スタパ齋藤のApple野郎

Mac用マウスが寿命でどうしよう? と思ったら過去の俺が大活躍していた件

 現在、デスクトップMacで愛用中のマウスはロジクールの「MX MASTER 3S」。機能性としては極めて便利であり、使用感もスゲく快適である。

ロジクールの一般用途向けハイエンド・ワイヤレスマウス「MX MASTER 3S」。直販価格は18,590円。カラーは写真のペールグレーのほか、黒っぽいグラファイトもある。
よく考慮された形状・ボタン位置で、さまざまな握り方で操作しやすく、ボタンへの機能割り振りの自由度も高い。
テンキーレスキーボードと組み合わせて使用中。テンキーがある位置にマウスがあると、キーボードを打鍵した直後にマウスを握る操作がスムーズで快適だ。

 このマウス、2022年6月16日発売。発売とほぼ同時に買って現在で使っているが、2年使っても機能性的にはバッチリ。ただ使い始めてしばらくしたらブリーディングという現象が起き、マウス一部表面がベタベタしてきてしまった。

 上記リンクのタイトルは「マウスが加水分解でベタベタ化」となっているが、これは原稿執筆当時の筆者の誤認識で、現象としては加水分解ではなかった。加水分解は、たとえばシューズのソールに起きて、ソールがボロボロと崩れてしまう現象だ。

 マウスなど表面のややソフトな樹脂素材がベタベタしてくるのは、ブリーディング(ブリードアウトとも)という現象だそうだ。これは合成樹脂の表面に主成分(ポリマー)とは異なる合成樹脂構成物質がにじみ出してくる現象。ちなみにブリード(bleed)は「血が出る」「樹液がにじみ出る」「染料や顔料が染み出る」という意味。

 にじみ出ている物質は、合成樹脂に色を付ける着色剤、合成樹脂を柔らかくする可塑剤、油分など。合成樹脂により、にじみ出る物質は多種多様だ。合成樹脂表面へにじみ出した物質を拭き取るなどすればベタベタは消えるものの、それは一時的な対症療法のようなもので、ブリーディング自体を止めることはできないそうだ。また「十分に物質がにじみ出し終えるとブリーディングは収まる」とも聞く。

 で、この「MX MASTER 3S」も使い始めてから1年以上、ずっとブリーディングが続いていた。数日に1度程度、拭き取れば済んでいたので、俺の場合は「MX MASTER 3S」をフキフキするのが習慣となっていた。

 ところが、今年に入った頃あたりか? 気付いてみたらブリーディングが収まりつつあるようだった。以前よりベタベタ感が減ってきて、ベタベタしても拭き取れば1週間〜半月くらいは気にならずに使えていた。そして現在は「MX MASTER 3S」のブリーディングがかなり収まったようで、以前のようなベタベタ感が出ることがかなり少なくなった。

ブリーディングが収まりつつあるMX MASTER 3S。薄茶色に変色している部分はブリーディングによる変色だと思われる。ブリーディングが起きていない場所はクリックボタンと同色のまま。ともあれ、ブリーディングが収まりつつある現在、フキフキするほどにモトの色に戻っているように思う。小指が当たるあたりの下部エッジは、フキフキしたことにより硬質樹脂素材表面の塗装が剥げた跡と思われる。

 しかし、今度はべつの問題が。ひとつはマウス表面上部手前側の樹脂素材が浮いてきてしまったこと。水ぶくれみたいな感じで、マウスと表面樹脂素材の接着が剥がれてきたようだ。

写真のほぼ中央、マウスの背中? から右手前にかけて水ぶくれのような浮きが発してしまった。押すと中身が中空である感触があって、樹脂素材をマウスに貼っている粘着剤が剥がれたものと思われる。

 また、マウスの滑りが悪くなってきた。マウスは机面に直接置いて使っているが、机面が汚れていて滑りが悪いのかな? と机面をしっかり掃除してみた……が、滑りがイマイチ。マウス底面を見てみたら、マウス底面の机面と接するマウスソールがすり減っているようだった。

写真ではわかりにくいが、底面前後左右にあるマウスソールがかなり摩耗している。マウスソールの面全体で机面に接しているから滑りにくく感じられる? ともあれ、ちょっと気になるレベルの滑りにくさなのであった。

 ブリーディングは収まりつつあるものの、表面樹脂が浮いてきたし、マウスソールもすり減って滑りにくくなってきたし……そろそろ寿命? MX MASTER 3Sなどロジクール製マウスは2年間保証が受けられる。現在、購入後2年内ギリギリゆえ、もしかしると「あのぉ〜表面が浮いてきて、あと滑りにくくなってぇ〜」とか相談したら「じゃあ新品と交換いたしますっ!」とかになるかもしれないが、保証書とかそーゆーの紛失してるしー、みたいな?

20年くらいまえのマウス用グッズが超絶役立った件

 マウスの滑りが悪いってこんなにキモチワルイもの? とかモヤモヤしつつMX MASTER 3Sを使い続けていて「あっアレは?」と思い出した。パワーサポートの……なんだっけアレ?

