スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

キーボードに傾斜を加えて快適化するグッズ色々

傾斜イマイチのメカニカルキーボード「Keychron K1」を使いやすくするッ!!!

キーボードの傾斜を増して快適性を高めるグッズ各種

 本連載の前回分で扱ったワイヤレス・メカニカルキーボード「Keychron K1」。Mac/Windows両対応、無線/有線両対応、打鍵感良好、フルキー/テンキーレスあり、日本語配列/英語配列あり、キースイッチ選択可能、そしてmacOSで使うとメディアキーに加えてスクリーンショットキーまである、けっこう突出した仕様のキーボードなのであった。が、キーボード自体に傾斜が少なく、な〜んか打ちにくい

ワイヤレス・メカニカルキーボード「Keychron K1」のテンキーレス/英語配列モデル。とりわけmacOS用キーボードとしてはスペック的に抜け目ナシって感じの優良キーボードだと感じられるが、キーボード自体の傾斜が非常に少なく、キーが真上を向いて並んでいるって感じなので、俺的にはけっこう耐え難い使用感となった。傾斜を調節する脚などもない。雑誌かなんかで傾きを調節すればイキナリすっご〜く使いやすくなるんですけどネ

 ん〜微妙。ということで、結局いったんは死蔵したKeychron K1だったが、3台の端末とBluetooth接続できるし、薄いので立てかけて置けるし、macOS/iOS/iPadOSで使えるスクリーンショットキーもあるし、やっぱり汎用Bluetoothキーボードとして活用したいなあ、と。そうだよ>俺!!! 単にKeychron K1に適切な傾斜を付ければいいだけじゃん>俺!!!

 そこでKeychron K1に傾斜を付けるための「脚」をあれこれ試してみた。今回はそれらグッズについてレビューしてみたい。

常用キーボード「REALFORCE for Mac TKL」の使用感に近づけたい

 俺が現在メインで使っているキーボードは東プレ「REALFORCE TKL for Mac」。2019年末の発売と同時に購入して使った瞬間惚れ込みつつ予備にもう1台買ったほど、俺的にはサイコーに使いやすいキーボードなのである。

東プレ「REALFORCE TKL for Mac」。静電容量無接点方式キースイッチを採用したmacOS向けテンキーレスキーボードで、接続タイプはUSB。合計8種類がラインナップされていて、写真は「REALFORCE TKL SA for Mac/R2TLSA-US3M-WH」。実勢価格は2万5000円前後を中心としてけっこう値幅がある

 ↑コレをサイコーのキーボードだと感じているんだが、しかしながら接続タイプがUSB。末長く使うキーボードとしては良い仕様だとは思うが、iOSやiPadOSのデバイスと接続するには変換アダプターが要るなど一手間かかる。

 でもKeychron K1なら(REALFORCEとは打鍵感は全然違うが)Mac以外のAppleデバイスと無線接続して使うに好適だろ絶対!!! と思い、Keychron K1傾斜UP作戦実行というわけである。

 さて、どんな角度にすればいいのかな? 使用中のREALFORCEの角度と合わせればいいのだろうか? 机面からキートップまでの高さとかも使い勝手を左右すると予想されるが……。まあ実際にKeychron K1を傾斜させてタイプしてイイ感じだったら、その角度がイイってことになるので、あれこれ試していこう。

Keychron(左)とREALFORCE(右)を比べてみた。REALFORCEは脚を立てた状態で常用している。机面からキートップまでの高さを比較すると、数字キー列の高さはKeychronが約25mmでREALFORCEが約45mm。スペースキー列の高さはKeychronが約20mmでREALFORCEが約27mm

 で、まずはノートPCの下に置いて使う脚を試した。本来の目的はノートPCの下部に空間を設けて放熱性を高めたり、ノートPCの画面位置やキーボード角度を調節することで快適性を高めるというもの。Amazonで売られていたAIYUJIWUブランド品で、お値段は1998円だった。

AIYUJIWUブランドのノートPCスタンド。2個セットの高さ調節可能な脚で、本体をひねると無段階で高さ(25mm〜35mm)を変えられる。素材はアルミとシリコーンっぽい滑り止め。グレーの滑り止めが見えるのが机面に当たる側で、このグレーの面にはマグネットが仕込まれていて、携帯時は合体させられる
Keychronの後方にセットしてみた。このノートPCスタンドは25mm〜35mmの間で高さを調節できるが、キーボード裏面のどこを支えるかにより、これより幅広く高さを調節できる。実測では、数字キー列高さを約39〜44mmに、スペースキー列高さを約20〜21mmに調節できた

 いいじゃんいいじゃん!!! 俺の場合、このノートPCスタンドを最低の高さにし、Keychron K1後方背面のエッジ近くを支えると快適に使える傾斜となった。REALFORCEの傾斜とは異なるが、Keychronだとこの傾斜がイイ感じ。

 よっしゃコレだゼ!!! このノートPCスタンドとKeychron K1の組み合わせで汎用していくゼ!!! とは思ったが、すぐに少々の面倒を発見した。

 このノートPCスタンドの場合、使うたびに机上の適切な位置に置く必要がある。適切でない位置だとイマイチな使用感の傾斜となる。またそれ以前に、片方のスタンドがズレた位置にあると、キーボードがガタつくのであった。たぶんノートPCで使っても同様の面倒を感じると思う。てなわけで毎日の常用には向かない感じ。

やはり貼るタイプがイイ

 今度はキーボード専用品。Amazonで売られていたHotline gamesブランド品で、キーボードの底面に貼って使える「キーボードの傾斜を増すための専用スタンド」である。1480円で購入した。

Hotline gamesブランドのキーボード用スタンド。2個セットの高さ調節可能な樹脂製の脚で、キーボード背面に貼り付けて使う。机上に接する部分には滑り止めがある。本体をひねると無段階で高さ調節可能(実測で19.5mm〜25mm)。キーボード裏面ひ貼り付けた台座部分と脚部分は分離でき、キーボード携帯時などに脚の突起をなくすことができる
このキーボードスタンドは19.5mm〜25mmくらいの間で高さ調節できる。多くのケースでキーボード後方裏面端に貼ると思うが、Keychron K1の後方裏面端に貼った場合、数字キー列高さを約39〜44mmに、スペースキー列高さを約20〜21mmに調節できた。あら〜前出のノートPCスタンドと同じ調整幅!

