スタパ齋藤のApple野郎

iPhoneを15Wでワイヤレス充電! エレコムのQi2充電器をMagSafeスタンドに吸着させてゆくッ!!!

 ワイヤレス充電の新規格「Qi2(チーツー)」。従来の「Qi(チー)」規格により高い実用性を加えた上位互換規格だ。

 Qi2の主な改良点は、Qiでは5〜15Wだった出力がQi2では15Wに固定化された。また、Qi2ではMagSafe互換の「マグネット吸着式の充電」ことマグネティック・パワー・プロファイル(MPP)が採用され、手軽でより効率の高い充電および安全性が確保された。

 iPhoneユーザー的観点で見ると、これまでMagSafe対応iPhoneを充電する場合、Apple純正のMagSafe充電器でないと最大出力の15W充電ができなかった。サードパーティー製のMagSafe互換を謳う充電器だと7.5W充電が上限になっていた……もーしかしたら15W充電できる製品もあるのかもしれないが、俺は寡聞にしてそういう製品を知らない。

 でもQi2の登場で、サードパーティからもiPhoneを15W充電できるマグネット吸着式充電器が発売された。具体的には、2024年1月にBelkinから「世界最初のQi2規格対応製品」が発売された。

 俺の場合、そのBelkin製品を「わ〜い!」とか大歓迎して一瞬買おうと思ったのだが、しかし、よく考えてみたらApple純正MagSafe充電器を使っていて問題なく15W充電できるし……まあ焦って買う必要もないかな、と。Qi2対応充電器が出揃ってきたら買ってみようかな、と考えた。

 そして今年の4月に入ってQi2対応充電器を購入。モノはエレコムのW-MA04シリーズ「W-MA04BK」だ。使ったら非常によかったので、その後にエレコムの「EC-MA01SV」という(もしかしたらネット通販専売品)を追加購入した。どちらもQi2規格対応の充電器で、iPhoneを15W充電できる。

左の白いのが「EC-MA01SV」で右の黒いのが「W-MA04BK」。どちらもAmazonで4000円前後だった。現在はそれより500円くらい安くなっているようだ。

 ↑このQi2充電器、ナニが非常によかったかと言うと、コストパフォーマンスである。Apple純正のMagSafe充電器は直販価格が6480円。上記Qi2充電器は現在3500円くらいで買える。で、どちらでもiPhoneを15W充電できる。

左がエレコム「EC-MA01SV」で、右がApple純正MagSafe充電器。サイズ感がけっこう違うのであった。しかしどちらでもiPhoneを15W充電できる。

 エレコムのQi2充電器よりも、Apple純正MagSafe充電器のほうが一回り小さくて薄いという良さはある。また触り比べたりするとApple純正MagSafe充電器のほうがカッコイイかも〜、みたいな気もする。でもiPhoneを15W充電できる充電器として、エレコム製の充電器のコストパフォーマンスは圧倒的に高い。

エレコムのQi2充電器、吸着力も充電速度もApple純正MagSafe充電器とほぼ同じ

 エレコムのQi2充電器、最初に使って「よっしゃ!」と思ったのはiPhoneへの充電速度。結論から言うと、MagSafe充電対応iPhoneをApple純正MagSafe充電器で充電したときとほぼ同じように急速充電できる。

 ていうかエレコムの製品ページに「大出力15WでiPhoneを充電可能。従来のQi規格と比べて高速充電を実現」と書かれていて、それがホントだったということではある。だが、サードパーティー製のワイヤレス充電器で初めてiPhoneを15W高速充電できたので「よっしゃ!」と。

エレコムのQi2充電器でiPhoneを充電中。急速充電中は18〜19Wくらいの電力で充電される。これはApple純正MagSafe充電器でも同様だ。よっしゃ!
余談だが、こちらはエレコムのQi2充電器でGoogle Pixel 8 Pro(Qi2非対応/Qiのみ対応)を充電中。Qi2充電器だとナゼか5W程度の充電になってしまう。低速充電? Qi2にはデバイスと充電器の間でわりと高度なネゴシエーションが行われているそうだが、もしかすると「端末がQi2対応じゃないから安全策で最小の出力で充電するニャ」と充電器側が判断して出力を抑えているのかもしれないが、そのあたりについて俺は寡聞にして知らニャい。

