みんなのケータイ

富士通が独自にネットワークを高速化しているARROWS NX F-02G

 会う人会う人に、ARROWS NX F-02Gの背面の触り心地とWQHDの高解像度ディスプレイを見せびらかしているのだが、そういう目に見える外観だけでなく、F-02Gは中身も着実に進化しているのだということを訴えておきたい。中でも、他の機種にはない独自のネットワーク高速化技術である「高速ダウンロード」と「マルチコネクション」は注目したい機能だ。

F-02GのWi-Fi設定画面

 マルチコネクションは前モデルのF-05Fでも搭載されていた機能なので、ご存じの方も多いだろう。従来は、ざっくり言うと、Wi-Fiがつながりにくい状態になるとモバイルネットワークに通信経路を切り替えてくれる、というものだったのだけれど、このF-02GからはWi-Fiと3G/LTEの同時通信が可能になった。どちらかの電波が不安定な状態でも、限りなくスムーズに高速な通信が継続される。

 そして、新たにF-02Gから加わったのが高速ダウンロード機能。1つのファイルをダウンロードする際にサーバーに対して複数のリクエストを要求し、そのリクエストごとにファイルの異なる部分を並行ダウンロードすることで、ダウンロードにかかる時間を短縮できるものだ。

 当然ながら、サーバーが許容する同時リクエスト数、1リクエストごとの速度制限、途中経路の混雑状況などによっては、必ずしもダウンロード時間の短縮につながるとは限らないわけだが、条件が合えばF-02Gの性能を全力で発揮してダウンロードする。3G/LTEはもちろんWi-Fiでも有効なので、外であっても自宅であっても高速ダウンロードの恩恵を受けられるだろう。

今度のマルチコネクションは同時通信が可能
高速ダウンロードの設定画面
3つの通信パターンから選択可能

 これら2つの機能は、それぞれ単独で動作させることもできれば、組み合わせてさらなるスピードアップを図ることも可能だ。高速ダウンロードの設定オプションには3つの選択肢があって、Wi-Fiと3G/LTEのいずれかを単独で使って高速化する“シングル高速化”、Wi-Fiをメインに使い3G/LTEでの通信も同時に行う“マルチ高速化(Wi-Fi優先)”、Wi-Fiと3G/LTEの両方を最大限に同時利用する“マルチ高速化(フルスピード)”から選び、安定性と高速化を両立させて通信できる。

 これらのうち“マルチ高速化”の2つが、高速ダウンロードとマルチコネクションを組み合わせて使う機能となる。Wi-Fiとモバイルネットワークの“二刀流”と、高速ダウンロードとマルチコネクションの“二刀流”で、片手に2本ずつ構えた“四刀流”とでも言えそうなネットワーク性能を実現しているわけだ。

 ただし、これらの機能がいつでも、どんな状況でも有効になるわけではないことに注意。マルチコネクションはF-05Fの時と同じようにChrome、Gmail、Twitter、YouTube、LINEなど17種類のアプリが対応しており、高速ダウンロードはGoogle Playからアプリをダウンロードする時、もしくはWebブラウザー上でファイルをダウンロードする時などに有効。主に、画面上部のステータスバーにダウンロード状況が表示される、共通のダウンロードインターフェースを用いたアプリで高速ダウンロードが活きてくる。

高速ダウンロードは、ステータスバー(通知パネル)にダウンロード状況が表示される場面などで有効だ
高速ダウンロード+マルチコネクションのイメージはこんな感じ

 そんなに高速に通信できても、月間の通信容量の上限が低ければあまり有効活用できないのでは、なんて思う人もいるかもしれない。しかし、ダウンロードの待ち時間が短縮するだけでも快適さはやっぱり変わってくるもの。ダウンロードに長時間かかると、途中で通信が切れてやり直し、なんていう場面に遭遇するかもしれないが、短時間で済めばそんな可能性もいくらかは低くなるはず。結果的に通信容量は節約できることになる。

 むしろこういった“力技”の通信機能を実現できたのは、データ通信プランが細分化され、ある意味“明朗会計”になったことも影響しているのでは、と思ったり。通信容量は節約するが、通信速度には妥協しない、そんな人に猛烈にプッシュしておきたい機能だ。