スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

バイクの振動でスマートフォンのカメラが故障!? QUAD LOCKで予防だッ!!!

なんですとーっ!!! 衝撃吸収ダンパー付きスマートフォンホルダーですとっ!!!

 俺の最強に強まったモーターサイクルのバッテリーからスマートフォンにワイヤレス充電したい!!! そんなグッズはないものかーッ!!! と探していたら、ワイヤレス充電グッズよりインパクトのあるモノを発見。

 QUAD LOCK「VIBRATION DAMPENER」だ。ここ数年モーターサイクルライダーの間で懸念されている「バイクの振動によるスマートフォン内蔵カメラの故障」から、スマートフォンを守る振動吸収ダンパーである。

QUAD LOCKは、自転車やバイクなどにスマートフォンを装着するためのマウントシステム。多彩なマウントパーツおよび対応スマートフォンケースが発売されており、様々なスマートフォンをワンアクションで車体に装着できる。写真左の赤丸部分がQUAD LOCK(RAMマウントと組み合わせて使用中)。QUAD LOCK対応ケースに入れたスマートフォンを押し当てて45度回転させるだけで強固かつ安定的に固定できる
QUAD LOCKシステムで使えるパーツのひとつが「VIBRATION DAMPENER」。QUAD LOCKのベース部とホルダー部の間に入れ、車体などから伝わる振動を吸収する緩衝パーツだ

 QUAD LOCKはけっこう以前からあるマウントシステム。本連載バックナンバーでも取り上げている↓。

 近年、「AF機構やある種の手ブレ補正機構を持つスマートフォンをモーターサイクルのハンドル付近に装着していたらカメラが故障した!!!」といったトラブルが多いらしい。まあ言われてみれば、四六時中エンジンの振動を受けていたら、確かに繊細な動作をするAF機構あたりは壊れそう。

 そんな話を耳にするようになってから、スマートフォンをバイクや自転車に車載するのがな〜んか怖くなった俺。最強にサイコーな俺の最新iPhoneの高画質カメラがズギャンと故障しちまったら、最悪に最低な気分になること必至。ハンドル周辺にスマートフォンを固定していると何かと便利なのだが、そんな「故障の噂」を聞き、最近ではハンドル周辺へのスマートフォン固定は超必要時だけに限っている俺なのであった。

 ところが上記の衝撃吸収ダンパーを発見。これは良さそう♪ てなわけで早速購入して使ってみた。ので、以下にレビューを。……あ、冒頭で書いたワイヤレス充電グッズなんかも買ったので、それも以下にてレビュー♪

VIBRATION DAMPENERでカメラ故障の原因となる振動を防いでゆきたいッ!!!

 この「VIBRATION DAMPENER」は、前述のとおりQUAD LOCKシステムで使えるパーツのひとつ。価格は3080円。

 基本的にはモーターサイクル用で、既存のモーターサイクル向けQUAD LOCKマウントと組み合わせて使うことになる。VIBRATION DAMPENERと組み合わせ可能な既存マウントは、「クアッドロック ハンドルバーマウント」「クアッドロック ハンドルバーマウント V2」「クアッドロック フォークステムマウント」「クアッドロック ミラーマウント」「クアッドロック 1インチボールアダプター」となっている。

左から、クアッドロック ハンドルバーマウント V2、クアッドロック フォークステムマウント、クアッドロック ミラーマウント、クアッドロック 1インチボールアダプター。これらのマウントにVIBRATION DAMPENERを追加すると「衝撃吸収マウント」になる
例えばハンドルバーマウントの場合。台座側とマウントパーツ側の間にVIBRATION DAMPENERを追加するカタチ。他のマウントの場合もほぼ同様だ
VIBRATION DAMPENERを中心としたシステム図。けっこう幅広いパーツに対応している
これは1インチボールアダプターにVIBRATION DAMPENERを追加したもの。1インチボールアダプターは、別メーカーのマウントシステム「RAMマウント」上でQUAD LOCKシステムを使うための「RAM・QUAD合体用パーツ」みたいなものだ。既に車体側にRAMマウントを装着している場合、この1インチボールアダプター(とQUAD LOCK対応スマートフォンケース)を買えば、QUAD LOCKスタイルでスマートフォンを車載できるというわけだ

