スタパ齋藤のApple野郎

「iPhoneでメモ」は、テキスト? 音声? 静止画? それとも動画?

画像メモが好きだったが……

 iPhoneでメモを取る方法は多々ある。大雑把に分けると、メモアプリなどを使ってのテキストメモ、ボイスメモアプリなどを使っての音声メモ、写真アプリなどを使っての静止画(写真)メモや動画メモ、となる。思い浮かんだアイデアや重要事項はテキストメモ、目の前にモノや図版としてある対象なら静止画メモや動画でメモを撮る。ウェブサイトなどをスクリーンショットとしてメモする、ってのもありますな。

 俺の場合、目の前に気になる対象がある時にメモすることが多いので、去年あたりまでは専ら写真を撮ってメモとする静止画メモを使っていた。

 例えば紙の明細書を撮影して、簡易的なスキャンとして残したり。画像メモですな。

 あるいは買うべきモノの型番や仕様。いちいちそれをテキスト化したり紙のメモに書き写したりするのは面倒、ということでサクッと静止画としてメモ撮り。

 他にもDIYやメンテナンスの対象を静止画メモとして残し、どういう手順で、どういうパーツを使って行うか? てなコトを静止画メモを見ながら考えたり。バイクのハンドル(下のスクリーンショット)に部品を装着したいけど……その分のスペースはあったかな? とか。

 こんな感じで静止画メモを使っていた。けっこう多くの人がやることですな。

 しかし、静止画メモって場合によってはちょっと不便。たとえば、バイクのハンドル部を撮った写真では、後から見ると「あれ? どこの部分だろう?」と戸惑うことがある。それを見越して複数枚の写真を撮っておく必要があったりする。そして複数枚の静止画メモが残ると、各メモのチェックの手間も煩雑化する。

ナニゲに便利な動画メモ

 ずっと「メモは静止画メモでいいや」と考えていた俺だが……去年あたりから好んで動画メモを使うようになった。その理由はいくつかある。

 まず、容易に十分な情報を残せること。メモ対象の全体像もディテイルも、1本の短い動画メモの中にまとめられる。

 たとえば↓コレは、そろそろ残り少なくなった結束バンドで、使い勝手が良いので同じモノを買ってこよう!!! 的なお買い物の動画メモを、一時停止して見ている様子。メモ対象の全体像も細部(仕様など)も1本の動画の中に収められるので、メモを見る時の煩雑さも少ない。

 まあこういう単純なメモ対象は静止画でも十分である。が、動画メモは使っていて無難といいう印象が強い。静止画メモだと「あっ手ブレで失敗メモになってる〜」的なことがアリガチ。だが、動画メモなら対象を数秒撮れば、たいていは“ブレていない瞬間”があるものだ。

 あと、動画メモは撮影時のシャッター音も静かめ。iPhone標準のカメラアプリの動画撮影開始・終了時にも「ピコッ」的な音はするが、静止画撮影時の“カッシャー”という盛大な音よりずっと穏やかだ。また、無音で撮影開始・終了できる動画撮影用アプリも多い。

 それから、動画メモだと、前述のバイクのハンドルの例のような「あれ? どこの部分だろう?」という不便を容易に解消できる。色々な角度から、引いたり寄ったり、対象をまんべんなく撮っておけば、後から見て「そうかココはこういう形状なのか」と理解しやすい。さらに声で説明を追加しておけば、後から動画メモを見た時にそのメモの意図を理解するのもたやすい。

 ちなみに、iPhone標準の写真アプリ上では、静止画も動画も同じように拡大表示することができる。動画については再生中に拡大することもできるので、動画メモの一部を拡大してチェックするのにも便利だ。

「Doubletake」アプリは動画メモ向けかもしれない

 動画メモ便利だな〜♪ と最近はもっぱら動画メモを撮りまくり。「メモは静止画メモでいいや」とずっと考えていたわけだが、アレは何だったんだろう? いや“考えて”もおらず、思考停止しており、単なる根拠のない思い込みだったのだろう。お恥ずかしい。

 さておき、動画メモを多用するようになった俺において、「コレいいな〜」と思えるアプリがある。「Doubletake by FiLMiC Pro」という無料アプリ。iPhone 11 Pro Max/11 Pro/11/Xs Max/Xs/Xrで使える“同時に2つの動画を撮影できる動画撮影アプリ”である。

 上のスクリーンショットは、iPhone 11 Pro MaxでDoubletakeアプリを使っている様子。iPhone 11 Proシリーズには、アウトカメラ(背面カメラ)が超広角/広角/望遠の3つあり、インカメラ(自撮り用カメラ)が1つ、合計4つのカメラがある。Doubletakeアプリを使うと、その4つのカメラから任意の2つのカメラを使って同時に撮影できる。

 撮影して残せる動画は、画面内右下に小画面があるピクチャーインピクチャーのスタイル、画面を左右(上下)に2分割したスタイル、それから2つの動画を個別に保存するスタイル。動画の解像度はフルHDで、フレームレートは24/25/30fpsから選べる。

 無料アプリであるし、文章で読むよりダウンロードして使ってみると話が早い。でも一応基本的なUIのご説明を少々。

 上のスクリーンショットはDoubletakeアプリのメイン画面。2つのレンズで撮影する時のプレビュー表示だ。四隅のアイコンは、左上が撮影済み画像の閲覧、右上が動画のスタイル変更(2分割やピクチャーインピクチャーなど)、左下が使用レンズ選択、右下が撮影開始・終了のボタン。

 使用レンズ選択表示で選んだレンズは黄枠で表示され、画像もカラーになる(非選択レンズの画像はモノクロ)。なお、レンズ選択表示では4つのカメラからの動画も全てプレビューされる。ので、iPhoneの画面収録機能(コントロールセンター)を使えば、4カメラからの動画を同時に撮影できることにもなる(各動画は小さいが)。

 で、Doubletakeアプリで使う2つのカメラを、超広角と望遠とかにしておくと、動画メモで対象の全体像と部分アップを同時に撮れる。まあ全ての動画メモ向きというわけではないが、対象へ寄ったり引いたりせずとも、けっこう実用的な動画メモとして残せることが多い。動画メモでは「あ〜あの部分のアップがない〜」というのもアリガチだが、そんな失敗を低減できるのがDoubletakeアプリかな、と。まあ本来はiPhoneのカメラをもっとアーティスティックに使うためのアプリだとは思うが。

 動画メモ用アプリとしてDoubletakeアプリを使用中の俺だが、残念なのが、Doubletakeアプリ上で動画を再生した場合は動画の拡大表示ができないこと。でも、いったん写真アプリなどに書き出せば、写真アプリ上で動画の拡大などが行えるようにはなる。

 ともあれ、案外便利な動画メモ。Doubletakeアプリを使えばさらに効率よく動画メモを撮れるようになると思うので、興味がある方はゼヒ♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。