なるほど技あり!! なiPhone3G/3GS専用ジャケット
■なるほど技あり!! なiPhone3G/3GS専用ジャケット
登場当初から気になっていたiPhone 3G/3GS専用ジャケットのGO-DAP。iPhone 3G/3GS用の外部バッテリーでありつつ、ヘッドホンアンプとしても機能しつつ、iPhone 3G/3GSと合体するというジャケットですな。なるほど、こういう合わせ技、ちょいとなかった。
ベンチャークラフトのGO-DAP。iPhone 3G/3GS専用のバッテリー+ヘッドホンアンプ機能を備えたジャケットだ。左がGO-DAP本体で、左がiPhoneを装着したところ。メーカー価格は1万8000円 |
てなわけで案の定、製品実機をお借りして早速試してみた拙者なんですけど、コレ、けっこーイイっす。拙者がiPhone 3G使ってた頃だったら買ってたかも、みたいな。現在の拙者はiPhone 4へと機種変更しちゃっており、iPhone 4はGO-DAPと合体できないんであった。残念。
ともかく、iPhone 3G/3GSヘビーユーザーにとって、GO-DAPはいろいろな面で魅力があるジャケットだ。バッテリーとして使えて、高品位なヘッドホンアンプとして機能し、さらにほかのジャケット類には意外になかったりする細かな実用性がある。また、製造過程から全て日本製にこだわったとのことで、細部の作りも良好。もちろん「Made in Japan」の刻印が入っている。
GO-DAPのカラー(アルミパーツ色)は現在のところガンメタリックのみ。これ以外に赤(写真のもの)と白アルマイト(薄シルバー)も計画中とのこと | 細かな部分の作りが良く、細部の使用感も十分考慮した形状になっている。製造過程から全て日本製にこだわったとのことで、「Made in Japan」の刻印も入っている |
というコトで、以降、GO-DAPの機能や使用感についてレポートしてみたい。
■iPhone 3G/3GSの電池持続時間が2倍に
まずはGO-DAPの主な仕様から。本体サイズは、幅65×高さ132×奥行23mmで、質量は130g。電池は容量1450mAhのリチウムイオン二次電池で、充電はPCのUSBポートなどから(USBバスパワーで)行う。ちなみにUSB給電可能なACアダプタなどは付属しない。
GO-DAP本体下部には充電/iTunesによるシンクロナイズのためのUSBポートがある。シンクロナイズは本体上部のスイッチにより制御できる | 充電中にはその状態が2個のLEDで示される。充電中が橙、充電完了が緑の点灯となる | ボタンを押せばLEDが点灯し、おおまかな電池残量を知ることができる |
外部電源として見ると、iPhone 3GSのバッテリー容量が1200mAhなのでiPhone 3GSを満タンに充電することができますな。バッテリーはヘッドホンアンプの駆動にも使われるので、大雑把に言ってiPhone 3GSの内蔵バッテリー約1本分を追加して使えるというイメージだろうか。
iPhone 3GSの3Gネットワーク使用時の通話時間は最大5時間、ネット接続が最大5時間となっている。GO-DAPと併用することで、これが倍の10時間に延長されるってのはなかなか心強い容量である。
iPhone 3G/3GSとの接続は、GO-DAPへiPhone 3G/3GSを挿入する感じでセットするだけ。隙間なくカッチリとはまり、合体後はGO-DAPからiPhone 3G/3GSが抜け落ちてしまうような不安は感じない。イイ感じの一体感っす。
GO-DAPのポケットパーツ部にiPhone 3G/3GSをスライドさせて押し込む感じで合体させる | 合体後は一体感が高くガタはない。不意の抜け落ちなどの心配もほとんどなさそうだ | 合体後の厚みはこんな感じ。iPhone 3G/3GSが2台分って感じですな |
