本日の一品

完全分離でノイズキャンセリングなBTイヤホン「WF-1000X」

ソニーから満を持して発売された左右独立型ヘッドセット「WF-1000X」

 Bluetoothでスマートフォンと接続するイヤホンの中でも、左右をつなぐケーブルが存在しない、いわゆる“完全独立型”の製品が、クラウドファンディングによる資金調達で発売されたのが2015年末。それ以降続々と新製品が発売され、近年ではAppleからも「AirPods」がリリースされたことは記憶に新しい。そして業界の雄・ソニーも、競合製品にない付加価値を引っさげてようやくこの市場に参入した。かなり人気を呼び入手に時間を要したが、ようやく購入できた。早速「WF-1000X」を紹介したい。

 左右独立型Bluetoothヘッドセット「WF-1000X」は、スマートフォンなどと接続して使用するイヤホンだ。Bluetoothのバージョンは4.1、対応するプロファイルはA2DP、AVRCP、HFP、HSP、コーデックはSBC、AACに対応するなど、近年の製品としては標準的な構成になっている。販売価格が高い割にはハイレゾ再生に対応していないのが意外だが、価格と性能のバランスを鑑みた結果と思われる。

左側のボタンはモード切替と電源オンオフ、右側は再生停止・曲送り・通話応答に使用する
本体側面に、ノイズキャンセリング用の外部音取り込みマイクがある
収納ケースが充電ケースを兼ねている。フル充電で約3時間の再生が可能
さらさらした質感のシリコンと、やや摩擦係数の高い発泡シリコンの、2種類のイヤーピースのほか、フィッティングサポーターも長短2種類が標準で付属している

 一方、ソニーお得意のノイズキャンセリング機能については健在である。これまでも多数のノイズキャンセリング機能搭載ヘッドセットをリリースしてきた経験からか、これだけ小さな製品にも実装しているのは見事といえる。旧製品と同様に、連続したノイズが発生する場面では抜群の効果が得られる。電車内でヘッドセットを外すと、騒々しさとのギャップに驚くこともしばしばだ。

専用アプリ(画像はiPhone版)では、機能オンオフやイコライザーの制御、スマホ側の加速度センサーを利用したモード切替ができる

 昨今の製品らしく、スマートフォン側で専用アプリを用意し、制御できるようになっている。機能のオンオフ、イコライザー調整といった基本的なところから、スマートフォンの加速度センサー情報を取得し、歩いている、止まっている、走っている、といった場面それぞれで、ノイズキャンセリングのモードを切り替えるという機能を実装している。実用性はそこそこ、といったところだが意欲的で面白い機能だ。

 使っていると、ときどき左右でモード切替のタイミングがずれることがあり違和感を感じることがあった。とはいえ不満点と言えばそれくらいで、音楽再生のみならず、単にノイズキャンセリング機能を使うだけでも満足度は高い。最近価格がこなれてきた左右独立型タイプとしては少々お高めだが、静寂な環境を求めるならば妥当といえるだろう。

製品名販売元購入価格
WF-1000Xソニー2万6870円