スタパ齋藤のApple野郎

Apple Watchで心電図、おもちろ~い♪

キた!!! 日本でもApple Watch心電図機能が使えるようになったゼ!!!

 2021年1月27日にリリースされた「iOS 14.4」と「watchOS 7.3」。これにより、日本でもApple Watchの心電図アプリが使えるようになった。つまりApple Watchで心電図を測定・取得し、iPhone上で詳細な心電図を見ることができるようになった。

Apple Watchで測定・取得した心電図はiPhone上で詳細に確認できるほか、PDFファイルとして取り出すことができる。

 心電図アプリが使えるのは、Apple WatchのSeries 4、Series 5、Series 6。これらのApple WatchのDigital Crownと本体裏面には電極が内蔵されていて、心電図アプリ(や心拍数アプリ)と連携して心臓からの電気信号を測定可能。Digital Crownに指を置くと心臓からの電気信号が流れる回路が作られ、その状態で心電図アプリを使うと胸に流れる電気パルスを測定・取得というしくみだ。なお、Apple Watch SEは心電図アプリには対応していない。

 使い方は簡単で、まずiPhoneをiOS 14.4へ、Apple WatchをwatchOS 7.3へとアップデートする。次いで、iPhone上でヘルスケアアプリを起動し、心臓>心電図(ECG)へと進んで設定を進める。生年月日を入力して説明や注意事項を読めば心電図アプリを使えるようになる。

心電図アプリを使えるようにする手順は簡単。
設定を終えると「最初の心電図を取る」と煽られるので、煽られるままに嬉々として心電図を取ろう!!!

 心電図の設定が終わると、Apple Watch上に心電図アプリのアイコンが現れる。赤い折れ線グラフ風のアイコンがそれだ。これをタップすると画面上にハートマークが出現。この状態でDigital Crownに触れると心電図測定・取得が始まる。かかる時間は30秒。途中で指を離すと測定がやり直しになり、再度30秒かかる。

Apple Watchで心電図、おもちろ~い♪

 Apple Watchで心電図。使ってみた印象は、思ったより簡単であること。それから予想以上に「おもしろい」ということだ。

 人間ドックや病院などで行う心電図検査は、けっこー大掛かり。胸部や手首や足首に電極を付けて心電図検査(12誘導心電図)を行うが、心臓疾患がない人の場合は人間ドックなどでないと行う機会がない。

 一方でApple Watchによる心電図測定・取得は、病院などで行う心電図検査よりずっと簡易的なものではあるが、その場で即行える。たった30秒。服を脱ぐ必要もない。すご~く簡単♪ と単純に喜べてしまう。

ちょっとした合間に心電図アプリを起動。30秒間Digital Crownに触れていれば心電図が取れる。超お手軽。

 そしてiPhoneがあれば、その場で心電図を細かく見ていける。これまで取得した心電図を見られるし、それぞれの心電図ごとに精査することもできる。

Apple Watchでの心電図取得は約30秒で済む。その場で結果がわかり、心房細動の兆候がないことも確認できる。また、Apple WatchとペアリングしているiPhone上のヘルスケアアプリで心電図の詳細を見ることもできる。
ヘルスケアアプリで取得した心電図をブラウズしている様子。ひとつの心電図を開き、「医師に渡すためにPDFを書き出す」からその心電図の詳細を見ることもできる。右は心電図PDFを精査している様子。もちろん拡大・縮小して表示できる。横画面表示も可能。

 ちなみに、同じApple IDでiPhoneを複数台持ちしている場合、Apple WatchとペアリングしていないiPhoneのヘルスケアアプリでも、(iCloudバックアップを使っていれば)心電図などのデータを見ることができる。例えば俺の場合、Apple WatchとiPhone 12 miniをペアリングしている。同時にiPhone 12 Pro Maxも使用中。Apple Watchで取得した心電図を、(iCloudバックアップ後に)より画面が大きいiPhone 12 Pro Maxでも見ることができるというわけだ。

 腕時計で心臓の様子を解析し、手にしたスレート型端末で詳細を見る。別の端末でも見る。これは未来だ!!! と楽しくなってしまう俺なのであった。

 ……でもiPadではヘルスケアアプリ使えないんスよね?。使えれば、Apple Watchで取得した心電図をiPadで大きく表示してかかりつけ医に見せる、なんてこともできるのに。残念。

アーッ!!! Apple Watchの心電図で不整脈みっけーッ!!!

