Xperia arcに搭載されたカメラの実力

2011年4月22日 06:00
(石野純也)

 Xperia arcには、ソニーの「Exmor R for mobile」という裏面照射型CMOSセンサーが搭載されている。さらに、レンズのF値が2.4で、従来のケータイカメラよりも、明るい写真を撮ることが可能だ。光量の少ない室内や夜景にも強い。実際、この機種を購入してからことあるごとに写真を撮っているが、手ブレが起こりづらく、ノイズも少ないため、ついついTwitterなどにアップしてみたくなってしまう。性能面ではさすがにコンパクトデジカメには及ばないものの、スマートフォンでここまで撮れれば十分。ネットワークにつながるのもデジカメにはないメリットだ。個人的には、「プライベートのスナップ写真は、Xperia arcに集約してもいいかな」と感じている。

 購入からまだ1カ月経っていないが、それなりに写真がたまってきたので、以下に掲載してみた。筆者の写真の腕はさておき、少なくともカメラ機能そのものの実力は体感できるはずだ。なお、以下の写真は全て6Mモードで撮影している。リンク先は無加工なので、開く際には容量に注意してほしい。

デフォルトのシーン検出にしたままで撮った、室内のつけめん。周辺のピントが合っていないものの、ノイズが少なく、麺のみずみずしさも伝わってくる。EXIFを見るとISOは1000になっているフォーカスモードをマルチオートフォーカスに変更するため、シーン自動認識を解除し、手ブレ補正を設定。別のつけめんを撮影した。こちらは、全体的にピントが合っている。EXIFのISOは1000だが同じくノイズは少ない
上の写真と同じ設定で目黒川の桜を夜に撮影した。ISOは2000。PCで拡大して見るとさすがに手ブレがあり、ノイズも少なくないが、夜景でここまで写っていれば十分だ代々木公園の桜の写真。設定は上2つの写真から変更していない。明るい場所だけあって、さすがにクッキリとした写真に仕上がっている。ところどころに混じった葉まで描写できているのはさすが。ISOは80となる。
続けて、マクロ撮影の実力を同じ代々木公園で試してみた。ここでは、上の写真からフォーカスモードだけをマクロに変えている。右端の葉の描写がやや甘いが、花びらはクッキリと写っている上の写真とは場所こそ違うものの、近いシチュエーションで撮影。こちらはマルチオートフォーカスで撮っており、手前の花びらがボケている。マクロモードの設定を駆使すれば、思いどおりの写真が撮れそうだ
節電でやや暗くなっているサンシャインシティ。ノイズはさすがに目立つが、手ブレは少ない。写真上の紫の光は、街灯の光を拾ってしまったもの。目黒川の桜と同様、ISOは2000となっている自然光が入る店内だと、ノイズも格段に少なくなる。陰影の表現も悪くない。ちなみに、撮影はマルチオートフォーカスで行い、ISOは200

 また、Xperia arcのカメラはUIも進化した。左からメニューを、右から撮った写真のサムネールを引き出すというスタイルは、非常に分かりやすい。シーン検出がオンになっている初期設定の状態でフォーカスモードが変えられず、最初は少々戸惑ったが、慣れればスムーズに操作できる。デジカメに詳しくないユーザーが手軽に撮れるよう、あえてこのような設定にしたのだろう。操作をマスターしてきたら、シーン検出を解除し、自分なりの設定でXperia arcの実力を引き出してほしい。

撮影時のUIはこのようにシンプル。タッチ撮影にも対応画面の左をスライドさせると、設定メニューが出現
画面右にはサムネールが表示されており、ここを伸ばすと撮った写真の一覧を見ることができる