スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

ポチる前に役立つ「計測グッズ」とは? 俺的「アナログ計測ガジェット」のススメ

 そろそろ年末が視野に入ってくる時期だが、これから年末にかけて多くの方がネット通販で買い物をするのではないだろうか? というわけで今回は、ネット通販利用時に「あると便利なグッズたち」をご紹介してみたい。

 って、グッズを見れば「あぁそうだよね」的な感じにもなるかもしれないが。ともあれ↓こんな道具や小物があると、きっと役立つ。

定規類。買うモノのサイズを正確に予想することができる。
重さがわかる道具類。モバイルものを買うときは重さがけっこう重要だ。
面積がわかる紙類。リアルなフットプリントを再現できる。
容量がわかる容器類。液体モノを買うとき、その商品にはどのくらいの容量が入っているかが直感的にわかる。
精密にサイズを計測できるノギス。買うモノのサイズとそれと組み合わせる手持ちのモノのサイズをマッチさせるのに、時々必要になったりする。

 以上、5カテゴリー。ほかにもあると思うが、多くのケースで上にあるような道具や小物があれば、失敗しにくいネット通販利用ができると思う。ともあれ以降、それぞれの使い方や利便をご紹介してゆきたいッ!!!

センチ/インチ対応の定規や巻き尺で、長さをすぐ理解♪

 ずいぶん以前に使うようになってから「これ必須だよな~」と感じ続けているのが、センチ/インチ両対応の定規や巻き尺だ。最近では商品サイズがインチのみで表記されていることもナゼか増えているので、なおさらかもしれない。

センチとインチの両方が表示されている定規。インチで商品サイズが表示されている小物を買うときに「ふーん、こういう大きさか」と知るのに便利。透明のものがあるとより好都合なことが多い。
センチとインチの両方が表示されている巻き尺(コンベックス テープ部が金属製で伸ばしても真っ直ぐな状態を保つもの)。ある程度長いモノを買う場合に、その長さを想像しやすい。
センチとインチに両対応の巻き尺。体のサイズなどを測るためのものだが、商品サイズがインチ表示の服なども少なくないので、たとえば「自分の胸囲は何インチ」などとすぐ知ることができるのに加え、「合うシャツを測ったら身幅が●インチだから、同じインチ数のを買おう」などと決められて便利だ。
センチ/インチ両対応のコンベックス。いつまでも世の中がメートル法に統一されず、頑としてインチやフィート表示のヤード・ポンド法が使われ続けているため、もうメンドクサいのでこういうコンベックスばかり買うようになった。でも便利なのでオススメ♪

 単純に、ネット通販でモノを買うとき、「横幅23cmってどのくらい~?」ということが、定規や巻き尺によってすぐわかって便利。アタリマエと言えよう。

 また、最近では輸入品がザックリと売られていることも増え、業者から提供されたインチ表示の商品写真をそのまま使う的な売り方も増えている感じ。なので「ええええ~っ? 8インチってどういう長さ?」と戸惑うことも多い。が、インチ表示の定規などがあればこれも「なるほど、そういう長さネ」と即座にわかるというわけだ。

 ちなみに、1インチは25.4mm。暗算でのセンチ換算は面倒だ。またいちいち電卓を使うのもメンドクサい。センチ/インチ両対応の定規/巻き尺は、別の言い方をすれば「センチ/インチ換算表……が巻いてあるヤツ」なので、日常的にもよく活躍してくれると思う。

ウェイトやハカリで、どのくらいの重さかを直感!

 スマートフォンなどを多用するモバイルな方々にとっては、購入する携帯小物の「重さ」はとても重要な要素。なので、ぜひ、ウェイトやハカリを活用し、購入後の「あら~想像よりずっと重かった~」というプチ失敗を防いでいただきたいッ!!!