 未来っスよ未来!!! 腕時計と手のひらサイズ電子計算機で心電図!!! くぅ~昭和のSF映画みたい~♪

 と、Apple Watchの心電図機能を楽しんでいたある日のこと。iPhone上で心電図を拡大表示していたら、あるものを発見。具体的に心電図にてご説明したい。

いつもの俺的心電図。まずまず均等に脈打っている。凄いっスよね心臓ってずーっと休まず脈動し続けて、なんて思ったりも。
あるものを見つけた心電図。あれ? 中央部分にほかとカタチの違う脈動が!?
拡大してみると……やっぱりほかと明らかに違う!!! カタチも位置も違う!!!

 実はこの俺、時々不整脈が出る。不整脈は大きく分けて3種類があるそうで、脈が遅くなる「徐脈」、速くなる「頻脈」、そして脈が飛ぶ「期外収縮」があるとのこと。どの不整脈がどうなのかは専門家の説明に任せ、俺の不整脈は期外収縮。以前に検査したところ、「心配する必要のないありふれた不整脈」と診断された。

 上のスクリーンショットの3枚目がソレを示す波形で、恐らくは心室期外収縮を示す波形だと思うがよくわからないので置いておこう。以前にホルター心電計検査(24時間心電計を装着して行う不整脈検査)を行った時にこんなようなヘンな波が多々見つかった。

 この波が出る瞬間、気付くことがある。「あれ? 今、脈が抜けた!?」みたいな。脈拍が一回休みをして、胸にちょっとした違和感を感じたりするのだ。でも全然気づかないこともある。

 不整脈持ちの俺の場合、Apple Watchの心電図機能で心電図を得られるのは非常に興味深いとともに有益だと感じられる。医師の診断によると俺の不整脈は「寝不足や疲れやストレスや加齢によるもの」だそうだ。そして不整脈を感じたような気がした時、Apple Watchで心電図を取って見てみると「あっ確かに不整脈が出たっぽい」となり「そうか寝不足だし、体が疲れてるかも」と不摂生を修正するきっかけになる。ちょっと有益なApple Watch心電図機能というわけだ。

 ところで、ちゃんとした心電図検査を受けたことがない人の場合、不整脈に気づいたら「えっ何これ、心臓ヤバいんじゃないのっ?」と驚くと思う。同時に、Apple Watchで心電図を取得して閲覧して、明らかにヘンな波形を発見したら「えっマジ、ナニ何なに?ヤバいって?!」と焦るに違いない。

 その場合、とりあえず、すぐ医者に診てもらおう。医者に心電図PDFを見せて「かくかくしかじか、心臓に違和感があって、こんな心電図も取れたんですけど」と相談するのだ。

 Apple Watchの心電図機能は、そういう気付きを与えてくれるのが素晴らしい。そして受診のきっかけと科学的なデータを与えてくれるのが素晴らしい。

 逆に、Apple Watchで取得した心電図を見てヘンな波形を見つけて速攻でインターネット検索を行って「こっ、これはたぶん、よくある不整脈とかなんかだろう……そうに決まっている」などと結論づけてはいけない。診断は専門家である医師が行うのであり、シロートがネットで軽く調べたくらいで出せるようなものではないのだ。

 でもまあ、そうしがちなのは、何となくわかる気もする。多くの人は言わないが、たぶん受診が怖いのだと思う。いや受診自体はなんてことはないのだろうけれど、診察して結果が出ることを恐れているのだと思う。受診はせず、「病気ではない」と思える情報だけを見て、とりあえずの安心感を求めるのだと思う。でもそこには確かな根拠も証拠もない。

 体調に気になることがあれば、ぜひ早く受診していただきたい。受診するとイイこと多いっスよ。病気を早く見つけられるから、治癒の可能性が高まり、より前向きな気持ちになれるだろう。病気でないとわかれば、大きな安堵が得られる。

 逆に受診しなければ病気の発見は遅れ、モヤモヤした不安を感じながらの生活が続く。ぜひ受診して、安心して、Apple Watchを楽しもう!!!

 ……アーッ!!! また不整脈。Apple Watchで心電図取ったら確かに不整脈。近々この心電図PDFをかかりつけ医に見せてゆきたいッ!!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。