スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

ケーブルを束ねる安くてキレイな6つの方法

ケーブルを束ねる安くてキレイな6つの方法

 誰もが携帯しているケーブル類。イヤホンのケーブルに充電用USBケーブルに接続ケーブル等々、モバイルな方のバッグにはいつも何本かケーブルが入っていると思います。

 でも、そういうケーブルって単にバッグに入れているだけだと、いつの間にか解けてグニャグニャ状態に。取り出そうとして引っ掛かったり、使用時にグネグネと歪んで使いにくかったり。やっぱりケーブルはキレイにマトメて持ち歩きたいですネ。ところで、そんなケーブルをどうやって「束ねて」いますか?

ケーブルはねじれないように丸め、結束グッズで束ねて携帯すると、見栄えも使用感もイイ感じ。
テキトーに丸めて携帯すると、バッグのなかで他のモノと絡まったり。見栄えも悪く、使いにくい状態になっちゃいます。

 てなコトで今回は、ケーブルを束ねる方法をいくつかご紹介したいと思います。市販グッズを使う方法、結束グッズを自作する方法などイロイロと。ポリシーとしては「なるべく安く」かつ「キレイに」という感じで。

左はケーブル類を束ねるための輪ゴム製品で、安価ながらも実用的。右はナイロン紐とストッパーを使った自作品で、ケーブルをしっかり束ねられます。
左はスパイラル状のシリコン素材製グッズを使った例。右は中心に針金が通ったラバーワイヤーでケーブルを束ねた例。

 なお、記事中に写っているケーブルはアップル純正の「Lightning - USBケーブル(1m)」です。ケーブル結束具との対比で、結束具の太さなどの参考にしてください。また、使用したグッズ類の価格は「参考価格」として記事中になるべく書き加えるようにしましたが、実売価格にかなり開きがあったりする製品も多いです。ので、購入時は販売価格をしっかりチェックしてください。

輪ゴムで束ねる

 まずは輪ゴムで束ねる方法。ケーブルなどを手軽に束ねられる製品があります。

 ひとつはオーバンドの「たばねバンド」(公式ページ)。直営ショップ価格は5本入りで税込162円ですが、1本あたりの価格がより安い缶入りなどもあります。

 もうひとつは、オーム電機の「たばねバンド 15本入」(公式ページ)。直営ショップ価格は税込237円。

オーバンドの「たばねバンド」。「引っ掛かる部分」と「つまむ部分」がある独自形状の輪ゴムです。ケーブルを輪ゴムで巻き、輪ゴムの端を「引っ掛かる部分」に掛ければ結束完了。解くときは「つまむ部分」を引っ張ればOKです。ちなみに写真のものは形状が一新された新型の「たばねバンド」です。
オーム電機の「たばねバンド 15本入」。オーバンドの旧型の「たばねバンド」と同じサイズ・形状です。使い方は同じ。

 どちらもカラフルで安価。筆者としてはオーバンドの新型「たばねバンド」の使用感がより良好だと感じられますが、まあどちらも便利。カラフルだしシンプルだし、さらに安価なので紛失しても悔しくないあたりもイイですネ。

 ただ、こういう製品は値段云々よりも「買いに行くのが面倒」と思う方が少なくないかもしれません。そこで、似たような使い勝手の「輪ゴムのケーブル結束グッズ」を自作する方法をご紹介します。

輪ゴムを2つ折りにし、両端をそれぞれ結んで輪をつくります。両端に小さめの輪と大きめの輪、中央に大きな輪ができます。
ケーブルを小さめの輪に通します。ケーブルを輪ゴムで巻き、ケーブル端を大きい輪に通せば結束完了。大きめの輪は解くときの引き手として使います。

 結んで輪をつくらなくても、輪ゴムの自らの輪に片側の輪を通すようにしてケーブルに直接結ぶとか、輪ゴム端にリング状の引き手を結ぶなどすれば、より手っ取り早く実用的な結束グッズを自作できます。

左はコネクタ端に直接輪ゴムを結んだ様子。右は、引き手としてワッシャーを結んだ様子。

 より大きな輪ゴムを使ったり、ゴム紐を使ったりすれば、太いケーブルなども結束できます。アイデア次第で単なる輪ゴムが実用的な結束グッズになりますので、アレコレ試してみると楽しいでしょう。

面ファスナーを使う

 それから面ファスナーテープ類を使う方法。これも定番ですネ。製品としてはも~多種多様にありますが、たとえばサンワサプライの「ケーブルタイ(面ファスナー) DK-KB3」(公式ページ)。15cmの面ファスナータイプの結束バンドが10本入って、税込400円前後で売られています。

