本日の一品

テレビの音声をBluetoothスピーカーに飛ばせるトランスミッター「JPT2」

製品本体。上面のマルチファンクションボタンを使って設定を行う

 離れたところにあるテレビの音声を、近くのスピーカーで聴きたいというニーズは、日本の住宅事情を考えても、意外と多いのではないかと思う。しかしいわゆる手元スピーカーはシルバー層の利用を想定したラインナップがほとんどで、使い勝手はともかくデザインについては、少々抵抗を感じるものばかりだ。

 それならば、ということで、Bluetoothトランスミッターとスピーカーを使って、環境を自前で構築することにした。Bluetoothトランスミッターがあれば、テレビのヘッドホン端子にケーブルを差し込むだけで、音声をBluetoothで飛ばせるようになる。あとはBluetoothスピーカーを用意すれば、手元スピーカーの完成というわけだ。

 こうした経緯もあって筆者が購入したBluetoothトランスミッターが、JPRiDEの「JPT2」だ。テレビの音声を無線に乗せて飛ばす場合、考慮しなくてはいけないのは、Bluetoothにつきものの音の遅延だ。特に人が喋っているような映像では、口の動きと音声がずれるので生理的に気持ち悪い。

今回は紹介していないが送信(TX)だけでなく受信(RX)にも対応している
音量調整ボタンを備えるが、テレビにつなげっぱなしという性格上、利用していない
通常の3.5mmケーブルに加えて光ケーブルでも接続可能
底面。言うまでもないが技適もきちんと取得できている

 その点、この製品は送信コーデックとして、標準的なaptXとSBCに加え、遅延が少ないaptX LLに対応しているので、対応スピーカーと組み合わせることで音の遅延を最小限に留められる。また本製品はUSBケーブルで給電しながらの駆動にも対応しているので、テレビと組み合わせての利用にはぴったりというわけだ。

 初期設定はすぐに完了するのだが、ボタンのコンビネーションやステータス表示のLEDの点灯パターンがかなり複雑なため、いったんリセットして再セットアップを行う場合などは、取扱説明書を手元に置いて参照しなければできたものではない。もう少し簡素になってほしいというのが正直なところだ。

付属品が充実しているのもポイント。取扱説明書は日本語/英語
マルチファンクションボタンの点灯パターンおよび色でステータスが判別できる。とはいえややこしく、設定変更時は取扱説明書の参照が欠かせない

 このほか、給電用USBコネクターがイヤホン端子の隣の面に配置されているため、両方にケーブルをつなぐとL字になってしまうなど、細かいところではツッコミを入れたくなる点はある。もっとも製品の挙動そのものは安定しており、筆者宅ではこれまで半年以上、再セットアップを必要とすることもなく継続利用できている。Amazonでの評価が高いのも納得だ。

今回組み合わせて使用したBluetoothスピーカーはcampino audioの「CP-SP500H」。aptX LL対応で遅延の少ない再生が可能

 競合となるBluetoothトランスミッターの中には、テレビでの利用を積極的にアピールする製品もあるが、海外製品を中心に、技適の取得状況が分かりにくいこともしばしばだ。本製品は国産ゆえ技適マークもきちんと印字されており、そうした部分に気を取られたくない人にもオススメできる製品だ。

製品名発売元実売価格
JPT2JPRiDE3999円