 コチラはさらにイイですな〜♪ 使うたびに脚を置く位置を調節、みたいな手間がない。あと一度調節してしまえば、ガタつくことはまずない。

 俺の場合、このキーボードスタンドを最も低い位置にした状態で、Keychron K1が最も使いやすくなった。Keychron K1の奥を約2cm上げただけで、使用感が大きく一変したのであった。

「ESC Flip Keyboard Stand」もかな〜り実用的♪

 GPG2の「ESC Flip Keyboard Stand」も使ってみた。わりとメジャーなキーボードスタンドなので、目にしたことがある方が多いかもしれない。Amazonで2480円で購入した。

GPG2の「ESC Flip Keyboard Stand」もキーボード裏面に貼るタイプのキーボードスタンド。貼り剥がしは比較的に容易。これを貼ることで、キーボードの高さを3段階にUPさせることができる
2つの高さの脚がたたまれている。貼って脚をたためばキーボード高さを15mm増せて、それぞれの脚を開けば27mm、38mmに高さをUPできる。Keychron K1の後方裏面端に貼った場合、数字キー列高さを約35mm、 44mm、52mmに、スペースキー列高さを約21mmに調節できた
こんな感じでKeychron K1に貼り付けた。キーボードに対してESC Flip Keyboard Standの幅が狭いように見えるが、テンキーレスキーボードということもあってか安定感は十分だ

 俺の場合、ESC Flip Keyboard Standを折りたたんだ状態で、Keychron K1の使用感が最も良かった。低い方の脚を開いた状態でもわりと使いやすく感じたが、低い方の脚を開くとKeychron K1の手前側の滑り止めが浮いてしまい、打鍵中にキーボードが前方に滑ってしまうことがある。コレは高い脚を開いた時でも同じだ。

 前出の2種類のスタンドでも、高さによってはキーボード底部の滑り止めが浮いてしまう。が、こういう「キーボードが前方に滑る問題」は起きなかった。たぶん、ESC Flip Keyboard Standの滑り止めが、前出2品と比べてやや滑りやすいからだと思われる。なお、Keychron K1の手前底面エッジに滑り止めを貼り付けたら、この問題は解消された。

 開く脚によっては打鍵中に滑る問題が出たりするものの、キーボード底面に非常にスッキリと貼り付けることができ、なかなかまとまりの良いESC Flip Keyboard Stand。貼り剥がしも容易なので、タブレット用やノートPC用として併用するのも現実的だという気がする。

もっと安いキーボードスタンド代替品×2品

 別ジャンルのグッズをKeychron K1に使ってみたら意外に良かったということも。ひとつはドアストッパーである。たぶん、HIKARIブランドのKDS-100Bという製品。1個100円くらいで買って、ドアストッパーとして使っていたものだ。

HIKARIブランドのKDS-100Bと思われるドアストッパー。開いたドアの下部に押し込んで、ドアが不意に閉まってしまわないようにするグッズだ
Keychron K1の傾斜調節に使ってみたら、キーボードの傾斜を僅かに増すことも、大きく増すこともできた。実測値では、数字キー列を約28〜44mmの範囲で調節できた。スペースキー列は約20mmのままだった

 ドアストッパー上面のギザギザが、Keychron K1底面前方エッジとちょうど噛み合って、イイ感じでキーボードが支えられる。キーボードの角度調整も行いやすい。また、滑りにくさもイイ感じ。まあ使うたびにセットする手間はあるものの、「とりあえずキーボード角度を安く調節したい」というならドアストッパーがいいかもしれない。↑コレとかホント1個100円とかそれ未満で買えたりするし。

 もうひとつ、さらに安く上がるかもしれないモノが。四角い木の棒である。↓こんなの。

木の棒。角材ですな。ヒノキの工作材で、サイズは900mm×20mm×10mm(を半分に切ったもの)。値段は200円とかだったような気がする。半分に切って……何に使ったか忘れた
1本を置いてみたら、あら〜ほぼちょうどいい〜♪
2本重ねてもイイ感じ〜♪

 木の棒をKeychron K1の下に置いた場合、高さをUPの実測値としては、数字キー列を約35mmと45mmに高められた。スペースキー列は約20mmのままだった。俺的には、1本でも2本重ねでも「Keychron K1が使いやすくなった」と感じられたが、1本の方がより使いやすいかな、という印象だ。

 また、木の棒に両面テープ貼って、それをKeychron K1の裏に貼っても悪くない使い心地なのであった。使うたびに木の棒を……という手間もない。

 ただ、木の棒をKeychron K1の裏に貼った場合、木の棒が机面に接するのが面ではなく線になってしまうので、やや前方に滑りやすい。貼った木の棒の底面に何か滑り止めを貼る方がいいかもしれない。

 って木の棒1本でKeychron K1傾斜足りない問題解消かよ!!! と自分ツッコミしつつも、我ながらなんだか脱力してしまったのであった。

 ともあれ、どの方法であれ、Keychron K1は適切な角度に傾けると、一気に使い勝手が良くなるキーボードであるように思う。ので、Keychron K1ユーザーの方はゼヒ♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。