 QUAD LOCKもRAMマウントも、どちらも頑丈なマウントシステム。俺としても長い間使っているが、壊れませんな〜これらのパーツ。組み合わせて使っても安心な感じ。RAMマウントについては本連載バックナンバーでレビューしている↓。

 さて、VIBRATION DAMPENERを俺の最強に強まったモーターサイクルに装着。対応マウントであれば、VIBRATION DAMPENER付属の六角レンチを使って数分で「マウントにVIBRATION DAMPENERを追加」できる。作業として難しいことは特にナシって感じ。

前述の1インチボールアダプターにVIBRATION DAMPENERを追加。車体はヤマハのセロー250で、メーター上部にバーがあるモデル。そのバーにマウントをセットしている。QUAD LOCK対応ケース入りスマートフォンを45度に傾け、青いレバーがあるヘッドパーツに押し込み、45度傾ければスマートフォンの車載が完了

 容易にしっかりとスマートフォンを装着できるのは、まあいつものとおりのQUAD LOCKの使用感だ。ちょっと違うのは、VIBRATION DAMPENERによりスマートフォンがガッチリとは固定されなくなるところ。手で触れると上下左右へ僅かに揺れる感じだ。が、ほんの少しの揺れなので「いつものQUAD LOCKとはちょっと違うけど、スマートフォンが使いにくとかそういった違和感はない」という印象。

 セロー250は単気筒で振動が大きめなので、以前はマウントしたスマートフォンの画面がけっこうブレるように揺れた。VIBRATION DAMPENER装着後はどうか?

 期待してエンジンをかけてみると……あれ? ふつーに画面が揺れますな。まあVIBRATION DAMPENERの細部を見ると、衝撃を吸収するゴムのようなパーツは小さい。振れが大きめの振動は吸収してくれないのだろう。

 そのまま走り出してみると……あーなるほどっ♪ 回転数が上がるにつれて、スマートフォンの振動が抑えられるような感じ。以前はエンジンが吹き上がる瞬間に画面がけっこうブレブレだったが、VIBRATION DAMPENER装着後はソレがかなり抑えられている感じがする。

 走行中は画面をほぼ見ないので、VIBRATION DAMPENERによる画面の見やすさ云々より、走行中にバイクの振動がVIBRATION DAMPENERで吸収されることの安心感が大きい。これならスマートフォンのカメラが壊れる可能性がだいぶ下がったんじゃないかな、みたいな。

 VIBRATION DAMPENERの製品紹介ページにある「どの程度振動が抑制されるかを示す動画」が興味深い。振動の周波数がある程度高い、つまり小刻みな振動を吸収するような効果があるようだ。

 逆に、段差を通過した時のような単発の強い振動にはあまり効果を発揮しないVIBRATION DAMPENER。そういう状況だとスマートフォンはしっかりと衝撃を受ける。ただし、衝撃の瞬間にスマートフォンがVIBRATION DAMPENERによりフラフラと浮くような動きをするので、「やばっ今の衝撃でスマートフォンががが!!!」という不安はあまりない。小さいものの、スマートフォンがクッションで少し守られている感じがあって、これも故障の不安を抑えてくれる。

 俺の場合、VIBRATION DAMPENERを使い始めてまだ日が浅く、走った距離も40〜50km程度。そもそもバイクの振動でスマートフォンのカメラが壊れたという経験もないので、「VIBRATION DAMPENERのカメラ故障防止効果についてはよくわからない」というのが正直なところ。

 でもまあ目に見える「微細振動抑制効果」があり、VIBRATION DAMPENERが端末のクッションとなっていることははっきりわかる。そのあたりも含め、VIBRATION DAMPENERは「転ばぬ先の杖」的な、一応の予防と安心感獲得のためのパーツという印象が、今は強い。

Qi充電台になるホルダー「WEATHERPROOF WIRELESS CHARGING HEAD」

 冒頭で書いた、モーターサイクルのバッテリーからスマートフォンにワイヤレス充電したい件だが、QUAD LOCKの「WEATHERPROOF WIRELESS CHARGING HEAD」がヒッジョーに良さゲだったので購入した。Qi給電対応のスマートフォンホルダーである。価格は9790円。

