スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

REALFORCEの70%サイズキーボード「RC1」がスゲくイイっすマジで

 2024年10月11日に発表された東プレ「REALFORCE RC1 Keyboard」。現在絶賛販売中。

 東プレ「REALFORCE RC1 Keyboard」は、70%サイズ・レイアウトのコンパクトキーボードで、Bluetooth接続(4デバイスとペアリング可能)とUSB接続に対応したハイブリッドなキーボードだ。もちろん、キースイッチはほかのREALFORCEシリーズと同じ静電容量無接点方式スイッチ(東プレスイッチ)を採用している。

こちらは日本語配列版。キー荷重は30gと45gが用意されている。
こちらは英語配列版。こちらのキー荷重も30gと45gが用意されている。

 日本語配列版と英語配列版があり、それぞれにキー荷重30gと45g(こちらが標準的)が用意されている。合計で4モデルの「REALFORCE RC1 Keyboard」が発売され、価格はすべて3万5,860円。

 REALFORCEシリーズは非常に耐久性が高く打鍵感が良好で静音性も高いキーボード。業務用途から個人用途までスゲく幅広く活用されている。ド定番キーボードのひとつですな。

 REALFORCEシリーズ、これまではフルキーボードとテンキーレスキーボードしかなかったが、「REALFORCE RC1 Keyboard」は携帯可能なサイズのコンパクトキーボード。いよいよREALFORCEシリーズがモバイル領域への侵攻を始めたゼ!!! みたいな?

モバイルでREALFORCEが使えるようになった! モバイルでもあの打鍵感なんですよダンナ! モバイルでもガシガシと快適なテキスト入力ができるんですよ奥さん!

 この「REALFORCE RC1 Keyboard」、コンパクトでありながら、ファンクションキーなどはしっかり搭載。70%キーボードとかいうと「部分的に変態的な配列なキーボード」が多かったりするが、「REALFORCE RC1 Keyboard」の場合はそういうクセが非常に少ない配列になっている。

日本語配列版のキー配列。
英語配列版のキー配列。

 ……しかも、カーソルキー(方向キー/矢印キー/矢印キー)がけっこう使いやすそうな位置・サイズで搭載されているッ!!! 俺はカーソルキー必須人間。このサイズでカーソルキーがマトモなカタチで搭載されているのは超絶魅力的ッ!!!

 とか悶絶しそうになっていたら実機を試用する機会を得まくった!!! なのでさっそく使いまくった!!! ら!!! 「REALFORCE RC1 Keyboard」スゲくイイっすマジで。新しい扉が開かれてしまった気がするが、さておき、以下に鋭意レビューしてゆきたいッ!!!

東プレ「REALFORCE RC1 Keyboard」のおもなスペック。

文字キー最下段「mmズレ」の違和感あったが慣れ、打鍵感はまさにREALFORCE!

 REALFORCE RC1 Keyboard(以下、RC1)は、Windows向け配列のキーボード。Macユーザーの俺にとって、最下段のキーの並びに違和感がある。なので、世代新しめのREALFORCEキーボード各種のキーマッピングを変更できる純正アプリ「REALFORCE CONNECT」でちょちょっと変更。Macでも違和感なく使えるキーマッピングにした。

REALFORCEシリーズキーボードを細か〜くカスタマイズできる「REALFORCE CONNECT」アプリ。PC用アプリで、対応製品をUSB接続することでカスタマイズしていける。対応製品は、Windows版製品はREALFORCE R3 キーボード、GX1 キーボード、RC1 キーボード、R3S キーボード、RM1 マウス、R2、RGB、MOUSE。Mac 版製品は、REALFORCE R3 キーボード、RC1 キーボード、R3S キーボード、RM1 マウス、R2 for Mac、MOUSE。
キーマップは、下のキー機能一覧から機能をドラッグし、上のキーボードのキーにドロップすることで入れ替えられる。またカスタマイズしたキーマップはキーボード本体のメモリに書き込み、以降はどのマシンでもそのキーマップが適用される。キーボードには4つのキーマップを記憶させることができ、キーボードショートカットで切り換えられる。
APCも「REALFORCE CONNECT」アプリで設定・カスタマイズできる。APCは各キースイッチのオン位置(キーを押して反応するまでの深さ)を調整できる機能だ。

 そしてMac StudioにBluetooth接続してタイピング。あら〜これぞREALFORCEっていう打鍵感! さっきまで使っていた「REALFORCE R3 KEYBOARD Mac 配列 / R3HH21」とは、打鍵音がちょっと違うが、もう全然違和感ナーイ! 快適!

