法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」
デュアルピクセルカメラで進化を遂げた「Galaxy S7 edge」
2016年5月30日 17:10
5月19日、NTTドコモとauからサムスン電子製のAndroidスマートフォン「Galaxy S7 edge」が発売された。今年2月に開催されたMobile World Congress 2016でグローバル向けに発表され、一部の国と地域では今年4月から販売が開始されていたが、国内向けには日本仕様を搭載した専用モデルが販売されることになった。従来のGalaxy S6 edgeのデュアルエッジスクリーンのデザインを継承しながら、防水防じんやデュアルピクセル技術を採用したカメラなど、さまざまな技術や機能を進化させた期待のモデルだ。筆者も実機を購入したので、レポートをお送りしよう。
「Rethink」もう一度、スマートフォンを考え直す
2010年10月にNTTドコモから国内向けにGALAXY S SC-02Bが発売されてから、早5年半。2008年にソフトバンクが販売を開始していたアップルのiPhoneを追う形で、国内メーカー製のスマートフォンと共に、GALAXYシリーズは着実に進化を遂げてきた。グローバルモデルとしての確固たる評価をベースに、国内市場のニーズに応え、Androidスマートフォンの定番的な存在として、安定した人気を得てきた。2011年11月にはXi対応端末の第1号機となる「GALAXY S II LTE SC-03D」、同年12月には初のAndroid 4.0搭載の「GALAXY NEXUS SC-04D」など、最新の技術やプラットフォームにいち早く対応するなど、グローバルモデルをベースにしているからこその先進性も高く評価されてきた。
しかし、ここ数年はスマートフォン市場全体が成熟し、ライバルメーカーの製品も競争力を付けてきたことなど、さまざまな要因が影響し、一時期ほどの勢いが感じられなくなったのも事実だ。
そんな中、昨年はシリーズ名の表記を「GALAXY」から「Galaxy」に改め、両面エッジデザインを採用したGalaxy S6/S6 edgeを発売し、市場を驚かせた。そして、今年はその流れを継承しながら、新たに防水防じんに対応し、新技術や新機能を凝縮した「Galaxy S7 edge」が国内でも発売された。ちなみに、グローバル向けにはフラットデザインのGalaxy S7がラインナップされているが、国内向けには両面エッジデザインのGalaxy S7 edgeのみが展開される。
サムスンでは今回のGalaxy S7 edgeは開発のテーマの1つとして、「Rethink」というキーワードを掲げている。これはスマートフォンをもう一度、一から考え直すこと意味しているという。スマートフォンを販売する世界中の企業には、スペックやデザインを重視するメーカーもあれば、自社サービスとの連携を重視するところもあるなど、さまざまな方向性を打ち出しているが、サムスンは端末メーカーとして、ハードウェアをしっかりと作り込み、モノとしての評価を高めることを狙って、今回のGalaxy S7 edgeの開発に取り組んだそうだ。
また、国内向けの取り組みとして、5月9日の発表直後から予約キャンペーンが開始され、予約して購入した人に対してはGalaxy S7 edgeを装着して、VRが体験できる「Gear VR」がもれなくプレゼントされる。これに加え、5月19日から6月9日まで、東京・大手町のKITTEのイベントスペースで「Galaxy Studio」と題された体験イベントが催されており、Galaxy S7 edgeの最新機能を利用したアトラクションをはじめ、Gear VRを装着し、映像に連動して椅子が動く「VR Theater」なども体験することができる。
発売直後の市場の反応も非常に良く、各キャリアショップでは発売初日、予約分の対応のみで在庫がなくなってしまうほどの盛況ぶりだったという。関係者によれば、発売日以降の問い合わせも多く、久しぶりに好調なすべり出しを実感しているそうだ。
約5.5インチでもスリムで持ちやすい