このように合体させれば、以降、iPhone 3G/3GSに対する充電/給電やヘッドホンアンプの利用が可能になる。
ちなみに、iPhone 3G/3GSとGO-DAPを合体させたボリューム感だが、フツーよりやや手が大きめの拙者においては「これなら十分アリ」という印象だ。GO-DAPの形状がiPhone 3G/3GSに加わることで握りやすくなったとも感じる。
ただ、女性にとっては大き過ぎでプチ重い感じ。GO-DAPはデザイン的にもあまり女性ユーザーを意識していないと思われる。外見もサイズもけっこー男性向けなジャケットなんですな。
■中・高音域を重視したヘッドホンアンプ
さてさて、GO-DAPのヘッドホンアンプとしての使用感である。ヘッドホンアンプとしての仕様は製品紹介ページにあるとおりだが、GO-DAP、ハードウェアとしてちょっと凝ってるってゅーかカッコイイっていうか、ヘッドホンアンプ然としているんであった。
ボリュームツマミの存在感や敢えて採用されたと思われる六角ネジ、緻密なシルク印刷による機能表示など、ソソる部分の多いヘッドホンアンプ操作部である。が、拙者が「お~」とか声出しちゃったのは赤く光るトグルスイッチ。わりと高級(てか高価)な部品だが、うまく実装して高級感~マニアックさを醸し出していると思う。
ヘッドホンアンプ操作部を正面から見たところ。左からヘッドホンジャック、ボリュームツマミ、電源/動作モードスイッチ | スイッチは小さなトグルスイッチ。OFF、CHG>i(iPhoneへ充電)、SYNC(iTunesとのシンクロナイズ)の3段階となる。OFF以外でヘッドホンアンプを利用できる | この超小型トグルスイッチはそれ自体が赤色に発光する。カッコイイ!! マニアックなこだわりですのう |
わー光った~カッコイイ~、ってだけじゃダメなんで、GO-DAPのヘッドホンアンプとしての実力を検証してみた。使ったヘッドホンは、SHUREのSE535と、やはりSHUREのSRH750DJ。音源は拙者のiPhone 3G。これで、女性ボーカル、ジャズ、アコースティックギターなどの演奏を聴いてみた。
SHUREのSE535。モニター指向が強めのハイエンドステレオイヤホン。iPhone 3G/3GSの音のイマイチさなんかもズニャーンと聞こえてしまったりするイヤホンなのだ | SHUREのSRH750DJ。音楽製作をする人などによく向くと思われるステレオヘッドホン。これもまたモニター指向が強い製品だ | GO-DAPは「中・高音域を重視した仕様」のヘッドホンアンプだという |
iPhone 3Gから直接聴いたとき、GO-DAPを通して聴いたときの違いを拙者的印象で書いてみると、メーカーが言うとおり「中・高音域を重視した仕様」というのがすぐにわかる。ボーカルやギターの太さというか厚さというか力強さが増し、より繊細な響きになったとも感じられる。音質向上……というかヘッドホンが本来の動作に近づいたてなコトが実感できる。
ぶっちゃけ、どんな部分をまずイイと感じたかといえば、女性ボーカルのとくにウィスパーボイス~ハスキーな歌声がググッと近寄る/浮き上がるところ。中~高音域にかけては、ボーカル以外でもいろいろな楽器の輪郭が際立ってきて、濁りがなくなる感じだったりクリアに晴れ渡る感じだったり、音のディテイルが明瞭になる。
また、ジャスピアノとか、ロックに使われるローズピアノとかの音もよく鳴ると感じる。なんつーかこー豊かになったというかツヤが出たというか、音楽全体に埋没しにくいという感じになってとても好印象。また、クラッシックギターの音も温かみそのままで透明感UPって感じで良かった。
低音はあんまり変わらない気がする……いやむしろiPhone 3Gから直接聴いたときよりも低音が控えめになった感じ!? ボーカル域~高音あたりまでが前に出てきたからの錯覚かもしれないが、低音が出しゃばらなくなったという印象を得た。