 ちなみに、RC1は4台のデバイスとBluetoothペアリングでき、キーボードショートカットで接続先を切り換えられる。加えてUSB接続も可能で、USB接続にするかBluetooth接続にするかもキーボードショートカットで切り換えられる。5台のデバイスに対し、1台のRC1を自由&クイックにつなぎかえて入力できるというわけだ。

現在も使用中の「REALFORCE R3 KEYBOARD Mac 配列 / R3HH21」。Mac向けテンキーレスキーボードで、USB接続でもBluetooth接続でも使える。俺のなかでは最高のMac用キーボードだ。

 やっぱREALFORCEはいいニャ〜、もう流れるように打てるし、打つ心地よさがあるっつーか……あれぇ? なんかタイプミスが多めだなぁ……ていうか指先へのキートップの当たりかたが、いつものMac向けテンキーレスREALFORCEと違う? んんん?

 そう思っていつものテンキーレスとRC1を見比べたら……あ! これか! これが違和感の原因か!

俺がいつも使っているテンキーレスREALFORCEとRC1のキー配列。撮影角度がわずかに違うので、微妙にキーサイズが違って見えるが、実際の文字キーなどはどちらも同じサイズだ。
上が普通のREALFORCEのキー並び。下はRC1のキー並び。ASDF……の行と、ZXCV……の行の位置関係が違うことがわかる。

 つまりRC1のZXCV……行は、普通のキーボードよりも数ミリ左に寄っているのだ。2〜3ミリくらい?

 これはたぶん、カーソルキーをどうにか収めるべく、同時にコンパクトにすべくという、設計者の苦肉の策なのだろう。このズレがあるからタッチタイピングできないってほどでもないので、メーカー側も「ここまでならギリギリ許容範囲だろう」的に決定したズレなのだろうと思う。

 ただ、数十分タイプしていたら完全に慣れ、タイプ時に指の腹にヘンな感触があるとか、ミスタイプが多いということはほぼなくなった。俺的にはギリセーフなZXCV……行の左ズレと言えよう。

 でも、もーしかすると、「ダメ、こういうズレ、絶対ダメ」って人もいるかもしれない。また世の中には「REALFORCEの打鍵感はあまり好きでない」という人もいる。なので、上記のキーのズレなども含めて、RC1は購入前にゼヒ実機に触れてみてタイプしてみてほしい。

 ちなみに、今回はキー荷重30gと45gをタイプし比べてもみた。重さが明らかに違うが、個人的には45gが(ほかのキーボードとも重さが近いという点も含めて)好みの打鍵感だった。また30gと45gでは打鍵音(というかキーが戻ったときの音)が違い、30gのほうが少し高い音で、45gのほうは落ち着いた音という印象。まあでもこのあたり、完全に個人の好みだと思う。

 また、RC1の重さは600g。フルキーやテンキーレスのREALFORCEよりずっと軽いが、机上でタイプしての安定感は十分だと感じられた。静音性も上々だと感じた。

マジこのカーソルキー、フツーにスゲく実用的で便利

 RC1のファンクションキー(F1~F12)について、「そうそう、キーボードにはファンクションキーが必須よ〜」と歓迎する人は少なくないと思う。だが俺の場合、キーボードにおけるファンクションキーは「あればあったで便利かなー」くらいの重要度だ。

 俺にとってキーボードに必須なキーは、まともなサイズ・位置関係のカーソルキーである。RC1にはファンクションキーに加えてカーソルキーも搭載されているが、RC1のカーソルキーはサイズと4つのキーの位置関係が非常に扱いやすい。

RC1日本語配列のキーレイアウト。
RC1英語配列のキーレイアウト。
RC1のカーソルキーは位置関係もキーサイズの健全! フルキーボードのカーソルキーとは位置が全然違うが、すぐ慣れて快適に使えるようになった。
こちらは使用中のREALFORCE Mac用テンキーレスキーボードのカーソルキー。RC1と同じ位置関係・サイズであり、しかも同じキースイッチで同じ打鍵感なので、どちらもすごーく使いやすい。

 やっべぃ! スゲい! こういうサイズのコンパクトキーボードにバッチリ使える実用的なカーソルキーがあると、俺はもう仕事も遊びもこのコンパクトキーボードで快適にこなせてしまう! こんどコレでモバイルしてゆきたいッ!!! 今回はモバイルするためのケースとかキーボードブリッジがないので、この先にぜひRC1モバイル・レビューをやってゆきたいッ!!!