重り(バランスウェイト)とデジタル表示のハカリ。こんなのがあると買い物時の「重さの失敗」を防げると思う。

 たとえば「このモバイルバッテリーは231gか……どんな重さ?」という場合、ハカリに重さが近そうなモノを乗せて、231g付近の重さのモノを見つけて持ってみて「ふぅ~ん、こういう重さか」と知ることができる。だが、似た重さのモノを見つけるのは案外メンドクサい。

 なので、オススメなのは写真の左側にある「単品の重り」の類。複数の重りを組み合わせて231gに近づけて手で持てば、ほぼメンドウなしで「なるほどこんな重さネ!」ということがわかる。

 ちなみに写真左側にある重りは「バランスウェイト」。タイヤとホイールの重量バランスを整えて走行時の振動などを防ぐための重りで、5g刻みなどのバラバラの重りとして売られていることが多い。

5gと10gの重りの組合せになっているバランスウェイト。それぞれバラバラに切り離して使える。板状につながった1本が60gとなる。ただし板状につながった状態で1~2gの誤差があるので、精密な重量予想には向かないかもしれない。

 写真の製品は、5g/10g刻の重りが合計240個入っていて合計1.8kg。Amazonで1880円くらいで売られているが、モバイル小物からノートPCくらいまでの重さを実感するのに汎用的に使えて便利だ。

定型の紙で「ここに置けるかな?」をより確実に

 案外ヤラカシがちなのが、「ここにちょうど置けそう」と思って買ったものの、置いてみたら「置けたけど予想と違った」みたいなこと。設置サイズのビミョー感とでも言おうか。

 俺的経験だと、そのビミョーな設置感の多くは、置き場所と商品フットプリントがマッチしているかどうかによるような気がする。ここで言うフットプリントは商品底面の専有面積だが、フットプリントの形状も設置感の良し悪しに大きく関わっていると思う。

 そこで役立つのが……紙。ええ~っ? 単なる紙!? そう、紙をフットプリントと同じサイズに切り取って、事前に「設置感のテスト」をするのだ。

 ただ、単なる紙だと測ったり切ったりするのが面倒。なので、定型用紙の使用をオススメする。

色付きのA4用紙が1枚あると便利。色付きなのは、フットプリントサイズをより見やすいから。ちなみにコレはクラフト紙。
A4サイズの紙の大きさは210×297mm。これを半分に折るとA5サイズとなり148×210mmになる。さらに半分に折るとA6サイズとなり105×148mmとなる。さらに半分に折るとA7サイズとなり75×105mmとなる。A4サイズを2枚並べるとA3サイズとなり297×420mmとなる。A4サイズ用紙1枚で、いろいろ&アリガチなフットプリントを目の前に再現できる。あらかじめカットしてサイズを書いておくと、いつでもスグ使えて便利。
方眼紙があれば、自由なフットプリント(サイズ)を手軽に作成できる。
やや複雑な矩形のフットプリントも簡単につくれる。コンパスがあれば円形フットプリントも。

 たとえば方眼紙で購入予定品のフットプリントを正確に再現すれば「あら~ココにイイ感じで置けそう!」といったことがわかる。買った後に「いや置けたけども~ギリギリでさぁ~なんかぁ~」といったモヤモヤが生じにくくなる。

 フットプリントを考えずに買うと「うわ~まさかの設置不能!」ってこともあるが、まあそういう買い方をする人はほとんどいないかもしれない。

 方眼紙などを使って事前に正確なフットプリントを調べられれば、「ほーらちゃんと置けた♪」となる。さらに、事前に「ココに置けるうえに、置いたまま90度回転させることもできそうだな」みたいなことまでわかるので、ゼヒ紙でフットプリントサイズ確認を!

 なお、定規だけでもフットプリントを再現できたりするが、雑な計測で定規がやや斜めだったりするとヤバい。「あれ~測ったらピッタリサイズだったのに、実物はギリで収まらない~」みたいなことがある。斜めに測っちゃうと設置場所が実際より広く測られてしまうからだ。

小さめのビーカーやメスシリンダーで、液体モノの量を知る

 ネット通販でけっこう難しいのが「液体モノ」の購入ではないだろうか? 「50ml入りって書いてあるけど……50mlって500mlペットボトルの1/10だよねえ……足りなくない? じゃあ150mlのほう買っとくか」とかやって「えぇぇぇ~150mlってこんなあるの? これ使い切るの無理!」みたいな結末を迎えることもアリガチ。