 ……そうそう、「エアーパッドソール(Airpad Sole)」! アレ持ってたはず……と思って探したら間もなく発掘! ……たぶんコレ、20年くらいまえに買ったものである。

パワーサポートの「エアーパッドソール」の20年モノ。マウスの底面に貼ってマウスの滑りをよくするというグッズだ。現在でも定番的に販売されている。……パッケージには16個入りとあるが、数えて見たら30個近く入っていた。たぶん過去に使って「コレはすニャらしい!」と感動して買い増ししてパッケージをひとつにまとめたのだと思う。
エアーパッドソールをマウスのソール部分に貼ってみることに。20年モノなので、エアーパッドソール側の粘着剤がダメになってたりして……。ホントは、もともと貼ってあったソールを剥がし、そこにエアーパッドソールを貼るらしい。
あら問題なく貼れた……そして肝心の滑りやすさは?

 滑りにくくなった「MX MASTER 3S」の底面にエアーパッドソールを4個貼ってみたら、あらま!!! ちょいと!!! おまいさん!!! ガンガンに滑りまくり尽くしケツカった!!! ジョリーグッドな滑りだぜアニキ!!! アルティメット級の快適さだぜアネキ!!! マウスが滑りにくくなったらみんなもコレ使おうぜお嬢ちゃんお坊ちゃん!!! みたいな?

 しっかしスゲいのであった。とてもスムーズにMX MASTER 3Sを動かせるようになった。同時に少しゴリゴリいっていたマウス操作時の音も大きく低減。20年くらいまえのマウス用グッズ的製品に、俺は、いま、猛烈に感動しているッ!!!

 なるほど、こういう良さがあったから、捨てずに保管していたのだな、と改めて思った。そして同じく保管していたパワーサポートの製品も使ってみた。シリコーン素材マウスパッド「エアーパッドプロ(Airpad Pro)」だ。

シリコーン素材のマウスパッド、パワーサポート「エアーパッドプロ(Airpad Pro)」。これもたぶん20年モノで過去に使った中古品。使い心地は……?

 いやぁ〜ん! コレもすっご〜い! そうかだから20年も保管していたのか! エアーパッドソールを貼ったMX MASTER 3Sをエアーパッドプロ上で使うと、もう非の付け所がナッシングであってサイコー!!! さっきまで寿命? とか思っていた「MX MASTER 3S」が、いま、蘇った!!!

往年のスター・マウスが、いま、蘇った!!!

 いやいやいやいや「MX MASTER 3S」蘇ってないから。電池もけっこうヘタってきてるし、水ぶくれみたいのできてるし、マウスソールとかマウスパッドとかは対症療法だから。

 やっぱりマウス買い換えようかニャ? と思いながら部屋片付けをしていたら……ええええっー!!! こ、コレって!!!
 なんと死蔵していたっぽい「MX MASTER 3S」が発掘されたのであった。発掘されたのはグラファイトのカラー。……たぶん2年くらいまえに「MX MASTER 3S」買って使用感に「こここれはすニャらしい!」とか感動して予備を買ったのだと思われる。

発掘されたグラファイトのMX MASTER 3S。新品未開封であった。
撮影のため開封。あーあ中古品になっちゃったー。ていうか予備だし使うし!
底面のシールも剥がしていない状態。

 なんだー「MX MASTER 3S」問題完全解決じゃん! ペールグレーのほうは……しばらく置いとくにしても、この新品のグラファイト「MX MASTER 3S」を使用開始だゼっ!!!

 と思っていたら、ニャニャニャニャンと! 新品未開封の「MX MASTER 2S」が発掘された! これもたぶん使って「こっこれはすニャらしい!」とか感動して予備を買ったのだと思われる。

発掘されたグラファイトのMX MASTER 2S。新品未開封であった。白っぽいMX MASTER 2Sも使っていたが、ブリーディングがヒドく「もうムリ!」と思って廃棄した記憶がある。
撮影のため開封して中古品になっちゃった……あれ? ちょっと薄く白っぽくなっている。これもブリーディング? ただベタベタしていなくて、拭いたらあっさり白っぽさは除去できた。
これも新品未使用なのであった。

 うーん、確かにロジクール製ハイエンドマウスが好きなんだが、こんなに死蔵していたとは……。試しにロジクールのゲーミングマウスを買ってみようかニャと考えていたが、新品のハイエンドマウスが2個も発掘されたとなると、マウスの買い増しはナイ、かも。

 問題は、発掘された「MX MASTER 3S」と「MX MASTER 2S」のうち、どちらを使うかだ。率直なところ、機能性的にはそーんなに差はない。ボタン形状が少し違ったりする程度。どちらも「Logicool Flow」対応でもある。

 大きいのは充電用USBポートの違い。「MX MASTER 2S」はmicroUSBで、「MX MASTER 3S」がUSB-Cだ。microUSBにはあまり戻りたくない気が……。

 ともあれ、「MX MASTER 3S」問題は完全解消した。過去の俺が現在の俺へ「MX MASTER 3S」問題への対症療法を与え、やはり過去の俺が「MX MASTER 3S」問題を完全解消してくれたカタチ。未来の自分を軽く見据えた行動は大切かもしれない。でも当時的にはなにも考えずの単なる無駄使いかもしれニャいと思った。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。