とかアレコレ書いてみたが、拙者の耳で大雑把に検証した結果の雑感を述べたに過ぎない。こういうコトはご自分の耳&愛用ヘッドホンで検証するのが大吉。ぜひGO-DAP実機に手持ちのiPhone 3G/3GSおよび常用ヘッドホンをつなぎ、いつも聴いてる曲をジックリと聴き比べてほしい。
ちなみに、GO-DAPはiPhone 3G/3GSからの音をDockコネクタ経由で受け取っている。つまりiPhone 3G/3GSのライン出力を受け/増幅してヘッドホンに送っている。
■細部の作りもちょいと便利
GO-DAPを使っていて便利だニャと感じたのは、まずヘッドホンジャックなどの位置。iPhone 3G/3GSのそれとほぼ同じ位置にあるので違和感なく使い始められた───GO-DAPにしたからと言って、従来のiPhone 3G/3GS使用スタイルを大幅に変えるという面倒はない。また、そのすぐ横にボリュームツマミやトグルスイッチがあるので、ヘッドホンアンプ自体の操作もスムーズだ。
GO-DAP使用時、本体上部に操作部や接続部が集まるので操作しやすい。iPhone 3G/3GS単体使用時と比べての違和感も少ない | ヘッドホンジャックの位置も従来とあまり変わらない感じですな | GO-DAPとiPhone 3G/3GSのヘッドホンジャック位置は隣同士。なので、ヘッドホンプラグ差し替えが容易。双方の出音を即座に比べられて便利だったりもする |
それと、GO-DAPと合体状態のiPhone 3G/3GSは、机上に直立するんであった。安定性はあまり高くないが、とりあえつ立つ!! あら便利。しかも縦にも横にも立つ!! まあ便利。みたいな。
さらにGO-DAPとiPhone 3G/3GSが合体した状態でも、iPhone 3G/3GSのカメラは使用可能。なかなか細かいトコロまで考えて作られていると言えよう。
このよに縦に直立するんであった | このように横向きにも立つんであった | カメラ部は露出。GO-DAPと合体していても問題なく使えるんであった |
個人的にプチ残念なのは、ストラップホールの類がナイこと。まあGO-DAPをiPhone 3G/3GSと合体させつつストラップでプラプラってのは(その若干のズシリ感から)ちょっと考えにくいが、ジャケットとしてGO-DAPはシッカリ作られているので、これで頑丈めのストラップホールがあればさらに完成度高いのにナ~とか思った次第。
また、これはちょっと無理な注文かもしれないが、ボリュームツマミは押し込めるようにして欲しい気も。てのは、ヘッドホンアンプ非使用時はボリュームツマミのみ出っぱってて、ボリュームツマミ自体の不意の破損が心配だから。
ただ、使用時はこの出っ張りがちょうどよく、押し込めたら押し込めたで、今度はトグルスイッチの出っ張りが気になってくると思うので、現在の状態がベストバランスなのかもしれない。
とまあ細かな不満はあるが、全体的にはたいへん満足できたGO-DAP。性能も作りも安心できる雰囲気が漂っており、使い心地も良い。ただ、値段が値段。メーカー価格1万8000円。これをどう考えるか、受け止めるか、ですな。
てな感じで、高品位ヘッドホンアンプ+大容量バッテリーが融合し、スコッとiPhone 3G/3GSと合体するGO-DAP。キッチリ作られたMade in Japanのジャケットなので、iPhone 3G/3GS使用中&音楽もバリバリ聴取中の方は、ぜひ一度実機に触れてみて欲しい。
……拙者は、iPhone 4用GO-DAPの登場をぜひ願ってゆきたい!! てかそーゆー予定とかあんのか>GO-DAP for iPhone 4。ぜひそういう予定があることを願ってゆきたい!!
2010/9/6 06:00