WEATHERPROOF WIRELESS CHARGING HEADの表と裏。表側には直接QUAD LOCK対応ケースを装着できるが、車体側には別途何らかのQUAD LOCK製マウントパーツが必要になる
防水型のQi充電台となるホルダーで、5/7.5/10Wの高速充電に対応。裏面上部には電源スイッチがあり、Qi給電せずに使うこともできる。電源と付属専用ケーブルで接続することで防水性を発揮する。ケーブルは長さ50cmと150cmの2本が付属し、ケーブルの両端形状はUSB-A/USB-C

 スマートフォンをセットするだけで、Qi充電が行われるホルダーってわけですな。これは便利かも!!! ということで、けっこう高価であったが購入。早速使ってみることに。

前出の振動抑制ダンパーことVIBRATION DAMPENERの上に重ねるようにして、WEATHERPROOF WIRELESS CHARGING HEADを追加した
付属のUSBケーブルを使って車体既存のUSB給電ポートと接続した。通電すると青いランプが一時的に点灯するが、充電していない時は消灯する
QUAD LOCK対応ケースをセットするとフツーに充電された。なお、車体既存のUSB給電ポートは急速充電対応でないため、通常速度での充電だと思われる

 なかなか便利なWEATHERPROOF WIRELESS CHARGING HEAD。電源オンオフできるあたりもちょっとナイスな仕様である。後述の「ポンチョ」と組み合わせると、雨天でもスマートフォンは安心でありつつ、ワイヤレス充電まで行えるってのがけっこう先進的な感じだ。でもまあ、QUAD LOCK製品はそれぞれややお高めなので、あれこれ組み合わせていくとそこそこ値段が張っちゃうんですけどネ。

ポンチョもあるんだョ!!!

 最後に、以前から便利に使っている「RAIN COVER」を。別名レインポンチョ。QUAD LOCK対応ケースの上から被せる雨天用カバーだ。

QUAD LOCK「RAIN COVER」。これはiPhone 12 Pro Max用で3025円。iPhone 12は防水端末だが、このポンチョを被せるとケースとiPhoneの間に水や汚れが入り込まなくなってナニカと好都合。また、透明度は高いもののけっこう厚手なので、端末保護にも寄与する。ただし、ポンチョ装着状態だとカメラ画質が落ち、Face IDの認識率も下がる
QUAD LOCK対応ケースをマウントにセットしたままでもRAIN COVERを装着できる
は〜い、簡単♪ 不意の雨などにもすぐ対応可能だ

 このレインポンチョがいつ頃から存在しているのかイマイチよくわからないが、俺の場合はiPhone 11の時から使っている。雨避け効果も十分あると思うが、俺的にはどちらかと言えばiPhoneの汚れ防止や衝撃からの保護に使用中。iPhoneをQUAD LOCKケースとレインポンチョで覆うと、も〜絶対壊れない的な雰囲気でiPhoneを保護できるのであった。

 ただし、このレインポンチョ使用時にひとつご注意が。装着するとiPhoneの放熱性が下がるのだ。特にモーターサイクルで使う場合、暑い季節の直射日光下にてナビアプリを連続使用したりすると、温度警告の画面が表示されてしばらく使用不可能になることがある。

iPhoneが熱くなり過ぎると、こんなよーな警告が表示され、しばらく使用不能になることがある。こうなった時の対処法はApple公式サイトにある

 QUAD LOCKケースの内側背面にはスポンジ的なクッション素材が貼ってあり、そもそもこれによりiPhoneの放熱性能がやや下がっている感じだ。そこにレインポンチョが加わると、さらに……というわけである。

 冬場はいいんですけどネ。あと直射日光下じゃなければ大丈夫と思いますけどね。まあこのレインポンチョに限らず、スマートフォン全体を包むケース類は、端末の放熱を妨げになるのでご注意を。

 さておき、そんな感じのQUAD LOCK製品たち。モーターサイクルの人は、特に衝撃吸収マウントのVIBRATION DAMPENERをチェックしてみてほしい!!! 安心感高まりまっせ〜♪ スマートフォンのカメラが故障しなくなるかどうかは知らんけど。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。