 Google Pixel 9シリーズはQi2対応になればいいニャ〜とか思いつつ、エレコムのQi2充電器とApple純正MagSafe充電器の細々したところを比べてみた。まず、前述のとおり、Apple純正MagSafe充電器のほうが一回りコンパクトでスマートな感じである。

 それからケーブル長が違う。Apple純正MagSafe充電器は1mだが、エレコムのQi2充電器は2m。またエレコムのQi2充電器のほうがケーブルが少し太い。

 ほかは……あんまり違いがないかもしれない。MagSafe吸着力も、どちらも同じくらいという印象。MagSafe対応端末の着脱フィールも同じような感じ。

 あぁでも、正式にはApple純正MagSafe充電器はMagSafe対応iPhoneやワイヤレス充電対応のApple製品用で、エレコムのQi2充電器はQi2・Qi対応デバイス専用ということには、なっていると思う。なおiOS 17.4をインストールしたiPhone 12以降は全部Qi2対応となるので、iPhoneユーザーはQi2充電器のメリットを幅広く受けられますな。

エレコムのQi2充電器をMagSafeスタンドに吸着させてゆきたいッ!!!

 前述のとおり、エレコムのQi2充電器はApple純正MagSafe充電器よりすこーし大きい。大きいのだが、これがあるモノとほぼシンデレラフィットなのであった。

 そのあるモノとは「直径60mmの丸いスチールプレート」である。俺の場合、これをナニに使ったかというと、Apple純正MagSafe充電器をMagSafe対応スマートフォンスタンドに吸着させ、どのMagSafeスタンドでもMagSafe充電を可能にするために使った。

こんなプレートを使い、Apple純正MagSafe充電器をMagSafe対応スマートフォンスタンドに吸着できるようにした。直径60mmの丸いステンレススチールプレートで「マグネット吸着用」としてAmazonで売られていた。
プレートは粘着剤付きで、Apple純正MagSafe充電器の「充電できない面」に貼り付けた。プレートのフチがちょっとはみ出てしまう。
スチールプレートをApple純正MagSafe充電器裏面に貼るだけで、Apple純正MagSafe充電器をMagSafe対応スタンドに吸着できるようになる。

 エレコムのQi2充電器は直径がほぼ60mm。上記の丸いスチールプレートとほぼ同じサイズ。スチールプレートを貼ってMagSafeスマートフォンスタンドに吸着させて使うには、ちょうどいいサイズである。

エレコムのQi2充電器と丸いスチールプレートのサイズはほぼ同じ。
ちょうどよく貼れた!
エレコムのQi2充電器がMagSafeスマートフォンスタンドに吸着できるようになった。

 こうすることで、MagSafe吸着対応スタンド類を、ぜーんぶMagSafe充電スタンドとして利用できるようになる。充電スタンドの選択肢が急増する、みたいな? たとえばクルマで使っているMagSafeスタンドに、MagSafe充電機能を追加することができる。

クルマのコンソール中央左側にMagSafeスマートフォンスタンドを取り付けている。
MagSafeでマグネット吸着するだけのスタンドだ。
こんな感じでiPhoneを吸着。充電は有線で行っている。
そのMagSafeスタンドに、先ほどスチールプレートを貼ったエレコムのQi2充電器を……。
MagSafe吸着でセーット!!! 充電器ケーブルは車内の給電ポートにセーット!!!
そこにiPhoneを……セーット!!!
MagSafe充電された。よっしゃ!

 エレコムのQi2充電器のように、コストパフォーマンスが高いというか、比較的に安価にて買えるワイヤレス充電器ということで、こういう「なにか貼って使う」ようなことも気軽に行えるってわけですな。ちなみに貼ったスチールプレートだが、ちょっとやそっとじゃ剥がせないほどしっかり貼り付いていた。撮影のためにいったん剥がしたが、そのときにペンチが必要なほどであった。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。