みんなのケータイ
auは2015年夏モデルから「データお預かり」でデータ移行
【AQUOS SERIE SHV32】
法林岳之
(2015/7/23 06:00)
各社の夏モデルもひと通り出揃い、このタイミングで機種変更の時期を迎えた人はおそらく手続きを済ませたはず。ボク自身もメインで利用しているNTTドコモ、au、ソフトバンクの機種は機種変更を済ませ、その他に興味があったり、仕事的に機種変更しなきゃいけないものも順次、機種変更をしている。毎シーズンのことながら、出費がイタい。
機種変更をしてみると、いろんなことがわかるもので、今夏も「そういや、そうでしたね」って思ったことがひとつあったので、今回はその話を……。
機種変更をするとき、大事なのが電話帳(連絡先)やメールデータの引き継ぎ。ケータイ時代は赤外線通信が活躍していたけど、スマートフォンになってからはアプリもあるし、連絡先などは「Gmailの連絡先を同期するから、何もしないよ」なんていう人もいる。メールもGmailについては、同じGoogleアカウントを設定するだけなので、何もしないけど、キャリアメールについてはちょっと各社で事情が異なる。
NTTドコモについてはご存知の通り、クラウドベースのドコモメールに移行し、ローカルに保存されているメールもクラウドにアップロードできるようになったので、ドコモメール対応機種であれば、機種変更をしてもそのまま、クラウドに保存されているメールデータを継続利用できる。最近ではフォルダへの振分け条件もクラウドで管理されるようになり、かなり扱いやすくなった。
これに対し、ちょっと面倒なのがauやソフトバンク。いずれも元の機種でmicroSDカードなどにメールデータをバックアップし、新しい機種で復元するという手続きをする。auの「Eメール」、ソフトバンクの「SoftBankメール」のアプリで、いずれもバックアップと復元ができるんだけど、auの場合、これとは別に従来から「auバックアップアプリ」というアプリを提供していて、メールだけでなく、アドレス帳やブックマーク、設定などもバックアップして、機種変更後に新しい機種に簡単に復元できた。
ところが、auは2015年夏モデル向けでは「auバックアップアプリ」が提供されなくなっており、au Marketからもダウンロードできなくなっている。つまり、前の機種でmicroSDメモリーカードにバックアップしておいたけど、機種変更後に復元する術がない?
なぜ、こんなことになっているのかというと、auが今夏からバックアップアプリの環境を「データお預かりアプリ」に移行しているためだ。「じゃあ、前の機種で、データお預かりアプリをダウンロードして、バックアップし直さなきゃいけないの?」って考えてしまいそうだけど、実はauバックアップアプリでバックアップしたデータは、データお預かりアプリでも扱えるとのこと。
このデータお預かりアプリについては、本誌でも4月に記事を掲載していたんだけど、すっかり忘れていて、機種変更を済ませた後、「あれ~? 新機種でauバックアップアプリがダウンロードできないじゃん!」って困ってたら、ネットで検索して、「そういや、そうでしたね」と思い出した次第。
とりあえず、データは無事に移行できたんだけど、欲を言えば、auにはもうちょっと配慮が欲しかったところ。なぜなら、auバックアップアプリの後継として、データお預かりアプリが提供されていることはまだ周知されていないし、auショップでも告知されていない。2015年夏モデルから環境が置き換わるなら、夏モデルのパッケージに告知の紙を一枚入れるとか、2015年夏モデルの初期設定画面で表示するとか、従来のauバックアップアプリの画面に「2015年夏モデル以降は『データお預かりアプリ』に移行するよ」なんて表示してくれるとか、もうひと押しの周知が欲しかった気がします。ボクらは頻繁に機種変更するからいいけど、普通のユーザーは2年に一回くらいのペースなんだから、もうちょっとストレスなく機種変更できるように、しっかりと情報提供をお願いしたいところです。
ところで、まったくの余談ですが、今回の原稿は当初、本誌の「au網のMVNOでもiPhoneが使える? IIJの報告に他社MVNOは」を受けて、「SIMフリー版iPad Air 2でmineoのSIMカードが使えた!」って話を準備していたのですが、そのネタは昨日、白根雅彦氏が書いてしまったので、急遽、ネタの変更をしました(笑)。まだ数日しか使ってませんけど、SIMフリー版iPad Air 2でmineoのSIMカードはちゃんと動いてますよ。わりと調子いいので、しばらくはこの環境で使い続けてみようかな。