サンワサプライの「ケーブルタイ(面ファスナー) DK-KB3」。ケーブルに固定的に装着できるバンドで、表と裏が面ファスナーでくっつくようになっています。

 これも自作できます。表と裏がくっつくタイプの面ファスナーテープがあればOK。テープとしては、3Mの「ワンタッチベルト」(公式ページ)やサンワサプライの「マジックバンド」(公式ページ)をはじめ、やはり多数あります。3mくらい巻かれていて300~500円くらいで買えます。

 つくりかたとしては、テープの端をケーブルに巻き付ければとりあえず完成。テープの表と裏がくっつくので、数cmをケーブルに巻き付ければそれで固定され、わりと実用的な結束バンドとして使えます。

 幅が12mm程度以上あるテープを使えば、より確実にケーブルに固定することができます。テープがケーブルから外れないように、単純にホッチキスで留めちゃうだけです。

3Mの「ワンタッチベルト」やサンワサプライの「マジックバンド」はテープの表と裏がくっつくタイプの面ファスナーテープです。ケーブル類の結束全般に汎用できます。
テープの端を何度かケーブルに巻き付ければ、とりあえず固定できます。ケーブルを丸めてテープを回せば結束完了。ただ、この方法だとケーブルからテープが外れることがあります。
テープをより安定的に固定するには、ホッチキスで留めればOK。一般的によく使われるホッチキス針(10号針)の幅は約8.4mmですので、ホッチキスを使う場合は幅12mm程度以上あるテープが扱いやすいと思います。

 こんなふうに簡単に自作できるわけですが、普通のホッチキスだとテープの向き的に留めにくいかもしれません。そんな場合はマックスの「ホッチくる HD-10V」(公式ページ)が便利だったりします。

化繊紐とストッパーを使う

 それから化繊の紐とストッパーを使った結束グッズの自作。作り方と使い方を写真で見てみましょう。

素材は太さ3mmの化繊紐(ポリエステル)とストッパー(コードロック)。紐はバンナイズの「バンナイズ紐」(公式ページ)で、ストッパーはニフコの「FCL2」(公式ページ)を使っています。「FCL2」はバンナイズからも購入できます。これら素材を組み合わせて写真のような結束具をつくります。
結束具でケーブルを包むようにしつつ、紐の輪にストッパーを通します。そしてキュッと絞れば結束完了。ほかの紐とストッパーの組合せでも同様のことができます。
結束具の紐の結び目がイヤという場合は、化繊紐の端が広がるように焼き留めて処理。ストッパーの穴よりも焼き留め部分が大きくなれば、ストッパーから化繊紐が抜けることはまずありません。写真は上のものと同じ「バンナイズ紐」+「FCL2」の組合せですが、結び目がなくなったことでよりシンプルな結束グッズができました。

 これ、かなり強くケーブルを結束できます。紐やストッパーは手芸店などで入手できると思います。自作も容易なのでぜひどうぞ。なお、ストッパーを使わず、紐だけでつくる方法もあります。

左のように、紐をループ状にして結び留めます。紐のコブをループに通すようにしてケーブルを巻き留めれば結束完了。ループのサイズをギリギリまで小さくすると、ケーブルを巻き留めた後でも解けにくくなります。

 この方法では、紐のコブの部分が「解け止め」の役割を果たします。ですので、ある程度太めの紐のほうがつくりやすいでしょう。太さ3mmくらいの化繊紐や、それよりやや太いパラコードだとつくりやすいと思います。

「Ω形状」のケーブルクリップ

 それから「Ω」のカタチをしたケーブルクリップ。サンワサプライの「ケーブルタイ」(公式ページ)やエレコムの「ケーブル結束クリップ LD-CCシリーズ」(公式ページ)などですが、これもシンプルにケーブルを束ねられて便利です。

「Ω型」という感じのケーブル結束具で、「クリップタイプ」とか「ツイストタイプ」と呼ばれているようです。
写真はサンワサプライの「ケーブルタイ(ツイスト) CA-TW08N」。25個入りで、300~400円くらいで売られています。リングの内側に最大10mmまでのケーブルが入るというサイズで、シリーズ中最小です。細めのケーブルには、このサイズがちょうど良いという印象です。

 シンプルで手軽に使えて、けっこー安価。なかなか良いケーブル結束グッズなんですが、小さなサイズの入手性があまり良くないのがやや残念です。また、使うサイズによっては「ケーブルをだいたい束ねる」といった大味な使用感になりますので、「ケーブルをキッチリとタイトにまとめたい」という用途には合わないかもしれません。

スパイラルチューブでまとめる

 スパイラル状に切り込みが入ったケーブル結束グッズ「スパイラルチューブ」も実用的です。ただ、USBケーブルなど細いケーブルを束ねる場合、内径が4mm~6mmくらいの細いタイプを使わないとフィットしにくいと思います。