では、具体的にGalaxy S7 edgeの内容を見てみよう。まず、ボディのデザインだが、本体前面については従来のGalaxy S6 edgeの流れを受け継いだ両面エッジデザインを採用されている。写真で本体の正面だけを見ると、従来と同じものに見えてしまうかもしれないが、実はボディそのものはGalaxy S7 edgeの方がひと回り大きく、高さで約9mm、幅で約3mm、厚さで約0.7mmの差があり、重量も約26g増となっている。
ただ、このボディサイズが大きく感じるかというと、まったくそう感じさせない仕上がりとなっている。というのも従来のGalaxy S6 edgeは背面がフラットなデザインであったのに対し、今回のGalaxy S7 edgeは背面側も両端へ向けて、緩やかにカーブを描く形状となっており、手にフィットする持ちやすいデザインに仕上げられている。
また、Galaxy S7 edgeは約5.5インチのディスプレイを搭載しているが、ボディ幅とディスプレイサイズの関係で比較すると、他機種に比べて、スリムでコンパクトであることがよくわかる。たとえば、Galaxy S7 edgeの約73mmというボディ幅に近いのは、Xperia Z5の約72mm、Nexus 5Xの約73mmで、いずれの機種もディスプレイサイズは約5.2インチに留まっている。一方、約5.5インチのディスプレイを搭載した機種のボディ幅と比較してみると、Xperia Z5 Premiumが約76mm、iPhone 6s Plusが約77.9mmと、3~5mm近くの差がある。一般的に、ディスプレイの大きさは持ちやすさに影響すると言われるが、スペックで比較しても実際に手にしてみてもGalaxy S7 edgeは大画面でも持ちやすいバランスに仕上げているという印象だ。ちなみに、この画面サイズで指が届きにくいというユーザーのタメに、ホームキーを3連続で押すことで、一時的に表示を縮小する機能も用意されている。
ボディ外観のレイアウトはサイズこそ違うものの、基本的には従来のGalaxy S6 edgeの流れを踏襲している。本体前面の下の部分に指紋認証センサーを内蔵したホームキー、その左右にタッチセンサーを利用した履歴キーとバックキー、ディスプレイの上の部分に内側カメラ受話口、右側面に電源/画面ロックキー、左側面に音量UP/DOWNキー、底面にヘッドホン接続端子とmicroUSB外部接続端子、背面に外部カメラとフラッシュライトを備える。
本体はIPX5/IPX8の防水、IP6Xの防じんに対応する。Galaxy Sシリーズの防水としては、GALAXY S5以来になるが、国内向けのGalaxy Active Neoなども含め、サムスンとしても防水対応端末を手がけてきており、そのノウハウがフラッグシップに活かされた形となる。ちなみに、底面のmicroUSBポートはキャップレス防水だが、端子に水滴が付いていることを検知できるしくみも取り入れられ、水濡れ時の充電による故障を防ぐようにしているという。
本体上部側にはトレイをさし込むタイプのnanoUIMカード/microSDカードスロットを備える。Galaxy S6/S6 edgeではmicroSDメモリーカード非対応で、国内だけでなく、グローバル市場でもかなり不評だったこともあり、今回は最大200GBまでのmicroSDXCカードに対応する。ちなみに、1つのトレイにSIMカードとmicroSDメモリーカードが載せられているため、microSDメモリーカードを抜き差しするとき、SIMカードもいっしょに抜かれたことになり、再起動がかかってしまうので、注意が必要だ。この再起動がかかる現象は、国内の携帯電話ネットワークの仕様に基づくものだ。
ボディカラーはNTTドコモ、au共に、ブラックオニキス、ホワイトパール、ピンクゴールドの3色がラインナップされており、グローバルモデル発表時にあったGold PlatinumとSilver Titaniumは国内で販売されない。ちなみに、ピンクゴールドはグローバルモデルの発表時に含まれいなかったが、日本と韓国で発売されることになり、その他の国と地域でも販売が検討されているという。
本体にはこのクラスのスマートフォンでは最大級とも言える3600mAhの大容量バッテリーを搭載する。まだ実使用時間はあまり長くないが、容量が大きいだけに、バッテリー残量の減りは緩やかで、安心して使うことができそうな印象だ。充電は底面のmicroUSB外部接続端子を使ったQucik Charge 2.0対応の高速充電が利用でき、約110分でフル充電が可能だ。
