スマホの音楽も聴ける超小型無線式受話器

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


スマホの音楽も聴ける超小型無線式受話器

 今回のネタはグリーンハウスの「Bluetoothミニフォン GH-BHMPA」。2012年7月上旬に発売された「PCやスマートフォンと無線接続して通話や音楽再生が可能な機器」だ。Amazonにて5947円で予約購入した。

グリーンハウスの「Bluetoothミニフォン GH-BHMPA」。PCやスマホとBluetooth接続して使える、オーディオレシーバー兼ヘッドセット用アダプタだ。現在の実勢価格はやや開きがあり、5000円弱~6000円程度

 コレ、PCやスマホとBluetooth接続して使える「音楽用オーディオレシーバーにも受話器にもなるアダプタ」ですな。音楽を聴く場合はヘッドホンなど(3.5mmステレオミニプラグ)をつないで使う。通話する場合はそのまま受話器として使えるし、ヘッドホンで相手の声を聞くこともできる。

 ちょっと前にエレコムのマルチデバイスBluetoothキーボード「TK-MBD041シリーズ」をレポートした。細々した難点はあるものの、Bluetoothヘッドセット(というか受話器)としてなかなか便利だと感じていた。てゅ~かスマホを小型受話器で使うスタイルはアリだよな~案外快適だよな~、などと思っていた俺。

 そんなところへ「Bluetoothミニフォン GH-BHMPA」が登場。こちらは超小型だし、普通っぽいテンキーを搭載しているし、スマホの電話帳を転送することもできるらしい!! てなわけで予約購入したんであった。

 そして使い始めて約2週間。「えっ?」的な難点もあったが、全体的になかなか使い勝手のよい製品、てなところが現時点での印象である。ともあれ、以降、「Bluetoothミニフォン GH-BHMPA」の機能や使用感についてレポートしたい。なお、わりと多機能な製品なので、詳細をお知りになりたい方はグリーンハウスのサイトから取扱説明書をダウンロードしてお読みいただければと思う。


超小さいんです♪

 まずは「Bluetoothミニフォン GH-BHMPA」(以下、ミニフォン)の主な仕様をば。イキナリ目を惹くのがそのサイズで、高さ73×幅32.5×厚み19.9mmしかない。質量は30g。正面から見るとフリスクのケースとほぼ同じサイズ。背面にクリップがあるため厚みはあるが、抵抗なく胸ポケットに入れられるサイズ&質量だ。

サイズは高さ73×幅32.5×厚み19.9mmで、質量は30g。フリスクケースのようなサイズだ。背面にはクリップがあり、胸ポケットやショルダーベルトなどに留めることができる。上部にはヘッドホン接続用3.5mmステレオミニジャックとストラップホールがある
表示部は有機ELディスプレイで、日本語表示に対応している。電話器と同様のテンキーを搭載し、バックライトも内蔵。スピーカーは画面上部、マイクはテンキー下部にある。電源は内蔵リチウムポリマー電池で、USB充電に対応する

 ディスプレイは128×64ドット表示の有機ELで、写真のように日本語表示に対応している。電源は内蔵バッテリーで、USB充電に対応。約90~120分で満充電となり、満充電から約5~6時間の音楽再生が可能で、待ち受け(スタンバイ)は約100時間とのこと。

 持った感じは前述のように超小さく超軽い点で驚けるが、感触はプラスチックな感じで、若干チープな印象がある。が、電源を入れると黒地に白の有機EL表示がちょいとした緻密感を漂わせ、悪くない風情。やや暗い場所で使うと、有機ELの鮮やかな表示に加え、テンキー部のバックライトも目立ち、触り心地とは裏腹にちょっとカッコイイ感じに見えたりする。

 さておき、そんなミニフォンをスマホやPCとBluetooth接続(ペアリング)し、後述の受話器やオーディオレシーバーとしての機能を使っていく。ちなみに、対応するBluetoothプロファイルは、HSP、HFP、A2DP、AVRCP。ミニフォンから発話や終話、音楽再生アプリの操作などを行える。


受話器として

 ミニフォンはそのまま受話器として使える。本体を耳に当てて話すわけですな。それから、ヘッドホンなどをつなげば、相手の声をヘッドホンから聞きつつ、こちらの声をミニフォンのマイクから伝えられる。

 残念なのは、マイク付きイヤホンには非対応であること。正確に書くと、マイク付きイヤホンのイヤホンで音楽を聴くことはできるが、付いているマイクは利用できない、となる。ので、イヤホンを使っての通話は、口の近くにミニフォンをもってくるスタイルとなる。

 機能的にはかなりイイ感じだ。俺の場合はiPhone 4SやGALAXY Noteと組み合わせて使っているが、それぞれのスマホに一切触れることなく、ミニフォンだけで電話をかけたり受けたりできる。

