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「Pixel 9 Pro Fold」がAndroid 15になりました

【Pixel 9 Pro Fold】

 本連載でも以前触れましたが、筆者は現在グーグルの「Pixel 9 Pro Fold」をメイン機として運用しています。折りたたんでも一般的なスマートフォンに近い縦横比率、ひらけば正方形に近い大画面、さまざまなAI機能が利用できるスマートフォンです。先日Android 15という大型アップデートが来たので、今回は変化した点や使い勝手について紹介します。

 Android 15は大型アップデートということもあり、複数の新機能が追加されていますが、全体的な仕様変更は少なめ。細々とした新機能の追加、UI(ユーザーインターフェイス)をの調整がメインのアップデートとなっており、デザイン性などはAndroid 12から採用されている「Material You」のコンセプトを維持しています。

 フォルダブルスマートフォンで大きくアップデートされたポイントとして挙げられるのは、タスクバーが固定できるようになった点でしょう。以前は下から上にスワイプして、タスクバーを表示する必要がありましたが、Android 15からは常時表示できるようになっています。

 タスクバーにはよく使うアプリを配置しておくのが通例なため、アプリの切り替えにかかる手間がワンクッション減ったと思うと、地味に便利なアップデート。また、アプリの分割表示を多用する人にとっては、1つのアプリを起動している際に、タスクバーからスワイプして2つ目のアプリを追加できるため、操作が簡潔になっています。

 タスクバーの固定は、全画面でアプリを表示している場合、表示領域の一部を圧迫することになるので、好みじゃないという人もいるかもしれません。特にゲームアプリなどをプレイする際には、邪魔になってしまうこともありますが、固定の解除もできるように設計されているので、不満に思うことはないでしょう。

 2つのアプリを画面分割するという観点では、分割するアプリのプリセットが作れるようになったのも、1つのアップデートポイントです。セットで使うアプリがある程度決まっている場合は、ワンタップで2つのアプリが同時に起動できて、便利になっています。

 フォルダブルを含む大画面デバイス限定ではありませんが、Android 15の大きなアップデートポイントが、セキュリティ面の向上。中でも注目なのが、プライベートスペースという機能です。

 これは、任意のアプリを隠せる機能で、アプリ一覧の中に別のフォルダを作り、パスコードや生体認証を行わないと、アプリ自体が表示されなくなるというもの。スマートフォンのパスコードとは別のロックをかけることができるので、友人にスマートフォンを渡す際などにも、見られたくないアプリが隠せます。

 興味深いのが、インストール済みのアプリを格納できるだけではなく、プライベートスペースに、別途アプリをインストールできる点です。要は、1台のスマートフォンに同じアプリを2つ持つことができるようになります。

 これにより、LINEのような、1アプリ1アカウントと定められているアプリでも、2つのアカウントが運用できるようになります。プライベート用と仕事用といったように、アプリを使い分けたいという人にとっては、魅力的な機能でしょう。

 ちなみに、アプリの複製のような機能は、一部のAndroidスマートフォンで独自に用意されていましたが、今回Android自体に機能が追加されたことで、より広く使われるようになるでしょう。個人的には、同じゲームアプリを2つインストールし、サブアカウントの運用をするといった使い方をしてみようと考えています。