これに加え、Qi対応のワイヤレス充電にも対応する。ワイヤレス充電についてはかつてNTTドコモが「おくだけ充電」と銘打って、積極的に対応製品を販売していたが、その後は対応製品が少なくなり、一部のワイヤレス充電器の生産が終了していたが、従来モデルのGalaxy S6/S6 edgeなどが対応していたこともあり、ここに来て、再びワイヤレス充電器のラインナップも増えてきている。中でもUSB給電のトレイタイプの製品は1000~2000円程度で購入可能で、人気を集めている。ワイヤレス充電は有線の高速充電に比べ、充電に時間がかかるが、本体を置くだけで充電できる手軽さは魅力であり、従来に比べ、充電時間も短縮されているので、ユーザーは購入を検討してみるといいだろう。
通信環境については、LTE/3G/GSMネットワークに対応し、NTTドコモ向けのGalaxy S7 edge SC-02Hが受信時最大375Mbps、au向けのGalaxy S7 edge SCV33が受信時最大370Mbpsの高速通信が利用できる。Wi-FiはIEEE802.11a/b/g/n/acに対応し、Bluetooth 4.2にも対応する。CPUはNTTドコモとauの製品情報に記載がないが、クアルコム製のSnapdragon 820 MSM8996 クアッドコア(2.2GHz/1.6GHz)を搭載し、メモリーはRAM 4GB、ROM 32GBで構成される。発熱については初期設定時に通信や処理が多数、発生するため、一時的に背面が熱を持つが、通常利用についてはまったく問題なく、純正及びサードパーティ製カバーを装着した状態でも安定して利用できている。グローバルモデル発表時に明らかにされたが、導管に純水を封入したヒートパイプによる冷却機構が十分に機能しているのだろう。
F1.7レンズとデュアルピクセル技術カメラ
今回のGalaxy S7 edgeで、1つ注目されるのがカメラの仕上がりだろう。カタログなどにも『一眼レフカメラ技術を搭載』などと書かれており、気になるところだ。
まず、カメラのスペックは、1220万画素のイメージセンサー、F値1.7のレンズで構成されている。レンズについては従来のGalaxy S6 edgeがF値1.9だったため、明るさは約25%向上したことになるが、イメージセンサーは従来のGalaxy S6 edgeは1600万画素であり、最近のスマートフォンの中では標準的なレベルに抑えられたように見える。しかし、Galaxy S7 edgeに搭載されているイメージセンサーは、デュアルピクセル技術を搭載したもので、他のイメージセンサーと画素数などで単純に比較できない面がある。
現在、スマートフォンのカメラに搭載されるイメージセンサーは位相差オートフォーカースに対応するため、イメージセンサー内に位相差センサーが組み込まれている。しかし、位相差センサーは画素全体の1%程度となっている。これに対し、デュアルピクセル技術はイメージセンサーの画素を2つのフォトダイオードで構成し、それぞれのフォトダイオードが取り込んだ光の信号を検出し、位相差オートフォーカスを機能させる。そのため、すべての画素が位相差センサーとしての役割を果たすことになり、従来の一般的な位相差オートフォーカスよりも高速にピントを合わせることができる。このデュアルピクセル技術を採用したイメージセンサーは、キヤノンの一眼レフカメラ「EOS 70D」などに搭載されているため、サムスンとしては『一眼レフカメラ技術を搭載』と表記しているわけだ。これらに加え、ピクセル受光面積は従来モデルの1.1μmから56%UPとなる1.4μmとなったため、トータルで従来のGalaxy S6 edgeに比べ、約2倍の明るさを実現している。実際にいくつかのシチュエーションで撮影を試してみたが、Galaxy S7 edgeのカメラは謳い文句通り、暗いところでもピントが早く合い、ノイズの少ない美しい写真を撮影することが可能だった。
少し話は脱線するが、スマートフォンに搭載されるカメラは、年々、性能が向上し、各社とも高画質な撮影が可能になったことを謳っている。もちろん、Galaxyシリーズも同様だが、スマートフォンのカメラに求められる画質は、デジタルカメラに求められるものとは少し違うと考えている。たとえば、デジタルカメラの作例のように、旅先の美しい景観などを撮影できることは好ましいが、正直なところ、そういったシーンで撮影した写真は、機種ごとの差がなかなか見えにくい。これに対し、明確に機種間の差が見えてくるのが室内での人物や食事などを撮影したときだ。スマートフォンのカメラに搭載されるイメージセンサーはデジタルカメラのものよりも小さく、取り込める光の量が限られているため、暗いところで撮影しようとすると、どうしても感度を上げる必要があり、結果的にノイズが増えてしまう。デジタルカメラのノウハウを活かした高画質を謳いながら、レストランなどの少し暗めのシーンで撮影すると、周囲がノイズばかりの写真になってしまう機種もあるくらいだ。