 まあアタリマエっちゃぁアタリマエなんだが、「通話するための機器を常時胸ポケットあたりに留めておける」のは非常に実用的。着信を取り損ねることがなくなるし、思い立ったらすぐに電話をかけることもできる。

 ちなみに、着信はスマホの着信音などのほか、ミニフォン独自のビープ音的着信音とバイブレーション機能でも知ることができる。ヘッドホンをつないでいれば、ヘッドホンからスマホの着信音が聞こえる。

 なお、「iPhone 4SやGALAXY Noteと組み合わせて使っている」と書いたが、複数の端末と同時に接続できるわけではない。一度に1台の端末とだけしか接続できないミニフォンである。

 あとこのミニフォン、スマホの電話帳をコピーして使えてスゴ~い♪ と思ったんだが、結論から言えば「多くのケースでイマイチ使えない電話帳機能」となりがちだと思う。

「電話帳の同期」を選べば、Bluetooth経由でスマホの電話帳がミニフォンにコピーされる。ただし並びはバラバラになる。電話帳を使うより、着信や発信の履歴機能からリダイヤルするほうがずっと便利だ

 スマホの電話帳をコピーし、ミニフォンの画面に電話帳内の人名が漢字表示された瞬間は「イーヤッハァ★ やったァ♪」とか感激した。が、コピーされた名前(姓/名)の並びがバラバラ。また、どうやら、元の電話帳内に複数の電話番号が登録されていると「同じ名前で電話番号の分だけ登録される」ようだ。さらに、その並びもバラバラ。たとえば電話帳内のあちこちに「齋藤●●」という名前が点在するような状態に。

 ミニフォンの電話帳は一画面に2人(2件)までしか表示できない。検索は可能だが「名前が英文字の場合のみ」という制限がある。ついでに、電話帳の編集系機能は、スマホから全部コピーか全削除くらいしかない。ので、日本語で20~30人以上登録されている電話帳は、ミニフォンにコピーすると、すんごくカオスな状態になって、使い物にならないと思われる。

 スマホ側の電話帳をいったんミニフォン専用の「必要最小限だし英字で登録したもの」に置き換えて、ミニフォンにコピーすれば、たぶん「わりと実用的な電話帳まで使える受話器」になると思う。が、手間を考えると素直にスマホを操作して電話をかけるのが現実的ですな。また、ミニフォンの通話履歴からリダイヤルすることもできる。

 ともあれ、せっかくの日本語電話帳に残念な実用性しかなかったのにガッカリ中の俺。期待していただけになおさらである。受話器としてのミニフォンは実用性が高い点を考えると、ヒッジョーにもったいない難点だと思う。ぜひ改良してソッコーでミニフォン2とかを出して欲しい。マジで。


オーディオレシーバーとして

 次にミニフォンのオーディオレシーバー機能。ミニフォンにステレオヘッドホンをつないで、スマホ内の音楽をワイヤレスで聴くことができるという機能だ。結論から言えばこの機能も使いやすいと感じた。

 使い方はシンプルで、ミニフォンのMUSICボタンを押すだけ。するとミニフォンはオーディオレシーバーとしての動作し始め(A2DP/AVRCPプロファイルが機能し)、スマホの音楽プレイヤーが起動し、ヘッドホン(やミニフォンのスピーカー)から音楽が流れる。要は、MUSICボタンを押せば、音楽を聴けるヨ♪ と。

本体上部に3.5mmステレオミニプラグ用のヘッドホンジャックがある。テンキー上部のMUSICボタンを押せば、ミニフォンはオーディオレシーバーとしての動作モードに入る

 ミニフォンから行える操作は、曲の送り戻しや一時停止程度。曲名やアーティスト名は表示されない。なお、音楽再生を終える場合は、ミニフォン上で「停止」にあたるボタンを押すだけでよい。

 音質だが、このテのBluetoothオーディオレシーバーにありがちなノイズは少なめという印象。もちろん使用環境によっても変わってくるとは思うが、音楽再生時の音質もまずまずイイ感じのミニフォンである。

 ところで、音楽再生中に着信があったら? この場合、音楽が自動的に一時停止になり、着信音が鳴り、通話でき、通話が終わったら音楽の一時停止が自動的に解除される。自動の一時停止/再生時に「ブチッ」的な少々耳障りなノイズが入るが、機能的にはフツーに実用的ですな。

 てな感じで、電話帳の件は残念だが、ほかは全体的に便利&快適に使えるミニフォン。価格的にも手頃な感じ。かなりコストパフォーマンスが高い「音楽も聴ける無線受話器」なので、興味のある方はぜひ一度チェックしてみてほしい。

 なお、こういったBluetooth機器、たとえばAmazonなんかを見ると海外製の謎の機器が激安&大量に売られていたりする。のだが、こういった無線機器は「技術基準適合証明」(通称;技適)を受けていないと「電波法違反」になることがあって「デンパ君」にやっつけられてしまうから超注意だヨ♪


2012/7/23 06:00