写真はサンワサプライの「スパイラルチューブ」(公式ページ)。スパイラル状に切り込みが入ったチューブで、複数本のケーブルを巻きくるんで一本化するグッズです。内径4mmや6mmのものは、2mで300~400円で購入できます。
左は内径4mmのもの、右は内径6mmのものでの結束例。かなり広がるチューブですので、細めのものを使ったほうがタイトに結束できます。
チューブを長くカットしておけば、ケーブル全体を巻くように結束することもできます。長いケーブルの不要部分を巻いてコンパクトにし、短いケーブルとして使うこともできるというわけです。

 これも自作できちゃったりします。ホースの類に斜めに切り込みを入れるだけ。筆者は直径6mmのシリコンチューブをカットし、斜めに切り込みを入れて自作しましたが、柔らかさがあるのでケーブルに巻き付けやすく、フィット感も良好です。

放水用のシリコンチューブをカットし、斜めに切り込みを入れれば、スパイラルチューブを自作できます。シリコンなのでケーブルを巻き留める力が弱めですが、そのぶん巻きやすく外しやすく、なかなか便利です。ソフトで安定した素材なので、デリケートなケーブルを巻き留めるのにも向くと思われます。

 なお、自作に使った直径6mmのシリコンチューブは、ホームセンターの園芸コーナーで購入しました。確か1mで200円くらいだったと思います。

 また、シリコンのチューブに最初から斜めに切り込みが入った製品もあります。用途はケーブル結束と関係ありませんが、ケーブルを束ねることもできます。

トンボの「ippo! うずまきグリップ」(公式ページ)とSHO-BIの「マスク痛くない!」。前者は鉛筆に巻き付けて使う「鉛筆を正しく持つための補助具」で、後者はマスクの紐に巻いて使う「耳が痛くならないグッズ」です。どちらもスパイラル状のシリコンです。
こんな感じで、どちらの製品もケーブルを束ねる用途に使えます。「ippo! うずまきグリップ」はメーカー価格税別120円(4個入り)で定番的な製品で入手性は良好。「マスク痛くない!」は季節商品であるためか、現在は入手性があまり良くありません。

 スパイラルな感じのチューブ、いろいろあり自作もできるわけですが、最初の「スパイラルチューブ」や「放水用シリコンチューブでの自作」が気に入っています。長さが自在なので、ケーブル全体を包むような用途にも使えるからです。また比較的に価格も安価。巻いたり解いたりするのに一手間かかる感じはありますが、幅広く応用できます。

スチール芯材入りソフトワイヤー

 表面がソフトで自在に曲げることができ、ケーブルを束ねたりもできる……何と呼べばいいんでしょうか、そういう「繰り返し使えていろいろ束ねたりできる針金みたいなグッズ」があります。これもまた、ケーブルをまとめるのに便利に使えます。

 ひとつはUSTの「GEAR SNAKE」(公式ページ)。アウトドアショップなどで売られています。

USTの「GEAR SNAKE」。直径5mmのラバー素材で、芯材としてスチールのワイヤーが入っていますので、自由なカタチに曲げられます。ニッパーや頑丈めのハサミでカットして使います。ケーブルなどを束ねるのにもちょうど良い硬さ。オレンジとホワイト(夜光)があります。長さ約5.1m巻きで、日本では1000円弱で買えます。

 それから、ガーデニング用として売られている、同様の使い勝手の安価なワイヤーもあります。園芸用ということで、ワイヤーのカラーが限定的(その多くがグリーン)だったりしますが、5m巻きで300~600円くらいで買えるので、ケーブル結束グッズとしてのコストパフォーマンスは非常に高いです。

写真は高儀の「Sun Garden 誘引結束ソフトワイヤー」シリーズ。ホームセンターなどの園芸コーナーで売られています。やや硬めの芯材が入っていて、これもニッパーや頑丈めのハサミでカットして使用。このブランドだと、太さ2.5mmのものがケーブルを束ねるのにちょうど良い使用感ですが、3.5mmや5.0mmのものでも実用レベルです。300~600円で購入できます。

 こういった「芯材としてスチール針金が入ったソフトワイヤー」の類は、端(切り口)から針金が少し出ることがあり、そこに触れるとちょっと痛いというのが難点。ですが、その部分の針金を少しカットしたり、ソフト素材の端(針金が出たりする切り口)を軽く焼き留めたり、あるいは単に端を1cmくらい折り曲げたりすれば大丈夫。

 色がグリーンばかりという印象がありますが、じつは探すと薄グリーンがあったり、ブラウンがあったり、ブラックがあったり、太さもイロイロあったり。安価に使えるケーブル束ねグッズとして、なかなかナイスな存在ですので、ぜひ探してみてください。ネットでなら「園芸 ワイヤー ソフト」あたりをキーワードとして検索すると多数ヒットすると思います。

 てな感じの、安くそしてキレイにケーブルを束ねる6つの方法。モノは6個より多く登場しちゃいましたが、ケーブル携帯をより快適にするためのご参考になれば幸いです。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。