ところが、最近ではごく一部の機種で、こうした問題をクリアし、人間の見た目よりも明るく撮影できる機種が登場してきており、個人的にはそちらがスマートフォンのカメラの今後のトレンドになるだろうと見ている。今回のGalaxy S7 edgeも従来モデルと比べ、約2倍の明るさで撮影できるとしているが、実際に撮ってみると、同じように人間の見た目よりも明るく撮影できる方向に進化を遂げており、室内でもストレスなく撮影を楽しむことができるという印象だ。
カメラの機能については、ホームボタンの2度押しによる0.7秒での起動、インカメラでのジェスチャー撮影、4K動画の撮影、シャッター押下の3秒前から撮影して、決定的瞬間を撮影できるモーションフォト、サブカメラ撮影時の美顔モード、自分撮り時にディスプレイをフラッシュとして使う自分撮りフラッシュなどの機能も備える。
両面エッジデザインを活かすユーザビリティ
約5.5インチのディスプレイを搭載しながら、両面エッジデザインにより、スリムなボディに仕上げているGalaxy S7 edgeだが、エッジスクリーンを活かす機能も搭載されている。
まず、ディスプレイのスペックだが、対角サイズが約5.5インチで、2560×1440ドット表示が可能なQuad HD対応SuperAMOLED(有機EL)を採用する。表面はCorning製Gorilla Glass 4が採用されており、キズが付きにくい。ただ、両側面が湾曲しているため、保護フィルムなどを貼る場合は難しいので注意が必要だ。以前は中央部分のみを保護するタイプが中心だったが、最近ではあらかじめ両端を湾曲させた保護フィルムなども販売されている。
ところで、有機ELディスプレイは自ら発光するため、バックライトが不要で端末の薄型化に貢献でき、色鮮やかで明るく、視認性に優れるという特徴を持つ。その半面、古くは色味のバランスが悪かったり、連続表示時の画面の焼き付きなどがデメリットとして指摘されてきた。発色についてはこの2~3年でかなり改善され、むしろ色鮮やかさが際立ち、液晶ディスプレイ以上に美しい映像を表示できるという評価もあるくらいだ。長時間表示のリスクについては軽減されてきたものの、他製品も含め、省電力機能で表示をオフにするなどの対策がとられてきた。
今回のGalaxy S7 edgeではこうした有機ELディスプレイの弱点とも言われてきた部分を覆す「Always On Display」という機能が搭載されている。その名の通り、時計などを常時表示しようという機能だ。スマートフォンを利用していると、時刻や通知などを確認するために、頻繁に電源キーを押したりして、画面表示をONに切り替えるが、有機ELディスプレイであれ、液晶ディスプレイであれ、その都度、システムをスリープから復帰させ、基本的には画面を点灯させている。サムスンではその回数よりも常時、有機ELディスプレイを点灯させ、時刻などを表示した方がいいと考え、今回のAlways On Displayという機能が実装されたという。画面の焼き付き防止については、一定間隔で表示を切り替えることで防いでおり、日時やカレンダー、画像などを表示することが可能だ。
Always On Displayの初期設定時はOFFだが、実際に設定して使ってみたところ、最初のうちはこれまでの修正でスリープを解除するために電源キーを押してしまうものの、すぐに慣れ、画面を見るだけで時刻を確認できるようになった。ただ、オプションのCLEAR VIEW COVERなどを装着すると、カバーの開閉に応じて、Always On Displayの表示が無効になるので、どちらかと言えば、手帳型カバーを使わない人向けの機能と言えそうだ。ちなみに、純正のアクセサリーは国内向けに窓付きカバーのS VIEW COVER、クリアタイプのCLEAR VIEW COVERが販売されているが、グローバル向けに販売されているLED内蔵のLED VIEW COVERは国内向けモデルで動作しないので、注意が必要だ。
