本日の一品

キーボードを常に綺麗に保つお掃除ブラシを買ってみた

 パソコンやスマホ、タブレットなどのパーソナル情報機器は年と共に増加し、その多くはほとんど毎日のように人が操作することで自然と汚れてくるものだ。別に今さら始まったことではなく、古くからあるオーディオ機器や腕時計のような精密機器も同様だ。

 今回は、人が最も操作する機会が多そうなアイテム、そして少し放置すれば、すぐに塵や埃がつき、汗や油のついた指で触れてしまい、なかなか取れない汚れになることが多いキーボードの汚れを未然に防ぐアイテムを探してみた。

 三日坊主になることの多い筆者は、過去に秋葉原に買い物に行ったついでにキーボードブラシと称されるツールを買ったことがあり、今も使っている。

 手元に残っているのは、毛足の長い赤毛のデッキブラシのようなモノとキーボードだけではなくスマホや腕時計、イヤホン、ディスプレイなどのお掃除にも対応している十徳ナイフのようなアイテムの2種類だ。

両端が以前から使っているキーボードお掃除ブラシ 中央の2個は今回購入

 いずれもキーボードの清掃をウリにはしているが、それだけに特化しているわけではない。毛はいずれも化学合成品で、毛足は長く細く、ソフトなタイプであることが共通している。

 今回、購入した2つのキーボードクリーナーは、いずれも動物の毛を使用し、本体はウッド製の商品だ。

 最初にご紹介するキーボードブラシはキーボードメーカーであるダイヤテックが、FILCOブランドで販売している「キーボードブラシ」だ。毛足は30㎜と長く、馬毛100%のブラシだ。FILCOブランドだけあってストロークの深いメカニカルキーのキー間の溝に深く入った埃などをかき出しやすい長さで、少しテンションのある多少硬い毛だ。

 メインのデスクトップパソコン用キーボードとして、FILCOのパームレストと合体しているTEX Shura(Cherry緑軸)キーボードのお掃除は、ほとんどこれを使っている。

 本体である木部のサイズも幅40㎜、高さ30㎜とコンパクトサイズでポケットにもペンケースにも収納可能サイズでモビリティ度はなかなか高い。

 個人的にFILCOブランドのキーボードブラシは30㎜の毛足はメカニカル式キーボードには極めて有効だ。

 ただ、昨今よく目にする、薄くてもタイピングの良さを発揮できるモバイルパソコンなどのパンタグラフ式キーボードのクリーニングに対しては、その毛足の長さを多少軟弱に感じてしまう。たまにしかお掃除しない筆者のようなユーザの場合、キートップとキートップの隙間のゴミが固定化した汚れを取り除きにくいのだ。

 パンタグラフ式キーボードにもスムースに対応できるお掃除ブラシは、毛足2.0cm(山羊毛)と、より毛足の短い1.0cm(豚毛)の2つのブラシがコンビネーションされたレデッカー(REDECKER)の「ノートPCブラシ」という製品が良い。レデッカーは、ドイツに本社を置き、世界中にさまざまな日常生活用品を提供する1935年創業の老舗メーカーだ。

 「ノートPCブラシ」は、毛足の長さと素材の違う2つのブラシをネジで一体化させたお掃除ブラシだ。2つのブラシを180度広げると長さは約13cmだが、折りたたむと約7.5cmとコンパクトサイズ。木部を含む全体サイズは折り畳み時で厚さ約2cm、高さ約4.5cmとそれほど大きくなく携帯にも便利だ。

 毛足が2㎝と少し長く柔らかな山羊毛(白色)の方はメカニカルキーボードの深い溝やディスプレイ画面などのクリーニングに向いている。そして毛足が1㎝と短く少しハードな豚毛(黒色)の方は多少頑固にキーボードにこびりついた埃にも対応できる。なのでキートップ間に深い溝の無いモバイルPCなどのパンタグラフキーボードにも最適だ。

 筆者のメインキーボードは、前述したように台湾TEXのチェリーMXキースイッチ(緑軸)を使用したメカニカルキーボード。FILCOの3㎝タイプ(馬毛)でも、レデッカーの2㎝(山羊毛)でも、操作性や機能に問題はなかった。

 毛長の山羊毛を使用する場合は、レデッカーの「ノートPCブラシ」を折りたたんだままでも問題なく使える。

 一方、「ThinkPad X1」などのパンタグラフキーボードのモバイル系デバイスの場合、明らかに毛長(3㎝)のFILCOやレデッカー社の「ノートPCブラシ」のソフトで長い(2㎝)ブラシよりもレデッカー社の短く(1㎝)ハードな豚毛(黒色)の方が適していると感じた。

 注意点は、毛足の長短に関わらず、ブラシから毛が抜けること。強い力でゴシゴシやると、パンタグラフキーボードのキートップとフレームのタイトな隙間に毛が落ち込んでしまうこともある。

 キーボードの内部に入り込んだゴミやうっかり清掃中に落ちてしまった毛などを取り除く場合は、メカニカルキーボードなら分解対応もできるが、パンタグラフキーボードはキーキャップの取り外しが面倒なモノもあるのでお薦めはしない。キーボードを上下逆さまにして、下からブラシを当てることで解決する場合も多いだろう。

 キーボードクリーニング用のデバイスやツールがいろいろ登場してきている昨今だが一番大事なことはデバイスやツールの多少の優劣よりも毎日こまめにお掃除することがキーボードをいつまでも快適に保つ最善の策だ。

 修理以外で滅多に交換することないモバイルPCのパンタグラフキーボードや高級なメカニカルキーボードなら、普段のお掃除やお手入れにキーボードブラシが加わることでキーボードメンテナンスはパーフェクトだろう。一方、チープなメンブレンキーボードなどの場合はキーボード本体を買い替えた方が安そうだ。

商品購入価格
FILCO キーボードブラシヨドバシ・ドット・コム1100円
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