDを挿して利用できる

 普段の充電に使っている機器がそのまま利用できるから、QuickChargeなどの急速充電規格がそのまま利用できる。ただしUSB Type-Aのものでかつワイヤレス充電以外であれば。バックアップ先もその時に入手可能なものを選べばよいし、仮に容量不足になってもメモリだけ交換すればよい。

普段使っているUSB充電器に挿して使う
手頃なmicroSDカードを挿してバックアップ先に利用する
USBメモリを挿してバックアップ先に利用することも可能で、ケーブルも普段利用しているものでOK

 もう少し実例を挙げると、仮に充電器型のものや、ケーブル直付けやUSBメモリ型などでスマホとの接続端子が決まっているものの場合、規格の変更、機種交換などのタイミングで使えなくなることも想定されるが、iCubeには当てはまらない。

 そしてバックアップ機能付きUSBメモリの場合、機種変更で端子が変わったら、もしくは容量が足りなくなったら買い換えだ。バックアップ機能付きUSBメモリはその機能のためにUSBメモリよりも高価で、高価なこととUSBメモリ自体よりも需要が小さいことで高額になりがちな大容量モデルがリリースしづらい。こうした点もiCubeは解決できる。

シンプルなアプリで通常は設定も不要。あとは自動バックアップ機能におまかせ

 さて、外観はこのくらい。スマートフォンからバックアップを行なう際はこの手の製品のお約束としてアプリの導入が必要だ。iCubeの場合は製品名と同じ「PQI iQube」。これをApp StoreなりPlayストアから導入しよう。

バックアップはアプリから行なう。しかも導入してしまえばあとはiCubeと接続(つまり充電)する度に自動的にバックアップ

 USB充電器とiCube、iCubeとスマートフォンを接続した後、PQI iCubeアプリを起動すれば、自動でiCubeを認識する。そして初回時は、これもほかの製品同様だが、スマートフォン内の各種情報にアプリがアクセスするための確認メッセージが表示される。住所録、アルバム……といったものだ。

iPhone接続時のアクセス許可項目は3つ。写真、連絡先、通知だった

 そして初回のバックアップを行なうかどうかの確認が表示される。そのタイミングで行ないたければ「はい」を選べばよい。初回バックアップは、スマートフォンのメモリー使用量に応じた時間がかかり、もちろんmicroSDカードやUSBストレージなどバックアップ先の転送速度にも左右される。ただ、どれだけ時間がかかっても、充電しながらバックアップできるので、バックアップが終わる前にバッテリーが尽きてしまう心配がない。

初回バックアップの確認メッセージ

 iCube自体のUSBは、PCから利用した場合でUSB 3.1とされているので速い。転送速度の速いmicroSDカードやUSBストレージを使えば10GB程度はものの数分だった。もちろん、就寝中に終わればよいという考えならそこまで転送速度が重要ではないだろう。microSDカードやUSBストレージを、速度よりも信頼性で選んだほうがバックアップ向きと言えるかもしれない。

 そしてそれ以降のバックアップはiCube接続時、自動的に行なうことができる。自動バックアップはデフォルトでONになっていた。接続時にアプリが起動するのではなく通知形式だ。そのためロックを解除する必要もない。

バックアップ設定のオプションにある自動バックアップ

 また、2回目以降はフルバックアップではなく差分バックアップになる。毎日バックアップを行なうとしたら、その日に増えたデータだけのバックアップで済むから要する時間も短い。

PQI iCubeのメイン画面。下3つの基本的な操作のボタンと、少し注意が必要な「バックアップファイルを削除」という項目、そして一番上にiCubeに挿したバックアップ先ストレージの使用状況

iCubeを使って見つけた細かなところ

 手元にiPhoneとAndroid、双方があったので両方で試したが、手順としては同じで作業と言えば充電ケーブルを挿し換えることくらい。アプリはそれぞれ導入する必要があるが、UIはほぼ同じで機能もほぼ同じだ。

 そして、1台のiCube、1つのストレージ内に2台のバックアップが行えた。ストレージ内にはルートに「Backup」フォルダがあり、その中に「Audio Backup」や「Phone Backup」……etcといったファイルの種類のフォルダ、さらにその中に各スマートフォンに対応するID付きフォルダが作成される。データのはその中だ。複数台、iPhoneとAndroid混在していても問題ないというのは便利に感じた。

PCから見たバックアップ先のフォルダ構造

 ただし、だからと言って家族間でシェアするかどうかは慎重に判断するべきだ。バックアップされたデータはパスワード保護などはされておらず、Windowsのエクスプローラーやアプリ内からバックアップコンテンツを表示してみたところ、どちらの端末のバックアップデータもそのまま閲覧できた。できればアプリのアップデートでパスワード暗号化機能の実装を希望したい。

 iCubeにスマートフォンを繋ぎ、パソコンのUSBポートに挿したところ、たとえばログインしていない状態のパソコンでは写真のようにバックアップ機能が起動し、もう1台起動中のPCに挿した場合はバックアップ機能ではなくPC上からmicroSDカードリーダーとして機能した。

ログイン前の状態ではバックアップ機能が優先された

バックアップを手間なく、自分の環境に合わせて柔軟にできる

 iCubeの導入で、このようにバックアップを「毎日」、「手間なく」できる環境が整ったのがメリットだ。複数台の端末を使い分けている方や、家族のスマホもバックアップしたいという方は、1端末につき1台のiCubeを利用するのがよいかもしれない。あるいは、リビングでも充電する習慣のある方ならそこの充電器にもiCubeをつなげておけば、バックアップの冗長化もできる。バックアップミスでスマホのデータを失ったことがある方にとっては切り札的な存在だ。

 一つ指摘すれば、iCube同様に「充電中にバックアップ」をうたう製品はほかにもある。iCubeを選ぶ理由と言えばUSBストレージに対応しているところだろう。microSDカードに対応する製品は多いが、USBストレージに対応する製品はまだ少ない。おそらく写真=microSDというイメージからだろうか。microSDカードも容量に対して安価なメディアだが、USBストレージも同じくらい安価で、HDDなどならさらに容量単価が安い。とくにパソコンをお使いの方なら余ったUSBストレージは豊富だろう。

製品名発売元実売価格
PQI CubePQI5450円(税込)
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