スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

Macでワイヤレス・メカニカルキーボード「Keychron K1」を使う!!!

「おっ」と思わせる要素多々のBluetooth・メカニカルキーボード

Keychron「Keychron K1 Wireless Mechanical Keyboard」

 時間があるとつい「キーボード探しの旅」に出かけてしまう俺。旅っつってもネット空間を彷徨うバーチャルなヤツなんですけどネ。ともあれ、そんな旅をして最近「おっ」と思える要素が多々あったのがKeychron(キークロン)「Keychron K1 Wireless Mechanical Keyboard」という製品。USB接続とBluetooth接続に対応したキーボードで、日本国内では正規代理店コペックジャパン経由で技適通過済みの製品を購入できる。

 これを見つけた時、最初に「おっ」と思ったのは、「掃除がしやすそう」という点。キーを囲うフレームがないので、キーとキーの間にゴミが入っても手軽に掃き出せそうだと思ったのであった。いや〜キーボード、結局汚れるじゃないスか、キーとキーの間とかにホコリとかゴミとか入り込んじゃって。ソレの掃除がけっこう面倒。このキーボードなら掃除しやすそう〜と単純に思ったのであった。

金属板の上にキーを取り付けただけ的な構造なので、キーとキーの間にゴミが入っても掃除しやすそう〜♪

 掃除しやすそうなうえに、俺の好物であるテンキーレス。でもまぁどうせ配列が……と思ったら、んまっ!!! 英語配列も日本語配列もあってフルキーモデルとテンキーレスモデルがありつつ、まさかのmacOS用キートップ!!! しかもApple純正キーボードと同様のメディアキーまである!!! さらにメカニカルキー採用で端末との接続はUSBとBluetooth!!! ヤベぇ!!! とりあえず買うしかねぇッ!!!

Keychron K1のテンキーレス英語配列モデルを購入。1万4960円だった
macOS準拠のキー配列になっているが、Windows用交換キーも付属している。また、キーボードの動作モードは「macOS/iOS」と「Windows/Android」を切り替えられる

 てな感じでKeychron K1を購入。使ってみたらなかなかイイ感じだったので、以下、レビューしてゆきたいッ!!!

まずは掃除!!! 素晴らしく掃除しやすいゼっ!!!

 Keychron K1が届いてすぐ試したのは掃除。見るからに掃除しやすそうなキーボードだが、実際どうなのか? いつもの掃除方法で試してみた。

Keychron K1は、アルミ製の平らなベースの上にキースイッチとキーを装着したキーボード。キーの隙間に落ちたゴミやホコリを掃除しやすそうだ
キーを囲む枠もないので、ブラシなどでゴミを掃き出しやすそうである
実際にブラシで掃除。端から端までスッとブラシを通せば、キーが乗ったベースの端からゴミを掃き出せる。キーの外枠内側にゴミが残るようなこともなく、ヒッジョーにスッキリと掃除できる
掃除機のブラシノズルを使えばさらにスムーズ。周囲に落ちるゴミもなくなり、手軽に完璧なキーボード掃除ができる!!!
屋外ならエアダスターでキーボードのゴミを吹き飛ばすのもいいっスね〜
Keychron K1にはキーボードを完全にオフ状態にできるスイッチがある。キーボード掃除の前にオフにすれば、何かと手っ取り早く掃除できて好都合
付属のキートップ引き抜き工具を使えば、容易にキートップを外せる。キーボードベース部分を拭き掃除するのも比較的に手軽だ
Keychron K1にはRGBバックライト機能があり、キートップ文字部はLED光を透過する。いわゆる「ダブルショット(2色成型)キーキャップ」構造になっているので、酷使してもキートップも文字刻印が消える心配はない
これらは一般的なダブルショットキーキャップをカットして断面を見た様子。Keychron K1の場合、写真の青い樹脂の代わりに半透明の樹脂が使われており、キー底部からのLED光が透過し、キートップの文字が光るというわけだ

 ん〜非常に掃除しやすい!!! そしてダブルショットキーキャップなので、キートップの刻印が摩耗して消えることもない。キートップを外して丸洗いするにおいても安心。清潔に使い続けられるキーボードですな♪

てゅ〜かKeychron K1ってどんなキーボード?

 とりあえずキーボード掃除の話から入っちまったが、続いてKeychron K1の概要について。前述のとおり、フルキーとテンキーレスがあり、それぞれに日本語配列と英語配列が用意されている。出荷時はmacOS準拠の配列となっているが、付属のWindows向けキートップと交換して動作モードを切り替えることで、Windows用キーボードとして使うこともできる。

購入したのはKeychron K1の英語配列テンキーレスモデルで、キースイッチは赤軸
Keychron K1はテンキーレスモデルとフルキーモデルがあり、それぞれに日本語配列と英語配列が用意されている。出荷時のキートップ(キーキャップ)はmacOS準拠の刻印だが、Windowsで使うためのキートップも付属している
日本語配列と英語配列のそれぞれのキー配列
本体奥側は、中央がUSB-Cポート(充電および接続用)、奥から見て右側にスライドスイッチがある
左に見えるスイッチで接続方法(BluetoothかUSBか)や電源オフを切り替える。右に見えるスイッチで使用OS(Windows/AndroidもしくはmacOS/iOS)を切り替える。Bluetooth接続は端末3台までとペアリングでき、キーボード操作で接続先端末を切り替えて使用する。内蔵バッテリーは2000mAhリチウムポリマー電池で、Bluetooth(5.1)接続で使った場合の連続使用時間は、最大110時間/38時間(LED OFF時/LED ON時)となっている
Keychron K1のキースイッチは赤軸/青軸/茶軸の3種類が用意されている選べる。Gateron(ゲートロン)製のロープロファイルキースイッチを採用
それぞれのキーのスペック。ロープロファイルキースイッチは、一般的なメカニカルキースイッチよりストロークが短く、浅いタイプで入力できる

