スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」
5000円程度で「スマホの小物撮影クオリティ」を格上げする方法
2022年2月14日 00:00
いまどきのiPhoneなら記事掲載用写真もシッカリ撮れるが……
最近の俺はWeb記事掲載用写真をiPhoneで撮ったりしている。以前はキヤノン「EOS 5Ds R」などのプロ系機材で撮っていたが、最近では「この被写体ならiPhoneでイケる」と思った場合はiPhoneで撮影。それほど、いまどきのiPhoneは画質が向上していると感じる。
どんな感じの製品写真を撮れるのか? 実際に何枚か見てみよう。なお、以下の写真は撮影後にレタッチなどを加えている。
最近ではiPhoneやiPadで記事の原稿の下書きを(音声入力で)したり、下書き中にiPhoneで商品撮影をしたり。
まあでも「EOS 5Ds R」で撮ることがまだまだ多く、原稿を仕上げるのはMac。
でも近い未来、もしかしたらデスクトップPCやレンズ交換式デジカメに代わってスマートフォンやタブレットが主な仕事道具になるのかも? とかマジメに思う2022年の俺は「まさかこうなるとは」感で満タンなのであった。
いや、写真については実際にデジタルカメラ専用機を使う機会が減りつつ、スマートフォンのカメラで済んでいるというケースも多い。たとえば先日のe-bike記事のためのロケ。e-bikeで初日の出を見に行こう的な記事である。
この記事内の多くの写真はスマートフォンで撮っているが、日の出の写真を撮影していて「あら〜いまどきのスマートフォンってやっぱり凄い〜」と思い知らされた。
スマートフォンのカメラがどんどんデジタルカメラ専用機の活躍領域に入り込んでいる感じ。まあでもソレはソレで大いにアリですな。写真撮影の可能性が広がっているわけだし。
とか思うと同時に「iPhone 13 Pro Maxでの商品撮影をもっと高画質化してゆきたい!!!」とも思う俺。そしてここ数カ月、iPhone 13 Pro Maxでの商品撮影の高画質化にチャレンジしているのであった。
10インチのLEDリングライトと少々の機材が、現在の俺的結論
商品撮影がけっこー好きだったりする俺の場合、より高画質な撮影結果が得られたりするとヒジョーに嬉しい。そんな趣味性もあり、あれこれと高画質化にチャレンジした。主にはライティング(被写体へ光を当てること)の最適化である。
ちなみに撮影場所は仕事場で、仕事場の天井照明は長い棒状LEDライトの光を天井に当てている間接照明だ。部屋全体に光がまわり、影の出かたも弱めという、もともと撮影には適した環境である。だが、上の写真のように改めてライティングを行うと、撮れる写真が全然違ってくるのであった。
ということで、ライティングにはかなり凝った。デスクライトを複数使ったり、棒状LEDライトで被写体を囲むようにして照らしたり。だが、凝れば凝るほど、結局は「あーっ面倒!」ということに。
まあ、撮影準備に時間がかかって、せっかくの「iPhoneでの手軽な撮影」に面倒が絡みついてくるわけですな。iPhoneで撮るためのライティングという手間もあり、早晩「これならEOS 5Ds Rといつものライティング機材を使って撮ったほうが手っ取り早いな」と思うに至るのであった。
でもまだアレを試してなかったな、と思い当たる方法が。大きめのLEDリングライトを使ってのライティングだ。3年ほど前に試してなかなかイイ感じだったが、画質の良いiPhone 13 Pro Maxと大きめのLEDリングライトを組み合わせたら非常にイイのでは?
比較的に小さな被写体限定の撮影方法ではあるが、ライティングの光源とiPhoneが合体しており、iPhoneのカメラが向いた方向にいつも均等に光が当たる。ので、ライティングの手間がほぼない。また、LEDリングライトは直径10インチと大きめなので、被写体へ当たる光がムラになりにくいし、違和感のある影も出にくい。
その後もいろいろな小物を上記LEDリングライトとiPhoneで撮ってみたが、いや〜お手軽。iPhone 13 Pro Maxだと、ある程度光量不足でも画質的に破綻しにくく、以前にLEDリングライト&スマートフォンで撮影したときよりずっといい結果が出まくった。そしてこの撮影方法が、現在の俺的結論となった。
そっか。これで良かったのか。遠回りしてしまった。最初に試せばよかったゼ!!!
5000円くらいで作れるiPhoneブツ撮りシステム
さて、俺的結論となった機材っていうか撮影システムをご紹介。使っているのは、3000円前後で買えるLEDリングライト(直径約10インチ)、1000円前後で買えるマジックアーム、1000円くらいで買えるスマートフォンホルダーだ。以下、どんな撮影システムなのか写真とともに見ていこう。
撮影時はLEDリングライトのアームが付いている箇所の外側などを持つ。まあLEDリングライトのLED部分を握っちゃっても大丈夫だが。写り込みや影を抑えて後のレタッチ処理を少なくできるという点で、iPhoneのカメラレンズがなるべくLEDリングライト中央にくるようにセットするほうが重要だと思う。
手間なしで被写体を均等に照らせるのが便利
上記の撮影システムっていうか撮影道具を使い、実際に小物を撮影した写真を見ていこう。写真はそれぞれ、LEDライトオフで撮影(リサイズのみ)、LEDライトオンで撮影(リサイズのみ)、LEDライトオンで撮ったうえにキレイに見えるようレタッチしたもの。
前述のとおり、これらの写真を撮影した場所は仕事場で、仕事場の天井照明は長い棒状LEDライトの光を天井に当てている間接照明。なので、LEDリングライトの撮影道具を使わなくても、天井に1つだけ照明があるような一般的な部屋よりはかなりキレイに写真が撮れる。だがLEDリングライトの撮影道具を使うと上のとおり、大きく異なる見え方で撮れるようになる。
撮影も簡単で、LEDリングライトの電源を入れ、被写体の見せたい部分を中心に光がうまく当たるようにしてシャッターを切るだけ。照明器具とカメラ(スマートフォン)を別々に操作しなくても、だ〜いたいキレイなライティングになり、非常にラクなのだ。
+αの小道具で写真をよりキレイ&確実に
LEDリングライトの撮影道具を、三脚などに固定して使うと、あれこれと新しいメリットが生まれる。たとえばカメラクリップ。
それから、場合によってはトレース台が効果を発揮することがある。トレース台は光る机のようなもので、線画などを文字通りトレース(描き写す)ときに使う道具。ライトテーブルとも呼ばれる。
てな感じのiPhoneによる商品撮影。まあiPhoneに限らず幅広くスマートフォンでの撮影に応用できるモノと方法であり、コンパクトデジタルカメラにも使える方法だ。もっとキレイに小物撮影したい〜(けど面倒なのはイヤ)と考えているなら、ぜひお試しあれ♪