本日の一品

「ましかく」写真をちょっとレアな127フィルムで撮ってみる

このような感じで現像後スキャンした写真画像をLINEでアルバムとして送ってくれる。筆者が利用したプリントショップは、「カメラはスズキ 横浜ジョイナス店」。その場でSNSでシェア可能という手軽さはとても重宝する。ちなみに200万画素相当だ

 インスタなどに上げる「ましかく写真」をちょっと凝ったやりかたで撮ってみよう。ということでご紹介するのが「127」フィルムだ。「ましかく」が撮れる主なフィルムには「120」と「127」の2つがあるのだが「127」フィルムは、一度ほぼ絶滅し数年前に日本のとあるフィルム店が製造・販売して復活させた。今ではこれが世界唯一の継続生産品だとのこと。レア度高めの逸品でもある。

 昨今フィルム写真に人気が出たおかげで利用方法にもバリエーションが増えた。紙焼き、データCDのほかに「LINE渡し」をしてくれるプリントショップが登場し始めている。これがまたSNS時代によく適合しているというか、撮影データの活用が非常にテンポよく進められる優れもの。

 現像済フィルムを受け取った際、その場で自分のLINEアカウント宛にスキャンした写真を「アルバム」として送ってくれる。受領後はスマホで撮った写真と同様に取り扱い可能。そのままSNSへ公開もできる。もちろんスマホに保存してあとで閲覧、加工することも可能だ。当然ながら画像にはフィルム写真のアナログな雰囲気がそのまま出ておりスマホ写真とは一目で違いが判る。

左から「120サイズ(6×6)」「127サイズ(4×4)」「35mmサイズ」。127は120より2cm短い。35mmが使い捨てカメラなどで使われているサイズ。
今回、撮影に使ったフィルムとカメラ。4×4カメラは軽量小型な点から、女性向けのマーケティングが行われたと思われる、デザインの柔らかさや色使いなどの特徴を持っているモデルが少なくない

 今回使ったフィルムは前述の通り「127」フィルム。北海道は斜里町にある「かわうそ商店」さんが発売元。モノクロネガフィルム(RERAPan400)とカラーリバーサルフィルム(RERAChrome100)の2種類が提供されている。筆者は旧西独製のローライ銘二眼レフを所有しておりこれで撮影した。「127」フィルム専用のため二眼レフとしては非常にコンパクト。500ccの紙パック程度のサイズで取り回しがよいのが特徴だ

「ましかく」フィルム現像後の例。左から「RERAChrome100」(リバーサル現像)、「RERAPan400」(モノクロネガ)、「RERAChrome100」(クロス現像)。リバーサル現像されたものは「ポジフィルム」とも呼ばれる。正転画像になっておりそのまま閲覧も可能だ。同じフィルムだがクロス現像を行うと色相が反転した「ネガフィルム」の状態になる。プリントもしくはデータスキャン後反転処理を行うことで通常のカラー写真の状態になる

 実際現像してみるとこんな感じに仕上がる。フィルムの段階からましかく。カラー写真希望なら「RERAChrome」だ。左端の作例がメーカー指定のリバーサル現像したもの。右端の作例が裏技的にメーカー指定外のネガ現像「クロス現像」を施したものだ。「クロス現像」では本来の色バランスを更に極端に崩した色調に仕上がることが多い。「トイカメ」風とも呼べそうな個性の強い仕上がりが楽しめる。また現像日数も短くなり、リバーサル現像で通常10日程のところが3日程度になる。

 色調についてはサンプル画像を参考にしてほしい。「リバーサル現像」はちょっと黄色がかって焼けた感じ。「クロス現像」は更に黄色側に転んでいる。アート系エフェクトかけたような感じで、被写体を選びそうな一方で印象的な仕上がりも期待できる。

リバーサル現像の一例。若干黄色みが強いもののいい感じにレトロ調
クロス現像の一例。さらに黄色みが強い。そういうものと考えて撮る分にはこれはこれでアリだ

 127フィルムは、現像できる店が結構限られており、どこにあるか探すのが結構手間。ということで愛好家グループが情報をまとめているのでそれを参考にして欲しい。郵送で受けてくれる店もあるので実店舗から遠い場合はそちらを使うのも手だろう。この場合はLINEではなくCDでのデータ受け渡しになる場合が多い。

カメラの購入は機械式カメラに強い中古店やデパートで開催される中古カメラ市で探すのが定番

 なお、撮影に使う「4×4カメラ」は50年かそれより前の古いものばかり。個性的なデザインの物も多いから色々と探してみるのも楽しいだろう。

製品名発売元価格
RERAChrome100かわうそ商店1180円
RERAPan4001260円