ディスプレイ関係のもう1つの機能として、従来のGalaxy S6 edgeやGALAXY Note Edgeから継承されてきたエッジスクリーンも進化を遂げている。エッジスクリーンの内、メイン画面がオンのとき、画面右上(左上に変更可能)のエッジスクリーン部分を内側にドラッグすると表示されるのが「エッジパネル」だ。従来は親しい友だちや家族などの連絡先を登録する「People edge」が重視されていたが、今回のバージョンでは表示エリアが拡がり、アプリ、連絡先などがすぐに呼び出することができ、天気予報やニュースを表示したり、コンパスや定規、ライトが使えるクイックツール、Sプランナーなども表示できるようにしている。追加コンテンツも有料のものと無料のものが提供されており、自分のスタイルに合わせて、カスタマイズすることが可能だ。
この他にもメイン画面の表示がオフのとき、エッジスクリーンに沿って、スワイプすると不在着信などの情報が表示される「エッジフィード」、ディスプレイを下向きに置いたときにエッジスクリーンの光り方で誰からの着信なのかがわかるEdge lightingなどの機能も搭載される。
触ることが楽しいワクワク感いっぱいのGalaxy S7 edge
さて、最後にNTTドコモとauから発売されたGalaxy S7 edgeの買いのポイントについて、考えてみよう。
冒頭でも触れたように、サムスンは今回のGalaxy S7 edgeを開発するテーマとして、「Rethink」というキーワードを掲げている。もう一度、スマートフォンを考え直すという意味だが、もう少しかみ砕いて解釈すると、ユーザーにとって、便利なスマートフォン、使いやすいスマートフォンはどういうものなのかを最初から見直したという意味なのだろう。今回、NTTドコモとauから発売された国内向けモデルを実際に触ってみると、その「Rethink」のコンセプトが随所に活き、非常に使いやすく楽しいスマートフォンに進化を遂げたという印象だ。デュアルエッジスクリーンをはじめ、ベースとなるものは昨年のGalaxy S6 edgeでも実現されていたが、今回は日本のユーザーには要求されることが多い防水防じんをはじめ、薄暗いところでもすぐにピントを合わせ、明るく撮影ができるデュアルピクセル技術によるカメラ、microSDXCメモリーカードの対応、Always On Displayなどの新機能も搭載したSuperAMOLEDの5.5インチディスプレイなど、より便利に、より使いやすくなるように、しかりと作り込まれている。元々、Galaxy Sシリーズは触って楽しい端末という印象を持っていたが、今回は一段とその楽しさが増し、今まで以上にワクワクする端末に仕上がっているという印象だ。
価格面については両社ともオンラインショップの通常価格が9万円台に設定され、月々サポートなどの割引を適用しても実質負担額が5万円程度になってしまう。海外で販売されているグローバル向けモデルが日本円換算で8万円台であることを考えると、ワンセグ/フルセグやおサイフケータイなどのカスタマイズがあるとは言え、携帯電話会社はもう少し通常価格を抑えられるのではないかという気もする。
また、Galaxy S7 edge発売と前後するタイミングで、昨年、国内向けに発売されたGalaxy S6/S6 edgeのAndroid 6.0(Marshmallow)へのバージョンアップが始まっており、新しいプラットフォームを求めるだけなら、そちらを使い続けるという手も考えられそうだ。ただ、防水防じんやカメラなど、実用面に大きく影響するハードウェアの違いもあり、この際、従来モデルの売却を前提に買い替えてしまうのも悪くない選択だろう。
今回のレビューではGalaxy S7 edgeのごく基本的な機能を中心に説明したが、これまでGalaxyシリーズを試したことがあるユーザーなら、よくご存知のように、Galaxyシリーズにはさまざまな便利な機能が搭載され、「Sプランナー」や「S-Health」など、実用的な独自アプリが豊富に提供されている。機会があれば、これらの部分についてもいずれ取り上げたいが、こうした独自機能や独自アプリもGalaxyシリーズを持つ楽しみを後押しするものだ。ぜひ一度、店頭でデモ機を手に取り、Galaxy S7 edgeの楽しさを見つけていただきたい。