三井公一の「スマホカメラでブラブラ」
「iPhone 18 Pro」のカメラをチェック 念願の「可変絞り」とAIがもたらす新たな表現力とは
2026年9月30日 00:00
今年もアップル「iPhone」の新製品が登場した。今秋はスタンダードモデルの投入が見送られ、ハイエンド機の「iPhone 18 Pro」と「iPhone 18 Pro Max」、そして10月発売となる同社初の折りたたみモデル「iPhone Duo」というラインナップだ。
今回はその中から「iPhone 18 Pro」をレビューしたい。なお端末の詳細や価格、スペックなどは、本誌別記事を参照いただきたい。
待望の「可変絞り」を搭載した48MPメインカメラ
「iPhone 18 Pro」のカメラシステムにおける最大のトピックは、メインカメラ(48MP Fusionカメラ)に採用された「可変絞り」だ。ついにiPhoneでも、ソフトウェアの擬似的な処理ではなく、物理的な絞りのコントロールが可能になった。ちなみにAndroid機では数年前にいくつかの機種で実現していた機能だ。
6枚のレーザーカットブレードと新設計のローター機構により、絞り値を4段階(ƒ/1.48、ƒ/1.8、ƒ/2.8、ƒ/4.0)で切り替えることができる。
デフォルトの24MP記録やProRAWでの48MP記録に対応しつつ、ƒ/1.48まで開けば光を多く取り込み、暗所でのノイズを抑えるとともに自然なボケ味を得られる。逆にƒ/4.0まで絞れば、手前から奥までピントが合う範囲が広がるため、料理のテーブルフォトや集合写真などで威力を発揮する。
超広角カメラと望遠カメラは、昨年の「iPhone 17 Pro」から引き続き48MPセンサーを搭載している。望遠カメラは光学4倍(100mm相当)に加え、センサー中央部をクロップすることで光学品質の8倍(200mm相当)ズームを実現。
3つのアウトカメラすべてが48MP化された強固なベースに、メインカメラの可変絞りが加わることで、カメラとしての完成度がさらに熟成された形だ。
A20 ProチップによるAI処理の進化と「リファレンスモード」
ハードウェアの進化だけでなく、「A20 Pro」チップがもたらすコンピュテーショナルフォトグラフィー(AI処理)も刷新された。写真の解像感や細部のディテール表現が向上しており、これ見よがしな補正感のない、より自然なトーンが得られるようになっている。
今回注目したいのが新搭載の「リファレンスモード」だ。近年、生成AIによる画像編集が当たり前になる中で、アップルは「写真の真実性」に切り込んできた。このモードで撮影すると、48MPセンサーが捉えた全ピクセルデータに署名が付与され、アップルの「Private Cloud Compute」を介して改ざん不可能な「デジタルネガ(Apple Reference Image)」が生成される。
写真アプリ上で「撮影後に改変されていないオリジナル写真であること」を証明できるのだ。報道などの用途においては、非常に意義深い機能だと言える。
アウトカメラのスペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メインカメラ | 解像度:48MP、焦点距離:24mm(1倍)/48mm(2倍クロップ)、絞り値:f/1.48~f/4.0(可変絞り)、手ぶれ補正:第2世代センサーシフト光学式手ぶれ補正 |
| 超広角カメラ | 解像度:48MP、機能:マクロ撮影対応 |
| 望遠カメラ | 解像度:48MP、焦点距離(光学):100mm(4倍)、焦点距離(クロップ):200mm(8倍光学品質ズーム)、絞り値:f/2.8、手ぶれ補正:3Dセンサーシフト光学式手ぶれ補正+オートフォーカス |
「iPhone 18 Pro」各カメラ描写はいかに?
それぞれの写る範囲はこのとおり。どのカメラもiPhoneらしい優等生的な写りだ。発色は好みもあるがやや暖かみを感じられる。
撮影画面は従来とほぼ変わりはないが、新たに呼び出せる「Proコントロール」が搭載され、ヒストグラムを見ながらシャッタースピードやホワイトバランスを手動で調整できるようになった。
ここで話題の絞りやホワイトバランスの設定が可能だ。設定項目が多く使いづらいので戸惑うかもしれないが、マニュアル志向のユーザーには嬉しい進化だ。よく使う機能は上部に登録できる。ホワイトバランスもようやく純正カメラアプリで調整できるようになった。
話題の絞りも4段階で設定できる。とはいえセンサーが小さいのでフルサイズミラーレスカメラなどと比較してはいけない。絞ることによって光条の出方を楽しむのがいいだろう。
ボケ感を出すには被写体に寄り、背景と距離を取ることがキモになる。話題の絞りも4段階で設定できる。とはいえセンサーが小さいのでフルサイズミラーレスカメラなどと比較してはいけない。絞ることによって光条の出方を楽しむのがいいだろう。ボケ感を出すには被写体に寄り、背景と距離を取ることがキモになる。
「iPhone 18 Pro」でブラブラ実写スナップ
ブラブラと「iPhone 18 Pro」を持ち出してフォトウォークしてみた。近ごろは雨続きでなかなか晴天のカットが撮影できず残念だ。
この端末を手にしてあちらこちらを撮り歩いたが、先代モデルとほとんど変化がないので新機種という高揚感が皆無であった。新たな機能を呼び出せる「Proコントロール」を使わなければ、以前のモデルと大差なく撮影が楽しめる最新型「iPhone」に仕上がっている。
「iPhone 18 Pro」まとめ
全カメラ48MPの強固な土台の上に、ついにメインカメラに「可変絞り」が搭載され、光量と被写界深度を物理的にコントロールできるようになった。
先行するカメラ機能をウリにしているAndroid機群にようやく肩を並べる形になった。 A20 ProによるAI処理の底上げによって「iPhone 18 Pro」は、光学とコンピュテーショナルの両面から、スマホカメラとしての表現力と信頼性を新たなステージへと引き上げた感じだ。
気になる点も多い。点光源に対するフレアやゴーストの発生は劇的に改善されていないのだ。撮影時に留意することが依然として必要である。
一昨年から導入された「カメラコントロール」だが、相変わらず使いこなすには慣れが必要だと感じた(もっぱらカメラの起動にしか使っていない)。
また新機能を呼び出せる「Proコントロール」もとっさの時に使いづらい。上部に好みの機能を割り当てられるが、急場しのぎで実装した感がある。設定を変更してシャッターを切るまでのリズムが崩れるのだ。往年のアップルらしいエレガントな使い心地を提案してほしい。
とはいえ、ポケットから取り出して誰でも気軽に、かつキレイなスナップ撮影を楽しめるカメラに仕上がっていることは間違いない。かなり高価なスマートフォンになってしまったが、二世代前からの機種変更には価値を感じられるかもしれない。
