 液体の容量って、350mlとか500mlとかだと「あのくらいね!」と直感的にわかったりする。だが、小容量だと「えっ10mlってこんな少ない(多い)の?」「50mlってこんなたっぷり(ちょっぴり)なの?」と予想が外れがちだったりする。ので、事前に小さめのビーカーやメスシリンダーでより正確に予想しましょう、と。

写真のメスシリンダー(縦に長細いほう)は、それぞれ10ml、25ml、50mlの容量。ビーカーは100mlと50mlの容量。どちらもそれ以下の細かい容量までわかる。想像しにくいのはスゲく大容量の場合か、150mlくらい以下の小容量なので、一般的な買い物なら写真のような小容量サイズでだいたい間に合うと思う。

 こういった容器を使い、液体モノの容量の感じを事前に知ると失敗が少ない。ただ、上記のような樹脂製・安価なメスシリンダーやビーカーの正確さはイマイチで、数mlの誤差がフツーにあったりする。でもまあ、「このくらいかな?」を知るためにはそれでも十分だと思う。

 なお、容量をザックリ見極める程度が目的で、メスシリンダーとビーカーを併用すると、感覚的に惑わされるかもしれない。これはメスシリンダーとビーカーの用途の違いで、メスシリンダーは正確な体積測定のための容器であるため筒部分が細めで、ビーカーは大まかな測定や液体の混合などに使うため筒部分が太めになっているから。

 実際に同じ50mlの液体をメスシリンダーとビーカーに注いで比べてみると、メスシリンダーは「けっこうたっぷりだな」と、ビーカーは「これだと少なめかな?」といった印象になったりする。筒の直径が違うことからくる錯覚だが、これを防ぐためにはメスシリンダーとビーカーを併用せず、どちらかだけで計測するのがいい、かも、しれない。

ノギスで正確なサイズを知る

 最後に、ノギス。ただ、ネット通販でノギスまで必要になるケースは多くないと思う。ノギスとは、モノの外径や内径や厚さや深さなどを精密に測定できる計測工具。「1mmの測定誤差なんて絶対許されないっ!」といった場合には必須の工具だが、そうでない場合は不要なので、ご参考までに。

ご家庭で使うのにオススメなのは、ダイヤルから計測結果を読み取れるダイヤル式。また、どちらかと言えば、対象を傷付けにくい樹脂製がいいと思う。ただし樹脂製は計測精度が高くないものが多い。なお、さらに手軽に扱えるデジタル表示のノギスは、確かに便利ではあるものの、ご家庭での低頻度利用だと「使いたいときに電池切れ」となりがちなので、俺的にはあまりオススメしない。
世界有数の精密測定機器の総合メーカーこと「ミツトヨ」のダイヤル式ノギス。0.01mmレベルの計測をお手軽に行うことができる。ただしお高く、写真の「D15FX/505-732」はメーカー標準価格で1万6700円。

 ノギスは、使い方を覚えれば手軽に高精度な計測ができる。使い方などはミツトヨのWebサイトに詳しく紹介されているので、興味のある方は見てほしい。

 ノギスが必要になるのは、定規などよりさらに高い精度で「この商品はコレに超ピッタリのサイズだろうか?」などを見極めたいとき、くらい。なので、多くのケースで、つまり「大きすぎず小さすぎずくらいだったらいいよ」的な精度なら、定規で済んでしまうことが多い。

 ただ、ノギスを使っていてたまーにスゲく役立つのは「デプスバー」と呼ばれるノギスの手前(?)部分にある棒状ツール。狭い穴などに入れて穴の深さを計測できる部分だが、定規だと入らないような幅狭の穴の深さを測るのに非常に便利である(というかそのためにあるのがデプスバー)。

ノギスのお尻(?)部分にあるデプスバー。狭い穴のような箇所に入れてその穴の深さを測るような用途に便利。

 ただ「デプスバーが役立った!」ということも、俺の場合はあまり多くない。「最後に役立ったのは……いつだったっけ?」くらいなので、これもまた、ネット通販ではあまり役立たないノギスならではの機能かもしれない。

 ともあれ、以上イロイロと挙げてきた「ネット通販利用時にあると便利なグッズたち」。既に使っている方にとっては「だよね~」だと思うが、まだの人は買い物の失敗を減らせる可能性があるので、ゼヒ!!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。