 といった感じ。日本国内で販売されているKeychron K1は、2サイズ(フルキー/テンキーレス)×2配列(日本語/英語)×3キースイッチ(赤軸/青軸/茶軸)で、合計12モデルが存在することになる。

 なお、日本国内販売の正規流通品は、全てRGBバックライト対応モデルのようだ。18種類以上のカラーエフェクト×4段階の明るさでキースイッチおよびキートップ刻印が光るというもの。正規代理店コペックジャパンの公式製品ページ内にRGBバックライトが点灯する動画があるが、演出用の派手な点灯から実用本位の点灯まで、さまざまなバリエーションを利用できる。

打鍵感も剛性感も良好だが……俺的には耐え難い要素ががが!!!

 さて肝心の打鍵感。選んだキースイッチはGateron赤軸ということで、リニアな押下感でありクリック音もしないという、3種の中では最も静かなスイッチとなる。ロープロファイルスイッチでストロークが短いということで、もしかしたら底付きしやすかったりする? と思ったが、そんなことはなく、まずまず快適に打鍵できた。

打鍵感はまずまず良好。俺としては「ふつーにイキナリ原稿を書き始められる打鍵感」であり、満足度は高い

 剛性感も十分ある。ガシガシと打鍵してもベース部が歪んだり机上で動いたりすることは一切ナシ。強くタイプしまくるユーザーであっても思いっ切り大胆にタイプできる感じだ。

 ただ、個人的には、なんかキー押下感が重めかな〜、と。赤軸/青軸/茶軸のうち赤軸はキー荷重が最も低くて、つまりは軽めで打てるキースイッチだ。が、ロープロファイルだからか、赤軸独特の軽快さが少し足りないような……そんな印象が残った。まあ、しばらく使うと「このキーボードの打鍵感はこういうもの」と慣れちゃうレベルだが。

 そして配列。macOSユーザーとしてはこの配列は素晴らしくナイスと感じられた。ヘンな配列はほぼないし、キートップ刻印のままメディアキーが使えて便利。そして「ins」キーの上にはスクリーンショットキーがあり、ひと押しで⌘+shift+4と同等のスクリーンショット動作になる。このスクリーンショットキーはiPhoneでも機能した。ほか、「fn」キーを押して使用中IM(文字入力システム)に切り替えることもできる。

メディアキーはApple純正キーボードと同じ。4つずつに分けられているので、Keychron K1の方が使いやすいかも?
カーソルキーも使いやすい。Apple純正キーボードのカーソルキーは微妙に変態配列だが、Keychron K1は非常にマトモ

 てな感じで、macOSで使うキーボード配列としてはほぼ理想的。Apple純正キーボードから乗り換えても大きな違和感はないと思う。Macで外付けのメカニカルキーボードを使いたいという人にもよく向きそうだ。

 とまあ総じて秀逸なキーボードではあるのだが、俺的には一点だけ、好めないし慣れにくい要素があった。実は購入後タイプしてすぐ「あ〜コレはなぁ……」と表情が曇った要素なのだが、キーボードの角度がほぼないこと。キーは奥に行くほど少々階段を上がるように段差がついてはいるが、大雑把に言って「全部ほとんど同じ高さで上を向いている」という並びなのだ。

こんな感じで、平らな感じでキーが上を向いている、角度がほとんどないキーボードなのであった。裏面に角度調節用の足などはない

 キーが平べったくて全部上向きでも、非常に薄いキーボードなら俺的にはフツーに使えると思う。のだが、キーボードやキーに若干の高さがありつつ、キーが平たく並んでいて上向きだと、やはり運指しづらいのであった。

 てゅ〜か、なんでこれ、高さ調節用の足とかナイの? ちょっとキーボードの奥側の高さが増せば、使用感もかなり良くなると思うんスけどね〜。たとえばキーボード奥側下に何か置いて……。

雑誌を置いてキーボードの角度を増してみた。ほらぁ〜これだけでかなりタイプしやすくなったし!!! つーか凄いなファミ通の厚みっていうか高さ。ともあれ、そういうことならずっとファミ通置いとけばいいのかな?

 そのまま使うのと、キーボード奥側の高さを少し増して使うのとでは、ぜ〜んぜん使用感が異なるKeychron K1だゼ、と、俺は強く感じた。ほんの1〜2cmキーボード奥側の高さを上げればヒッジョーに使いやすいキーボードになるのだが……。

 まあ頑張れば慣れられるとは思うのだが、雑誌1冊置いて高さ調節したら快適になることを知ると、「頑張って慣れるべきものなのか?」と疑問符が頭上に256個程度浮遊してしまう。まあ俺の場合だけかもしれないが、そのあたりにけっこークセがあるキーボードだと感じられたので、購入を考えるならじっくり吟味したり、できれば実機に触れてみてほしい。このクセ部分以外は、かな〜り秀逸だと感じられるんですけどネ。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。