あ……マウスが近い……近いとイイ……

 RC1に慣れてきたところで、「あーコレはいいかもー」と思った使用感がある。それはテンキーレスキーボードよりもさらに、マウスを右手の近くに置けるということ。

 タイプして、マウスでクリックしたり選んだりして、またタイプして……ということを繰り返してコンピュータを使うわけだが、右利きの人にとって、マウス、遠くないスか? 俺の場合、テンキーはほとんど使わない(多用するときは外付けテンキーを使う)というのもあって、テンキーレスキーボードを使ってマウスにすぐ手が届くようにしている。

使用中のREALFORCE Mac用テンキーレスキーボードとマウス。右手がマウスに近いので、少し腕を動かすだけでマウスを使える。

 RC1はテンキーレスキーボードのカーソルキーがあるエリアもナイ。なので、さらにマウスと右手が近い。これが思ったより快適なのであった。

RC1の場合、キーボードのすぐ横にマウスを置ける。なので、ちょっと手首を動かせばマウスを操作できるという感覚になる。

 これは便利。トラックポイント的なものとかタッチパッド的なものだと、キーボードに指を置いたままマウスポインターを扱えるので、より効率的ではある。だが、それらのポインティングデバイスは、マウスほどの正確さスピーディーさはないように感じられる。

 たとえば俺の場合、マウスによりPhotoshopをかなり自在に扱えて塗ったり描いたりもできるが、トラックポイント的なものやタッチパッド的なものだと無理のまた無理。そんな便利なマウスが、RC1だとより扱いやすくなるので、マジ便利だなぁ、と。

ここが気になる、ここは気にならない

 RC1発表時、キーボードの写真を見ていて「これはどうなのかなぁ」と気になった部分は多かった。たとえば右側の「Shiftキー」。これは小さすぎるのでは、と。

文字キーと同じ大きさのShiftキー。えぇ〜、これどうなのぉ〜?

 とは思ったのだが、全然問題なかった。というのは、俺の場合は右のShiftキーをほとんど押下しないのであった。RC1を使うまでは意識していなかったが、「えーっ俺って右Shift全然触ってないんだー」と気付いた感じ。

 同様に、最下段左右のCtrlキーも全然押していない。なので、これらのキーも右Shiftキーも大きさがどうであろうと、なんならナシでも、問題ない俺なのであった。

 RC1の「Deleteキー」や「Backspaceキー」の位置は、「よさげ」と思ったが、とても良いと感じられた。「Escキー」も同様。サイズも独立感もよくて扱いやすいのだ。

「Deleteキー」や「Backspaceキー」も健全な位置とサイズだなー、とか思った。
「Escキー」もイイ感じ。真下にチルダがあって落ち着く。

 それから、ほかのREALFORCEシリーズがUSB給電もしくは乾電池で動作するのに対して、RC1は内蔵バッテリーで使う。一瞬「電池の寿命がRC1の寿命?」とか思ったものの、REALFORCEの公式Xにて「REALFORCE RC1 コンパクトキーボードのバッテリー寿命を気にされているお客様もいらっしゃるかと思いますが、バッテリーの交換サービスも実施する予定となっておりますのでご検討を宜しくお願い致します!」という発言があったので、「ですよねー東プレですもんねー」と安心した。

 なお、内蔵電池はリチウムイオン電池で、USB充電できる。内蔵電池だと軽さやコンパクトさに寄与できるし、モバイルバッテリーで充電できるから、RC1の仕様としては正しいかもなー、と思った。

 非常に気にしていたのがキーの色。装飾キーはダークグレーに黒刻印。文字キーなどはライトグレーに黒刻印。暗い所だとキートップやキー手前の刻印が見えにくそう〜、と危惧していた。

RC1のキートップ色はこんな感じ。ライトグレーに黒刻印はだいたい見えるが、ダークグレーに黒刻印は……視認性低っ!
Fnキーと同時押しで機能するキーは、キー手前側面にその機能が刻印されている。

 結果、やっぱり見づらい。ライトグレーに黒刻印の文字キーなどはそこそこ視認性があるが、装飾キーは本が読める明るさでも刻印の視認性がかなり低い。なお、東プレが言っているライトグレーはけっこう濃いグレーで、ダークグレーは黒に近い色だと感じられる。

 まあ装飾キーは指が覚えちゃうキーなので刻印の視認性が高い必要はあまりない。だがキー手前のFnキーと同時押しで機能する刻印が見にくいと、こういう機能圧縮型キーボードの機能性をスムーズに引き出せないよなー、と思う。

 ただ、RC1用のカラーキーキャップが発売されていて、それを使えば視認性問題をかなり改善できるように思う。

楽天やAmazonでRC1用のカラーキーキャップやキースペーサーが発売された。

 というわけで、かなり気に入れた東プレ「REALFORCE RC1 Keyboard」。これでモバイルしてみたいゼぇ〜!!! とか思って手持ちのM3 MacBook Air 13インチに乗せてみたら……あら〜RC1のゴム脚がMacBookのキーボード押しちゃう〜。じゃあキーボードブリッジ使うし! あとモバイルするから傷付き防止のケースも使うし! ということで現在それらを調達中。近々モバイルでRC1を使ってどんな感じなのかを検証して、モバイルRC1レビューをやってゆきたいッ!!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。